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やはりやらかしてしまいましたか [航空関係]

報道によりますと、
20日、羽田空港に着陸する「ターキッシュ エアラインズ」の旅客機が本来の滑走路とは異なる別の滑走路の方向に向かい、着陸をやり直していたとのことでした。
国土交通省によると、20日午後7時すぎトルコのイスタンブール発、羽田行きの「ターキッシュ エアラインズ」198便が羽田空港に着陸しようとした際、管制官からB滑走路 (RWY22) への進入許可を受けたにもかかわらず、途中で本来の飛行ルートを外れD滑走路 (RWY23) の方向に向かったと言うのです。
当時、同じD滑走路には別の旅客機が進入しようとしていたが、国土交通省は「安全上、必要な間隔は保たれていた」としています。
すぐに管制官が誤りに気付いて指示を出したため 198便は高度を上げ、およそ25分後に着陸をやり直したとのこと。

私はこの件に関して RWY23 オープン当時からいささかの懸念を抱いておりましたので、
2010年10月8日のブログで記事にしています。
ブログの左サイドバーの一番下にあります検索窓に[ちょっと気掛かりな事]と入力しますとアクセスすることが出来ます。


話しは変わって、
陸上自衛隊が先の大戦で最大の激戦地であった硫黄島で開催された日米戦没者合同慰霊追悼顕彰式に関する報告書を公式に投稿した際「大東亜戦争」との表現があったとして淺卑新聞が早速噛みついてきたとのこと。曰く、
戦後、占領軍の命令で「大東亜戦争」の呼称は禁止された。故に怪しからんと言いたいらしいのだが、サンフランシスコ平和条約締結から74年、日本の主権はとっくに回復しているのに未だに命令は有効だと言いたいらしい。
何かと言えば「従米」だと騒いでいるのに、未だに米国の命令に従えなどとは従米の極みじゃないか。
それにしても残念で情けないのは朝日の言葉狩りと言論弾圧に恐れをなして大東亜戦争の部分をあっさりと削除してしまったこと。

ここで明るい話題を、と言えば大谷選手となるでしょう。
出ました MLB 日本選手最多本塁打 176本 [ぴかぴか(新しい)]
1.jpg
最多以外に話題に上っているのが、何と右翼手の動き、いや動かないこと。「全く動けず」と表現していましたが、スタット・キャストの3D動画を観ると、僅かに身体を左に捻って左足を
1歩横に踏み出しただけでボールを追うのを止めてしまってました。そして捕手は打たれた瞬間ガックリとうな垂れていました。
1.jpg
これからは本塁打量産も期待出来るでしょうし打率はリーグトップ。今年は更に上を行って、
三冠王で MVP も期待出来るかも。
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HUD ヘッドアップ・ディスプレイへの疑問 [航空関係]

現在最新鋭の機材には下の写真のような Head Up Display と称する投影装置が備えられています。

hud1.jpg
HUD の最大の利点とは外 (滑走路) への視線と計器 (速度・高度・Path) などへの視線が同一線上にあるため視線を大きく動かすことなくその両方を難なく捉えられるところにあると考えられています。
HUD を装備していない在来機では、外と計器のクロス・チェックを行うためには視線を素早く上下に動かす必要がありました。パイロットが視線カメラを装着したならば視線の先が激しく動き回っていることでそのことを理解して頂けるのではないでしょうか。
よく「目つきが悪いのは刑事とパイロットだ」などの冗談を聞いたことがありました。
NHK の朝ドラ[舞いあがれ]で主人公の訓練生が着陸するとき、目が据わっていてピクリとも動かないのを見て「あれでは着陸できない」と oldfogy さんが指摘されていました。
そこで私は HUD を利用して飛んだ経験がない事をお断りした上で、HUD について深く瞑想してみたいと思います。

HUD を利用しての着陸動画を観てみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=NXT1tz1-y8M
どうでしょう?平面な画像ですので分かり辛いでしょうが、奥行きがあって遠方に見える実際の滑走路と HUD の数値を同時に読み取るには当然ながら焦点を調整する必要が生じます。

aa.jpgHUD は滑走路を見せるために映像の中央部分を広く空けてありその幅は下にみえる PFD よりも広くなっていますので速度と高度を示す数値部分も左右にかなり離れており焦点を近くに持ってくると同時に視線を左右に大きくき振る必要があると思われます。
そして所詮は投影画像で鮮明度に欠けますので、目の端で捉えただけでは正確な数値を読み取れずに凝視することにでもなったなら何のための HUD かとの疑問も出てくるでしょう。
更には 50ft のコール以降は滑走路と重なってチョロチョロと動き回る Inference Circle が目障りで
滑走路の目視に集中できない恐れもあるように感じられました。


