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ロシア機着陸失敗 炎上 [航空関係]

モスクワのシェレメチェボ空港に着陸を試みたアエロフロート航空スホイ・スーパージェット100型が着陸に失敗、大破炎上しました。
ニュース番組などの情報によると、乗員は「機体が『機能不全』に陥った」とか「被雷して通信機能が失われた」などと述べているようだが、失われたのは通信機能だけだったのか、航法計器にも異常が生じたのか、現時点では詳細不明。

報道では離陸40分後に着陸を試みたとありますし、公表された飛行経路を見ても慌てて着陸しなければならない状況でもなさそうです。
航跡図やその後の報道を見ますと、もっと短時間のうちに着陸したようですが。

1.gif
では何故重大な事故になってしまったのか?ネット上に公開されている映像にヒントが隠されているように思われます。
映像を切り取ってみたのですが、映像を見直して一部コメントを修正しました。

1.jpg
一度滑走路に接地した後バウンドしたのか、引き起こしが急過ぎてフローティングしたのか?

_jpg.jpg
再び上昇に転じているように見えます。
ゴー・アラウンドしようとしていたのかと思ったのですが・・・

2.jpg
それどころか、フローティングしてしまったので、回復させようと慌ててピッチ・ダウン。
この状況で後退翼機のピッチをこれほど下げるのはまずいでしょう。
この操作が最大の事故原因か?
滑走路上の低高度でこんな機首下げの姿勢にしてしまったら、自殺行為です。

1.jpg
ピッチ・ダウンにより降下率が過大となり、引き起こし操作を行ったにもかかわらず沈下を止めることができずに、やや機首上げの姿勢のまま滑走路にハード・ランディング。

4.jpg
衝撃で突き上げられた主脚によって燃料タンクが破損して火災が発生。
多くの犠牲者を出してしまいました。

88.jpgちなみに左が正常なピッチ角。右が正常な状態からピッチを7度下げた状態。

お前ならどうした?と問われれば「フローティングした時点で+ピッチを保ったまま僅かにピッチを下げ、パワーで吊りながら滑走路に近づけて行くでしょう」
ただし、滑走路の長さが充分であるならとの条件が付きますので、フローティングした時点でゴー・アラウンドが正解でしょう。
機体の状況が分からないので何とも言えませんが。

平成21年3月に成田空港で起きた FedEx 80便 の事故を思い出しました。
事故調査報告書では「推力を使用せずにピッチ角の操作のみで同機を制御しようとして、操縦桿を大きく操作した」と述べていましたが、今回の事故もピッチ角の操作のみで制御しようとした可能性が高いのでは。

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無責任一代男

最近多い航空機事故ですがFDさん以外の安もんの評論家さんたちは大忙し。
早く降ろさなければいけない→まだなのに焦って引いてしまいそのまま落ちる。こんな図なのでしょうか?
とにかく人間は焦ると必ず失敗するものです。
遅れそうになって慌てて出かけたらガスを消し忘れ、家燃やすってのもありました。(うちの裏の家)
by 無責任一代男 (2019-05-07 15:30) 

FD

申し訳ありません。
映像を見直してみて、高起こしと言うよりも一度滑走路に接地した後
バウンドしたようにも見えます。
いずれにしても、その後の回復操作に問題があったようです。
ますます、FedEx 80便 事故との共通点が見えてきました。
とにかくゴー・アラウンドを決断する重要性を再確認した次第です。
今さら遅いか?

by FD (2019-05-07 22:33) 

NOSIG

FD様いつも詳しい解説ありがとうございます。
フライトレーダ24の速度と高度のグラフでは、降下開始は離陸から約7分後(その時の高度は1万ft)、その直後squawkを7600に変更、滑走路に正対した後にsquawkを7700に変更(約2500ft)、滞空時間は26分~27分ほどに見えます。
このデータはADS-Bなので、速度計や高度計、レーダ応答などの機器は接地直前まで機能していたと思われます。
最近の報道は何かと偏向やらガセが多いようで、けしからんです。お邪魔いたしました。

by NOSIG (2019-05-08 03:18) 

FD

航空評論家としてテレビ番組に登場するからには、現段階のように
原因不明な状況でも「分かりません」とは言えないでしょうから
何らかの推測を述べる必要があり、苦しい立場だとご同情するところです。
squawk 7600 は無線機故障なので状況に合致していますが、
7700 は緊急事態ですので、何か状況が悪化したのか?
離陸直後、すぐに着陸を試みたので、燃料満載状態だったなどとの
報道もあるようですが、国内線だったとすれば、それほどの燃料は
搭載していなかったと思われます。


by FD (2019-05-08 20:07) 

無責任一代男

ん、このタッチダウン前のピッチ画像、もしかしてあれかな?
韓国軍のものはすぐに分かったけど自信ない。
フラップ角は同じように見える・・・もやっと。。
by 無責任一代男 (2019-05-10 19:45) 

nobody

2017年はジェット旅客機による航空機事故に伴う死者がゼロだった(747Fの墜落はありました)記録的な年だったのですが、2018年以降は737MAXの事故など再び事故が起きるようになってしまったのはとても残念です。

Fedexの事故、MD-11の機体特性の悪さが原因として指摘されていました。燃費を改善するために水平尾翼を小さくした結果、安定性が悪くなったのをLSASという制御で乗り切ろうという発想でしたが、これが上手く作動しないとすぐにクリティカルになる機体特性であったと指摘されています。

これ、今回の737MAXの事故と似た話があると思います。エンジンを大型化するために前に出した所、機首上げの特性が出るので勝手にエレベータートリムを操作して従来機と共通ライセンスにしようとしたという....

FDさんが過去に書かれていた中で印象的だったのが、747の重心が重いエンジンの間にあるという話。やっぱり航空機はバランスよくないと、いくら制御で頑張ろうとしてもダメなんだと思います。
by nobody (2019-05-11 21:38) 

FD

>もしかしてあれかな?
心当たりがありませんが・・・


DC-10 から MD-11 に発展させた時、水平尾翼面積を更に小さくしたと聞きました。
戦闘機では運動能力を高めるため、不安定な機体とした上でコンピュータ制御によって安定させているらしい。
安定性の高い機体は鈍重になりますので。
B737MAX、エアバスの轍を踏んでしまいましたね。最後は人間の操作が優先するボーイングが好きだったのですが。

by FD (2019-05-14 14:24) 

flight679

youtubeで探すと出てきますが、広島空港で某社がハードランディングしています。ぜひ解説をいただければ。
by flight679 (2019-06-22 01:19) 

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