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停止線 [航空関係]

新聞の報道によりますと、羽田空港の滑走路34Rの離陸開始地点付近の誘導路上で、B777の尾部とB747の翼端が接触する事故があったとの事。

報道では、「大型機のすれ違いが困難になる、パイロット泣かせの難所」 とありましたが、離陸のために待機していたB777が正しい停止位置に停まっていて、(なにをもって正しいとするかは難しいところですが)後方を通過するB747が誘導路のセンター・ライン上を正しく走行していれば、起こるはずのない事故だったのです。
では何故に起きてしまったのか?

大型機が停止線のかなり後方で待機している光景を時々見る事があります。B767ぐらいまでの中型機であれば、それほど問題ではないのですが、大型機がそれをやってしまいますと、他の飛行機が後方を通過するのに十分な間隔を取る事ができなくなり、問題となってくるのです。

-400やB777-300のような大型機が滑走路手前でホールドする場合、停止線に出来るだけ近づいて停止しませんと、後ろを通る大型機の通行の妨げとなってしまうのです。
妨げだけならまだしも、停止している飛行機の尾部と、後ろを通過しようとしている飛行機の翼端が接触する事故も、希にではありますが起きていますからね。

blogstopline.gif

停止線ギリギリまで前進して停止している-400(A機)の後方を、同じ-400が通過する場合には、余裕を持って通過できるよう、滑走路と誘導路の間隔を十分にとって、設計・施工してあります。
エアバスA310やB767クラスでしたら、停止線の少し手前で停止したとしましても(B機)、それ程の問題はないでしょう。

ところが、-400が停止線のかなり手前で停止してしまいますと(C機)、図のように同じ-400が後方を通過できなくなってしまう場合もあるのです。
-400の場合、操縦席が二階にありますので、停止線ギリギリに停めるのが結構難しいのは確かなのですが。
そこで、エアバスやビーロクから-400への移行訓練を担当した時によく言っていた事は、外部点検をしている時、ノーズの先端とほぼ一致している舗装の継ぎ目などを見つけたら、その継ぎ目が操縦席の窓枠のどの位置に見えるかを確認しておくようにと言う事でした。
そんな時、よく利用していたのが下の写真です。

b747stopline.jpg
キャプテン席からの停止線の見え具合ですが、B747のノーズ先端の位置とコンクリートの継ぎ目との位置関係を見ますと、停止線ギリギリで待機するためには、自分の感覚よりもかなり前へ出る必要がある事が分かると思います。

ところで、B747はコックピットから翼端を見る事ができる唯一のワイド・ボディ機なのです。翼端どころか、外側のエンジンまで見る事ができるのです。

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