JAL516便が HUD を使用していたかは不明ですが、こんな余計な表示に気を取られていたのでは 海保機に気付かなかったのも致し方なかったと言えなくもないでしょうが、300 名を超える命を背負って飛んでいるのですから、見えなかったで済むはずもないでしょう。

DA (進入復行高度) を過ぎれば後は Threshold (滑走路末端) で Vref+α の速度を保っていることさえ確認したなら、それ以降は速度を Bleedoff しつつ電波高度計の読み上げを聞きながら滑走路へと寄せていくだけですので、速度などに気を留める必要はないのです。
機長昇格のための路線訓練で着陸したとき、右席で指導していたキャプテンに「Threshold でちゃんとスピードを確認していたね」と言われ、私の目線まで見ていたのかと驚いたことがありました。

今回の羽田空港での事故。殉職された5名の海保隊員はお気の毒でしたが、JAL機はCA達の
奮闘もあり乗客など全員が緊急脱出に成功し、海外メディアからはミラクルだとの称賛が寄せられていますが、私が考えるもう一つのミラクルとは。
衝突した後に JAL機と海保機が絡み合うことなく離れてしまた事でした、海保機を抱え込む形で滑走していたなら緊急脱出も困難なものになっていただろうと想像してしまいますので。
PS:今回の羽田空港衝突事故でCAが保安要員である事が改めて認識されたと思われますが、時を同じくして日本の航空会社としては初となる女性社長が誕生しました。
新社長は長崎の短大出身でCAとしてのキャリアの始まりは東亜国内航空で JAS 時代に JAL と合併し、どちらかと言えば傍流だったでしょうから、それでもトップに上り詰めるとは余程優秀な女性なのでしょう。

自民党が派閥解消に踏み切りましたが断交する訳ではないでしょうから、またぞろ集まってくるでしょうね。政策勉強会と派閥の垣根もあやふやですし。


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負の連鎖 [航空関係]

昨年暮れには痛ましい交通事故の数々。新年元旦には能登半島沖地震。そして羽田の事故。
地震が起きなければ羽田の事故もなかったはず。これを 負の連鎖 とでも言うのでしょうか。
2024年、令和6年。ロシアによるウクライナ侵攻は終わりが見えず、イスラエルとハマスの
戦闘もエスカレートするばかり。日本とて対岸の火事と捉えることなく他山の石とすべきなのでしょう。
火の粉は直ぐ身近に迫っているのですから。
朝鮮半島はきな臭くなりつつあるし、尖閣諸島を狙う中国の領海侵犯が頻発、漁船に偽装した
民兵に尖閣上陸を許したなら竹島の現状同様に日本がお手上げになるのは火を見るよりも明らか。
今年は日本にとって激動の年となるのではと危惧しているのです。

2日の夕方 NHK の番組を観ていたのですが、6時になったので箱根駅伝の詳細を見ようと
チャンネルを変えようとした瞬間、衝撃的な羽田炎上のライブ映像が飛び込んで来ました。
訳も分からず見続けていますと、JAL 機が何かと衝突し炎を上げながら滑走路上を爆走する更なる衝撃の映像が。
ネット上には自衛隊機と衝突などの情報も流れていましたが、これは自衛隊を悪者にしたい連中が早合点した結果のようで、実際は海上保安庁の機体との衝突でした。
海保機は誘導路 C-5 から進入し衝突しました。
6.jpg
こうなるとお出ましになるのが航空評論家を自称する元機長殿達。「事故原因は?」と問われたなら「現時点では分からない」と応えるべきなのに、そんな事を言ってしまったなら次から
お呼びが掛からなくなるので、勝手な推測を並べていました。例えば
「JAL 機が滑走路の中心線を左に外れ、なおかつ海保機が停止線を少し超えていたなら衝突の 可能性があったかも」ですと。
Rwy34R 手前の停止線は CATⅢ 対応になっていますので滑走路まではかなりの距離があり、
滑走路中心線を少々外したとしても衝突などしませんよ。
その後の調べでは、管制官からは海上保安庁の航空機に対し、滑走路に入る手前まで走行するよう指示が出ていたとする一方、海上保安庁の機長は管制官から離陸の許可を得ていたなどと、まったく食い違う認識を示していることがわかった。とのことですが、
離陸許可を得ていると認識していたのなら、滑走路に進入する前に何故ファイナルを確認しなかったのか?LAL機は至近距離まで迫っていたはずだろうに。

