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ほんとにあった恐い話 [テレビ番組]

と言う番組が昨夜のフジテレビで放送されていました。
視聴者が経験した実際の話とのことでしたが、こんな大嘘があるはずがありません。
この程度の話で良いのなら、飛行機にまつわる 恐~いお話 を一つ。体験者 青空 太郎 (仮名)


私は当時ボーイング747-400の副操縦士をしていたのですが、仙台からのチャーター便をハワイのホノルルまで飛ばした後、ホノルルに2泊して関西空港へ機体をフェリーする勤務でしたので、帰りは乗客を乗せないフライト。ホノルルでは大いに羽を伸ばすことが出来ました。

bloghonoluluairport.jpg

ホノルル国際空港を離陸し、FL350で巡航に移りますと、後は関空までの8時間をひたすら耐えるだけの仕事となるのですが、パイロット二人以外は誰も乗っていませんので、積み込まれているクルー用のミールも自分たちで用意することになります。
食事も終わり退屈しておりますと、突然キャプテンが 「肝試しをしようか」 と言いだしたのでした。
「何をやるのですか?」 と私が尋ねますと、「俺が何かを1階席後方のトイレに置いてくるから、それを君が取ってくると言うのはどう」 と言うではありませんか!

皆さんは、人が大勢乗っている客室しかご存知ないでしょうが、誰も乗っていない客室ほど不気味なものはないのです。特に747の場合、操縦室は2階にありますので、1階の客室は余計に不気味なのです。
「何にしようかな・・・・・」 と言いながら置いてくるものを探していたキャプテンが、「この紙コップに目印をつけて一番後ろのトイレに置いてくるからな」 と飲み終えた紙コップに自分のサインをして操縦室を出て行ったのです。
もちろん私はそんな提案は拒否したかったのですが、臆病者と思われるのもシャクなので、渋々従うことにしたのでした。

待つこと十数分。帰ってきたキャプテンが 「四つある一番後ろのトイレのどれかに置いてきたから、これから行って取ってきて」 と、会心の笑みを浮かべて言うではありませんか!
こうなったら仕方ありません。操縦室のドアを開けて、客室へと出て行ったのでした。
ドアを開けますと、そこには誰も乗っていない2階客室が後方へと延びています。
それだけでも不気味なのに、更に階段を下りて1階席へ行き、一番後ろのトイレまで行かねばならないとは。膝がガクガク震えるのが自分でも分かりました。

1階へ下りる階段の上から下を見てみますと、いっそう不気味さが増して、「キャプテン勘弁して下さい」 と言って、白旗を揚げたい気分になってきたのですが、後ろまで行ってきたキャプテンの勇気を思いますと、それはとても無理な相談だったのです。
死ぬ気で階段を下り、脇目も振らず後方のトイレまで走って行き、四つのトイレを片っ端から調べたのですが、どこにも紙コップが置いてないではありませんか!「誰が取ったのだろう?まさかっ!」
急に恐怖がこみ上げてきて一目散に操縦席まで駆け戻り、震える声で、「キャプテン、コップがどこにもありませんでした」 と叫びますと、ニヤッと笑って、「お前本当に後ろまで行ってきたのか。俺は2階のトイレまで行っただけだよ」 と言うではありませんか。「一杯食わされた!」 と怒りがこみ上げてきたその時、

ピンポ~ン とインターフォンの呼び出し音が鳴ったのでした。いつもの癖でインターフォンを取り上げようとしたのですが、真っ青な顔で私を見つめているキャプテンを見て、私も背筋から恐怖がこみ上げてきたのでした。
呼び出し音はCAからのコールだったのですが、我々以外誰も乗っているはずのない飛行機なのですから。

思わず、ペデスタルにありますインターフォン・ステーション・インディケーターを見ますと、L5 と表示されていました。そう、一番後ろのCAシートからの呼び出し音だったのです。
それから、関空に着陸するまでの数時間。生きた心地がしなかったのは言うまでもありません。

その時の機体はすでに何処かに売却されて、現在我が社にはありません。

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アドマンSFC

誰もいない客室。
学生時代、機内清掃のバイトをやっていた時、深夜に何度か経験しましたが、やはり上空と地上では感覚が違うんでしょうね。とは言え、我々はもう少し機内に人が居たので…(笑)
by アドマンSFC (2012-08-19 12:33) 

