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LED化 [航空関係]

雪の季節がやってきました。
北海道、東北、日本海側の空港では、その雪による影響を大きく受ける事になるでしょう。

雪による影響としましては、視程障害による進入復航。滑走路積雪によるスリップ。翼面上への積雪による離陸断念、引き返し等が考えられます。
また滑走路に積もった雪の除雪は積極的に行われているのですが、誘導路の除雪は行われなかったり、後回しになる事が多くなったりします。
その事による障害とは?誘導路の中心線が分かりにくくなりますので、タクシーに難儀する場合があるのです。以前、千歳空港でこんな事がありました。
blogchitosesnowtaxiway.gif
我々の飛行機(青)はスポットを離れRWY 01へ向かおうとしていたのですが、到着機(赤)が前方にいたため、H5-D4経由でRWY 01へ行くよう指示されたのですが、誘導路H5は雪に覆われていて、どこが中心線なのか全く分からない状態でした。誘導路の大体の位置はもちろん分かるのですが、中心線が分からないのでは、無理は出来ません。
その時はどうしたか?航空局の車を呼んで、誘導路中心線上を走ってもらい、そのわだちを頼りにタクシーする事にしたのですが、
実はこの話にはまだ先がありまして、そんなこんなをしているうちに、翼面上に雪が積もってしまい、H5
-D3経由でスポットに引き返す羽目となってしまったのです。

そんな時(特に夜間)に役に立つのが誘導路中心線灯で、このライトは航空機の車輪が上を通過しても破損しないよう半埋め込み式になっているのですが、雪の中から透けて見える緑の灯りが、誘導路の中心線をキープする目安となる場合もあります。
ただ、積雪量が多くなってしまいますと、雪の中に完全に隠れてしまい、視認する事が不可能になってしまいますが。

その誘導路中心線灯をLED(発光ダイオード)化しようという動きがあるらしいのですが、「ちょっと待った!」 と言いたい。
LEDには色々な利点があるようで、電機メーカーのホーム・ページを見てみますと、
長寿命。省エネ。小型化が可能。発熱しない等が特徴のようですが、この発熱しない点に問題ありと考えるのです。

先程の雪に埋もれて視認できなくなってしまう誘導路中心線灯ですが、そのライトの熱で周りの雪が溶け、ポッカリと穴が空いている場合があるんですね。そしてこの穴が、誘導路の中心線をキープする目安になる事も多いのです。
ですから発熱しないLEDには問題あり、と言いたい。
LEDは明るくて指向性も高いという事なので、その利点を使って、雪の中でも視認しやすい誘導路中心線灯が開発されるのであれば文句はないのですが。

こんな話が出るたびに思う事は、パイロットの意見も聞いて設備の改善をやっているのか?と言う事ですね。
例えば、羽田の4本目の滑走路05/23は、05を着陸に使う事を想定していないように思われます。
川崎浮島にある、ピラミッド型をした東京湾アクアライン浮島換気塔が障害物となって、05への着陸は不可能なように見えるからです。
羽田で東寄りの強風が吹いている時の着陸は、かなりの難儀で、危険さえ感じます。
こんな時、05が着陸に使えれば、どんなに安全な事か。
コメント(3) 
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コメント 3

FD

コメントテスト。
by FD (2009-01-19 22:06) 

HAL

なるほど、低消費電力で発熱しない、寿命も長いというLEDの特性が逆に働くこともあるのですね。
そうすると、指向性が強く輝度の高いLEDを使うなら、水平方向に向けるのに加え、上方に向かって光らせることで(上下方向は厚さが薄いであろう)雪を通してLED光が雪面に届いて、雪面が点々と青く光るような方法も考えられるかもしれませんね。

使う人の意見を聞いて仕様を定めるというのはモノづくりの基本のキ、ですね。

by HAL (2009-01-20 00:38) 

K.ASO

羽田のDランですが、構想時は北東風時に04Takeoff-05Landingにするのではなかったでしょうか?
某社月刊誌にて読んだ記憶があります
by K.ASO (2009-01-23 12:07) 

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