私、実は似たような経験を二度した事があるのです。
① 地方の基幹空港、夜間でした。
滑走路手前で着陸機を待っていた時、目の前を着陸機が Touchdown して通り過ぎた後、
滑走路への進入許可が来ましたので、次の着陸機まではかなりの距離があることを確認して進入しますと、着陸機は左へ曲がりながら滑走路から離脱しつつありましたので客室に離陸を知らせる四点鐘を送り離陸許可を待っていますと、何と後続の着陸機に着陸許可を与えたではないですか!直ぐに叫びましたよ。
「〇〇〇 On The Runway Ready」と、管制官は肝を冷やしたことでしょう。滑走路に進入許可を与えた飛行機がいることを失念していたのですから。直ぐに着陸許可が取り消され我々に離陸許可が出ました。離陸後「Contact Depatre Very Sorry」
参照:一つの滑走路は、一度に1機の航空機しか使用できない」という国際ルールは、なぜ破られたのでしょうか。
そんな決まりありましたっけ?混雑が激しくなっている現在。そんな事をやっていたら飛行機をさばききれません。

② 夜の羽田。滑走路は 16L
先行機に続いて左旋回し 16L のファイナル・コースに乗りつつありましたが、着陸許可は既に得ていました。ところが先行機は止まり切れなかったようで、C-7 からの離脱を指示されたのに確か C-4 を要求したのでした。なにをモタモタしていると思いながら滑走路に近づき滑走路上を注視しますと、何と!赤いライトが未だ滑走路上でチカチカと点滅しているではありませんか。その時はコーパイに操縦を任せていましたので「ゴー・アラウンドしろ」と叫びました。
その間タワーからは特段の指示はなし。
その時の先行機。コール・サインからして、スターフライヤー就航前の慣熟フライトだったと思います。
参照:管制方式基準 【着陸許可】
a 先行機が所定の状態に達する前に着陸許可を発出する場合には、 関係先行機に関する交通情報を提供するものとし、同一滑走路又は 交差滑走路からの先行出発機は離陸滑走を開始していなければならない。
今回の事故も JAL機と海保機、更には管制官の誰かがただ事ではない状況に気付くべきでした。
新年2日目に殉職された海保隊員がお気の毒でなりません、残されたご家族も。

PS:その後の報道によって交信内容が明らかになってきましたが、まず第一に言えることは LAL516便に着陸許可が出ていたことは間違いありません。では、海保機との交信内容は、
海保機がC滑走路 (16L/34R) と平行に伸びているC誘導路を南に向かって進んでいるとき、
管制官から「1番目の出発機です」と言われたのに対し「1番目の出発、ありがとう」と返していますが、この ありがとう の意味は何に対してなのか?
ここからは、NHKのヒューマニエンスに倣って深く妄想してみたいと思います。
1番目の出発にしてくれたこと or 1番目の離陸にしてくれたこと?
ここで関わってくると考えられるのが、516便に続いて進入していた JAL166便なのです。
166便に対して管制官は「Reduce Airspeed 160」「Reduce Minimum Approach Speed」と矢継ぎ早に減速の指示をしています。
C誘導路上を南に向かって進んでいた海保機が 516便の着陸灯を減速を指示されている進入機と間違えたとしたらどうなるか。1番目の離陸との指示を受けているため、減速を指示されている進入機よりも先に離陸しなければと急いだらどうなるか、Hurry-up Syndrome に陥ったとしたなら。
ここで更に関わってくるのが、C5誘導路の特殊な形。
1.gif離陸許可が出ていると勘違いしているのだから、少しでも早く離陸しようとするなら C6 へ行くかもしれない。
そうすると副操縦士席からも滑走路ファイナルが見づらくなるので、ファイナルの確認が疎かになったのも納得できる。


https://www.youtube.com/watch?v=DuMV0O5QpMU

夜間着陸の見え具合です。海保機は左に見える PAPI 付近から滑走路に進入し40秒間とどまっていました。
ただし、羽田 34R の PAPI は右側に設置してあります。

以上、大いなる妄想にふけってしまったことをお許しください。
次に妄想するのは機長と副操縦士、どちらが操縦していたのか?と言うこと。
操縦している方 (PF) は操縦に集中するあまり Touchdown point を注視しがちとなり広い視野を保てなくなる傾向にあります。故に、操縦をしてない方 (PM) は滑走路周辺に目を光らせて
障害物がないかを確認する必要があるのです。私が副操に多く操縦を任せていたのは、その方が安全だと考えていたからなのです。操縦などの下等な仕事 (失礼) はオート・パイロットや副操に任せて機長は高所からフライト全体を監視する。
ゴー・アラウンド出来なかったかとの意見もあるようですが、海保機が滑走路に進入してきた
タイミングにも依るでしょう。高度 100ft の時点なら CATⅡの DH と同じで、シミュレータ
訓練では滑走路を視認したあと 50ft で見失いゴー・アラウンドするのが定番でしたが、
Touchdown してしまったなら厳しいでしょう。



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飛躍的に進歩を続ける進入方式 [航空関係]

調べごとがあって女満別空港のアプローチ・チャートを観ていましたら RNP RWY36 の
MINIMA 欄に LPV なる略号を見つけたのでした 赤枠
しかも DH は ILS RWY18 (200ft) と同程度の 250ft !