°∇°")

747の怖い話!ワロタ!
いままで一度も怖い体験したことないので、一回くらいは怖い体験したい。
↓本日、日曜日なので最近見つけたUTubeのオマケ
かしこい犬
http://www.youtube.com/watch?v=r27TgAHjYuo
ドラムで喰っていく!
http://www.youtube.com/watch?v=ZuOiqbungqI
by °∇°") (2012-08-19 18:11) 

RISACO

はじめましてFDさま

いつも楽しくそして興味深く拝見しています。

飛行機が好きなので、今夜はどんな飛行機の夢が見られるかな?♪と、楽しみにして眠ります。今夜は別の意味で、ワクワクドキドキ冷や汗をかきながら夢を見られそうです。(^0^;)

ところで、もう海猿ご覧になりましたか?見たいような見るのがせつないような・・・まだ見ていません。

http://www.umizaru.jp/intro.html

Risaco
by RISACO (2012-08-19 20:28) 

うえいぱうわ

照明を落とした機内って、想像以上に暗いですよね。
あの闇に置かれると、いろいろと想像してしまうのも
無理からぬことですね(笑)
by うえいぱうわ (2012-08-20 10:27) 

NEXUS

インターホンの正体は、FDさんの浮気を心配してこっそり回送便に乗り込んだ
奥様だったりして!

この結末のほうが肝試しよりも怖いですね!
by NEXUS (2012-08-20 12:13) 

カイホ

昨今は幽霊クールビズという日本語があるそうです。

自分自身 幽霊は3回
UFOは1回 見ています。

「見た」と「夢・幻」との違いは記憶に留まるか否かです。
幽霊
1:サイパンにて
2:伊勢志摩にて
3:中野のビジネスホテルにて
それぞれ今でもはっきり姿を覚えておりスケッチで書くことができます。

UFOは40年近く前ですが友人と同時に見ましたので幻ではないと
断言できます。
by カイホ (2012-08-22 22:28) 

B3-COP

はじめまして。

九州の某空港にて、遅パタの勤務を終えて、エレベータへ通じる明かりの消えた廊下を、CAPと2人でトボトボ歩いている時のことでした。

別会社らしき2人組のCAさん(シルエットしか分からない)が、10メートルほど先を歩いていたため、私は「エレベータ待っててくれないかな」と思っておりました。

しかし、私達が角を曲がった時には2人の姿はなく、空のエレベータが同階に停まったままでした…。

そこにはエレベータ以外の扉はなく、先を歩く2人が下(上)の階に移動したとしても、箱が戻ってくるまでには時間が掛かるはずです。

CAPも当然その事に気付いており、「今、前に居たよね?」「確かに居ました」と目と心で通じ合いました。

結局、前を歩く2人が何処へ行ったのかは分かりません。
私達2人が"同じくらい疲れていた"ということになってます(笑)



by B3-COP (2012-08-23 13:28) 

FD

私の 『ほんとうはなかった恐い話』 にお付き合い下さいまして、ありがとうございました。
飛行機のような超近代的な物象と、超自然現象の相性の良さを再確認した次第です。


-400が東京湾に不時着するという海猿、まだ見ていません。
何故なら-400が羽田の手前の東京湾に不時着する事などあり得ないと
考えるからなのです。
どんな状況設定なのか、興味はあるのですが。


私の私見を言わせて頂ければ、幽霊・UFOなど絶対に信じません。
もし幽霊がいるのなら、殺人事件などあっと言う間に解決するでしょうから。
未だに犯人が分からない殺人事件などあり得ないはずです。


昔々。我が社のキャプテンがUFOを見たと言ってテレビ番組に出ていましたが、
会社で会った時「あの話は本当ですか?」 と聞きましたところ「エヘヘ」 と笑ってました。
「空飛ぶ円盤を見た」 と言えば嘘になるでしょうが、
UFO(Unidentified Flying Object)を見たと言えば嘘になりませんからね。
闇夜にカラスが飛んでも、UFOでしょうから。

by FD (2012-08-24 20:47) 

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