1.gif

検索してみますと LPV (Localizer Performance with Vertical guidance)とは、
GPSと SBAS(Satellite-based augmentation systems:衛星航法補強システム)から送られる位置補正データを活用し、航空機が着陸時に進入方向と降下角度のガイダンスを受けながら滑走路へと進入する方式とのことで、誤差は1m程度と言うではありませんか。ILS と同程度の精度である事も頷けます。
丘珠と釧路、奥尻、利尻の4空港にも導入されているとのこと。
RNP AR などと共に最新の進入方式を経験できる現役のパイロットが羨ましい限りです。

物価高騰の折、電気料金を引き下げることが出来る策があると産経新聞のコラムにありました。
その秘策とは?「再生可能エネルギー賦課金の廃止」
再生エネルギー普及のために電気料金の1割に当たる額を強制的に徴収されている現状。しかも
賦課金は主として太陽光発電へ還元されているのだが、太陽光発電の国内業者は淘汰されてしまっているので賦課金の殆どは回り回って中国へと流出している始末だと言う。そしてその金額は
2~3兆円に達していると推測されるとのこと。
EVの値下げ競争に翻弄されているいる日本の自動車産業を更に衰退させかねない中国製EVへの85万円の補助金といい、日本の政治家はどこまで中国に貢げば気が済むのだろう。
ところで岸田首相の話を聞いていると雄弁なだけの評論家に見えてしまう。評論家なら言いっ放しで済むでしょうが、一国の首相ともなれば決断と実行が必要で、その辺りの頼りなさを国民は見抜いているから低支持率になっているのです。
首相は解散を臭わして野党を牽制していますが、圧倒的勝利を望めるのであれば解散も選択肢になるのでしょうが、今の状況で解散・総選挙に突き進む理由が分かりません。

今日は「文化の日」元々は明治天皇の誕生日で明治節と称していましたので、超党派の議員連盟が 文化の日と明治の日を併記する法改正目指しているとのことですが、訳の分からないみどりの日が昭和の日になってように「明治の日」だけでもよろしいのでは。


PS: 阪神対オリックスの日本シリーズ、ついに第7戦までもつれ込みました。
私はどちらが勝とうが構わないのですが、ちょっとだけ気に懸けていたのが、初戦7失点で
KOされたオリックスのエース、山本 由伸投手。
何故かと言えば来年は MLB でプレーするのが確実視されていますので自信を持って移籍して
欲しかったから。あまり振り被らずに軽く投げるフォームが好きでしたので。
しかし、とんだ杞憂だったようで、9回 138 球1失点で完投。14奪三振の日本シリーズ記録までも打ち立てての好投、失礼いたしました。
これで MLB でも評価はうなぎ上り、契約金がどこまで高騰するのか楽しみです。

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Look-Ahead terrain Display の活用 [航空関係]

日本の国土は狭く山岳地帯が迫っていますので、滑走路の両方向に精密進入である ILS を設置するのは難しく、ILS の反対方向には非精密進入である VOR アプローチを設定するか ILS からの周回進入で着陸することを余儀なくされていました。
周回進入では地表を確認しながらビジュアルで飛行する必要があり、当然オート・パイロットではなくマニュアルで操縦する必要がありました。
そこに近年になって登場してきたのが ILS のような直線進入ではなくても精密進入が可能となる、RNP AR ( Required Navigation Performance−Authorization Required ) アプローチなのです。日本語にすれば「承認を必要とする、航法精度が指定された」アプローチとなるでしょうか。
このアプローチの最大の特徴は、山岳地帯をモノともせず、右左と旋回を続けながら滑走路へと進入することが出来る点にあります。そして、マニュアル操縦は禁止でオート・パイロットの使用が必須となっています。
更に ILS のように地上施設が必要でなく、机上の計算だけで設定する事が出来るのです。
下の図は熊本空港 RWY 25 へ進入する RNP AR チャートなのですが、進入限界高度は
DA 942ft (DH 300ft) / RVR 1600m と ILS 並みの精密進入が直線進入ではないにも関わらず可能となっているのです。
ILS 07 からのサークリングですと、DA 1190ft (DH 558ft) / VIS 3200m となってしまいます。いずれも航空機の Approach Category D で比較。

4.gif
このアプローチにおける航法精度 RNP は BOCHU RW25 間は 0.3NM、それ以外では 1.0NM となっています。
しかし、このアプローチが行えるのは夜間のみ。昼間ですと絶景となるものを、絶景過ぎて乗客が肝を冷やす?

そして、このアプローチを行っている時、コックピットの ND (Navigation Displays ) には

4.gif

2.gif左のようなアプローチ・ルートが表示されるのですが、この ND の表示だけを見ながらアプローチをするのは一抹の不安があるとは思われませんか?
飛行機は標高 5,223ft (1,592m 肥後国) の阿蘇・高岳を左に見ながら山の合間をぬってアプローチするのですから。
進入ルートは厳密に設定されており、
機上機器にも承認が与えられてるとは言え、周りの状況が見えないまま雲中飛行で降下を続けるのは不安なはずです。

そんな時に不安を解消する FMS の機能が Look-Ahead terrain Display なのです。
スイッチをオンにしますと、
1.gifこのように周囲の障害物の標高が自機との相対高度として色分けされて表示されるのです。
RNP AR ではこのように山肌をぬうようなアプローチが多くなる可能性があるでしょうから。
緑-黄-赤と危険度別に表示され、自機との相対高度が分かるのですが、最新の B787 では次のように表示される設定となっています。
4.gif
山岳地帯でこの機能を利用することはアプローチ段階での安全を高める有効な手段なのですが、私の現役時代の記憶によれば、利用している人は皆無でした。しかし、その有効性の顕著な例が、旭川空港でのインシデントだったでしょう。

4.gif左図ように空港の東側、大雪山系方向の MVA (Minimum Vectoring Altitude:最低誘導高度 ) は10,000ft の筈なのですが、管制官は何を勘違いしたのか?5,000ft への降下を指示し、パイロットも何の疑問も持たずに指示に従ってしまったのです。
比布岳の標高は 7,208ft だと言うのに。







1.gif国土交通省が公表した 推定飛行高度 を見ますと、寒気がしてきます。
函館空港での「ばんだい号」墜落事故。GPWS が実用化されていたなら避けられたでしょうが、航空技術の進歩が今回は助けてくれたのです。
あるコーパイ君が言っておりました。「FMS の機能を有効に利用しようとしたらキャプテンに、お前は FMS に頼らなければ飛べばないのかと言われた」と。

そんな絶滅危惧種のようなキャプテンが居るらしいのです。もっとも誰も危惧してはいないでしょうが。
安全性を高めるためには進歩した航空技術を有効活用する必要があるは当然のことです。.
旭川での B737-800。Look-Ahead terrain Display を表示させていたなら、

gpwsasahikawa.gif
GPWS が作動する前のNDの表示はこのようになっていたはず。黄色で表示されている空域は自機よりも 2,000ft 高い可能性があるのですから、降下指示に誤りがあったことに気付くはずなのです。 が最接近した 7,208ft の比布岳山頂。
旅客機を趣味・趣向で飛ばしてはいけません。最新の航空技術を駆使して最大限の安全を担保するのが利用者に対するパイロットの責務だと考えます。
最後に、私の現役時代には設定されていなかった進入方式ですので、行った経験がないことをお断りしておきます。

所でひとつだけ告白?しておくことが。実は私も一度だけ GPWS “ Whoop whoop pull up” が作動したことがあったのです。函館の RWY 12 に ILS で着陸するために雲の中をレーダー誘導で降下していた時のことでした。当然地上が確認できない状態でしたので、手順通りに
Go-Around 確か 5,000ft まで上昇して函館 VOR へ向かう許可を得て、その後 VOR / ILS で無事に着陸したのでした。
もっともこの時は実際に衝突の危険があった訳ではなく、会社からの情報で以前から GPWS の誤作動が起きやすい地点として周知されていたのでした。この地点には切り立った斜面があるために地表面への接近率が過大となり、Excessive Terrain Closurre Rate が作動範囲内になってしまった結果だったのです。
しかしね~、誤作動などと言ってしまったら GPWS が気を悪くすることでしょう「人間が決めた通りの仕事をしただけなのだ」とね。

PS:聞くところによりますと、
1.gif航空会社は阿蘇遊覧コースの RNAV(RNP) Z を行うことはなく、RWY 25 の時は左図の RNAV(RNP) Y の方を使用しているとのこと。
ちょっと遠回りになりますが。
terrain Display を表示させておけば問題ないと思うのですが、もう少し実績を積んでからとの考えなのかも知れません。



堅い話は置いておいて大相撲春場所、楽しみがひとつ増えました。先場所から話題になっていた「枡席の妖精」妖精と言うには失礼ながら少々お歳をお召しのようですが、40歳辺りでしょうか?
1.jpg
背筋をシャンと伸ばした凛とした佇まいで微動だにせず、時々控えめに拍手されるだけ。
先場所までは花道寄りの枡席でカメラが振られた時でしかお目に掛かれなったのですが、枡席の移動を誰かが手配したのか、常にテレビ・カメラに映り込む絶好の位置で、行司の陰にもならないように僅かにずらしている。これからも取り組み以上に楽しみにしております。

一方、白鵬のわきまえのない態度に辟易していたのですが、休場してくれて爽やかな場所になってくれました。白鵬が居なくても十分に楽しめる今の大相撲。このまま引退してくれることを願ってやみません。
ただね~、休場中の二横綱の後を継ぐべき大関達がいまいち不甲斐ない事が気掛かりなんですが。


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ユナイテッド B777 重大インシデント [航空関係]

前の記事で oldfogy さんが述べられているように、こんなにバラバラになって火を噴いているエンジンは初めて見ました。

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これを撮影した乗客は生きた心地がしなかったでしょう。いずれにしろ人的被害がなかったのが不幸中の幸いと言うしか言葉がありません。
ファン・ブレードは回転を続けていたように見えましたが、恐らく風圧で回っていただけだと思われます。
ハワイへ向かっていたそうですが、太平洋の真ん中じゃなくて良かった [パンチ]
このインシデントを聞いて最初に頭に浮かんだのが沖縄での JAL B777 との関連でした。
エンジンが同一なら直ちに運航停止になると考えたのですが、案の定 P&W PW4000 系でしたね。
4.jpg
P&W PW4000 系エンジン。右下のエンジンは B727 等に使われていた JT8D ですが、
同じファン・エンジンでもファン・ブレードの径がこんなにも違います。
別の記事でも書いたことなのですが、一部を除いて米国製エンジンは前から見て左回り。英国製は右回りです。

今回のインシデントとは直接関係がないのですが、ジェット・エンジンの進歩には驚かされます。
4.gif
初期のターボファン・エンジンでは吸入した空気が殆どストレートに排気口まで達するのは、
排気ガスによる推力もある程度 (バイパス比1対1) 必要となりますので、その方が効率が
良かったのでしょう。
3.gif
一方最新のエンジンでは高バイパス比 (6対1) となっており、排気ガスによる推力よりも
ファンが生み出す推力を重視するために、低圧タービンで排気ガスのパワーを吸収する必要があったのでしょう。高圧コンプレッサーを駆動する高圧タービンは2段ですが、ファンを駆動する
低圧タービンは7段になってます。
もっとも、燃焼室直後にある高圧タービンは2段でも十分な回転力を得ることが出来るのでしょうが。
最後に、エンジンに関しては素人の考えであることをお断りしておきます。

インシデントの話しに戻って、気になるのはパイロットがどこまで状況を把握できていたのか?なのです。
エンジンが Separate した時には大きな音と振動があったでしょうが、火災警報は一瞬でも
作動したのか、したのであれば当然消火装置を働かせたでしょうが、その後はコックピット内で何らかの警報表示があったのか?振動は続いていたでしょうから、エンジンが異常な状態から回復したとは考えなかったはず。しかし、B747 を除くワイド・ボディ機は太い胴体に邪魔されて
コックピットからはエンジンが見えないのです。
9.gif
CA にエンジンの状態を聞いたのか、或いは客室まで行って自分の目で確かめたのか?色々聞きたいことがあります。状況はまもなく明らかになるでしょうが。

エンジン火災が発生した場合のパイロットの対処法ですが、下の写真、B777 のコックピットで説明しますと、火災発生を知らせる警報音と同時にセンター・スタンドにあります Engine Fire SW が赤く点灯します。
① Thrust Lever ・・・・・・・・CLOSE PF (操縦担当のパイロット)
② Fuel Contorol SW ・・・・・・CUTOFF PM
③ Engine Fire SW ・・・・・・・PULL PM
この操作で Fire Extinguisher が ARM され、関連する油圧・燃料バルブ、発電機などが切り離されます。
火災警報が続いているなら、
④ Engine Fire SW ・・・・・・・ROTATE(通常左へ)PM
30秒経過しても火災警報が続いているなら、次は右へ回して2回目の噴射。

以上は全てチェックリストは使わずにメモリーで行いますが、ここで重要になってくるのが
CONFIRMED ACTION と称される操作法なのです。
例えば ② の操作を行う時、PM は Fuel Contorol SW に手を添えながら「Fuel Contorol SW Right」とコールしますと、PF は目で間違いがないことを確認した後「Right Cutoff」とのコールがあって、実際に操作を始めることが出来るのです。その後も CONFIRMED ACTION に従って操作を続けます。
所で、Fuel Contorol SWITCH となっている訳は?
写真の Fuel Contorol SW の左横に在来型 B747 の Fuel Contorol LEVER を参考のために置いてありますが、単なるレバーなのです。一方スイッチの方は火災の時には Engine Fire SW と連動してライトが点灯しますので、間違えて正常なエンジンを止めてしまう恐れはまずあり得ないはずです。

9.jpg

ユナイテッド機。なぜ火災を消火することが出来なかったのか?エンジンがあれだけ破損すれば、消化剤を噴射する配管類も破壊されたでしょうし、噴射はエンジンとカウリング間の空間に行いますので、カウリングが殆ど無くなった状態では風通しが良くなって消化剤も吹き飛ばされ、殆ど役に立たなかったことでしょう。
B777 には図のように2系統の消化剤ボトルが装備されていますが、それを使い切ってしまったならそれ以上の対応は出来ないのです。4発機の B747 でも2系統のみ。
1.gif
一か八か急降下して速度を増加し、風圧で炎を吹き飛ばす方法もあることはあるのですが。
着陸する時には火災は消えていたようですので、燃料が途切れて消えたのかもしれません。

最後に余談を一つ。コックピット内での Engine Fire SW が置かれている場所なのですが、B727 の時代ではグレア・シールドと呼ばれる遮蔽板の下の最も操作がし易い位置でした。
その設計思想は理解できます。エンジン火災という重要は場面ではすぐに手が届く位置においていた方が安全であるとの考えだったのでしょうから。
しかし、その後に考えが変わりました。飛行機の一生のうちで最も操作する可能性が低いエンジン消火装置を一等地に置いておくのは不合理だと。上 B727、下 B777
そこで一等地には MCP (Mode Control Panel) と呼ばれる、オート・パイロットなどを操作する SW 等が置かれるようになったのです。
では、Engine Fire SW は何処へ追いやられたのか?B727 の次の B737/767 では B777 と同じセンター・スタンドに。B747 シリーズではオーバーヘッド・パネルへ。
1.jpg
私はオーバーヘッド・パネルが最適な場所だと考えるのですが、何でまた下に戻したのか理解に苦しむ。Engine Fire SW は天井にあった方が横にあるより楽に引っ張ることが出来るのです。
オーバーヘッド・パネルのスペースの問題かしら?

大事なことを忘れていました。Fuel Jettison (燃料投棄) のことです。
離陸重量が分かりませんが、離陸してすぐに引き返したようなので、燃料の消費量も少なく
最大着陸重量を超えていた可能性があります。通常のエンジン故障であれば当然 Jettison を
行って最大着陸重量まで機体重量を減らすのですが、今回の状況で Jettison を行うのは非常に危険です。
その為にもパイロットが客室まで行ってエンジンの状態を確認することが重要でしょう。
ただし、最大着陸重量以上で着陸するのは不可かと言いますとそんな事はなく最大離陸重量で着陸する場合には 360ft/min 以下の降下率を保つことと耐空性審査要領 (FAA 基準の丸写し) に定められており OVERWEIGHT LANDING の項目もチェック・リストに用意されています。
B777 のタイプが分かりませんが、-200LR であれば、最大離陸重量 766,000lbs / 最大着陸重量 492,000lbs となっています。
ボーイングによれば、6千フィート以上で投棄を行えば燃料は霧散して地上までは達しないそうです。




話は変わって2月22日は 竹島の日。
政府の対応は相変わらずで、首相はもちろんのこと閣僚の誰一人として式典に参加しない体たらくが続いてきた。
韓国は日本に対して傍若無人でやりたい放題なのに、日本の対応は韓国に気兼ねして超低姿勢。
米国の古い航空図とやらを持ち出して「竹島は日本領で間違いない」と言っていますが、そんなことで盗人が「ハイ分かりました、申し訳なかった」と言う訳ないだろう [パンチ]

淺卑新聞は以前「いっそのこと竹島を譲ってしまえば」などとぬかしていたが、そうだよ!
「竹島は帰ってきません、諦めましょう」と宣言したらどうだろう。しかし歴代の首相は死んでも口にすることが出来なかった。竹島を見限った首相として末代までの恥辱を受けることになるだろうから。
韓国が北朝鮮に原子炉を提供しようとしていたとの機密情報が公になって騒動になっているが、大統領が夢想しているのは、北朝鮮との統一を実現させ、核ミサイルを持った強国となって日本に跪かせること。
しかし気をつけな、両雄 (でもないか) 並び立たずのことわり通り、目障りになったアンタは粛清されるかもよ。
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ILSのカテゴリー [航空関係]

古~い記事に興味ある、そして考えさせられるコメントが寄せられましたので、ゾンビよろしく蘇らせてみました。

CATⅠ・CATⅡ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・CATⅢ
これが私が考える、各 ILS カテゴリーの距離感でしょうか。
CATⅠ と CATⅡ は、かなり近い所にあるアプローチであると考えるのですが、CATⅢ 、それらとは全く別の場所にある、孤高のアプローチだと断言してもよいのではと思っております。

飛行機の事は、車に例えれば理解しやすいと思っているのですが、CATⅠ がサンデー・レースなら、CATⅡ は地方選手権。そして、CATⅢ はF1レースに相当する言っても過言ではないでしょう。

今、ある空港に ILS で着陸しようとしているとしましょう。
天候が悪化して視程が低下、CATⅠ から CATⅡ に進入方式が変更になったとします。
その場合、SSP(Special Safeguards and Procedures )が発令され、クリティカル・エリア内への車両などの立ち入りが厳しく制限されます。そして、オート・ランドが必須となります。
criticalarea.gif
でも、それだけの話なんですよね。進入復行高度が200フィートから100フィートまで低下するだけ。

ところが、更に視程が低下して、RVR 350m未満になったとしますと、いよいよ CATⅢ の出番となります。
CATⅡ までは、最終的には滑走路を視認し、間違いなく滑走路に着陸できる事を確認しながらのアプローチとなる訳ですが、CATⅢ は滑走路を視認しないままの着陸が可能となっているのです。
自動着陸装置の故障率が10億分の1と厳しく規定されている事が納得できると思います。


前回からの続き。
広島空港の ILS 10では、CATⅠ /CATⅢ を行う事ができるのに、CATⅡ を行う事ができない理由は?
コメント欄に書き込んで頂いた通り、CATⅡ では電波高度計の表示によって、進入復行を開始しますので、直下の地形の影響を大きく受ける事になるからなのです。CATⅠ は気圧高度計を使用しますので、直下の地形の影響を受ける事はありません。

まずは、熊本空港の地形を見てみましょう。上下方向の縮尺は横方向の5倍になっております。
blogkumamotocat3.gif
blogkumamotocat3photo.jpg
CATⅡ 、CATⅢ 共に、DH(AH) は100フィートに設定(赤線)するのが通常で、その直下の地形は、ほぼ平坦である必要があるのですが、熊本空港のように台地の上にある空港では、
平坦な面を確保するために大がかりな土木工事が必要となったのです。
そこで上図のように、ある程度の盛土を行って、最小限の平坦な地形を確保した上で、
更に DH(AH) を 75フィートに下げる事により、CATⅢ の運用を可能としているのです。
DH を100フィート付近に設定しますと、地形の急激な変化により、電波高度計の表示が大きく変動し、高度計の数値を認識する事が困難になる事がお分かり頂けると思います。

ただし、CATⅢ では滑走路を視認できない事による進入復行は想定していませんので、
DH 75フィートは CATⅢ を行うために必要な地上施設、搭載機器が正常に作動しているかどうかの最終確認を行う高さ、AH(Alert Height )としての運用を行っております。

しかし、CATⅡ の DH は100フィート未満に設定する事ができません。そこで電波高度計の表示が安定する手前の位置、DH 174フィートの所に CATⅡ の進入復行点を設定しています。

blogkumamotocat3minimatable.gif

TCH(Threshold Crossing Hight ):RDH [Reference Datum Hight]とも言いますが、ILS グライド・スロープの電波の中心が、滑走路末端を通過する時の末端標高からの高さ。

RA(Radio Altitude ): 電波高度計の表示。直下の地面・水面からの垂直距離を表す。

DH(Decision Height ): 決心高。滑走路を視認できなかった場合、進入復行を開始する滑走路末端標高からの高さ。

IM(Inner Maker ):ILS アプローチにおいて、滑走路末端からの距離を知らせるため、上空へ向け電波を発射する装置。滑走路から近い順に、IM-MM(Middle Maker )-OM(Outer Maker )が設置されるのが通常だが、現在は DME で代用するのが主流。
また、DH の位置と必ずしも一致いている訳でもないので、無用の長物か?

そしていよいよ本題の広島空港の話ですが、

bloghiroshimacat3.gif

この地形では盛土で平坦な面を造る事は不可能でしょうから、鉄板の舞台を造る事で、平坦な面を確保しているのです。
CATⅡ の設定を諦めた事にも納得がいきますね。

興味あるコメントとは、成田と釧路空港の離陸のための最低気象条件の微妙な違いだったのです。
3.gif
* APPLICABLE WHEN SPP IN FORCE の適用について。

ところで、会社の資料などで、こんな図面を見かけます。
blogslantvisi.gif
RA 100フィートに達した時、視界が350mならこの範囲まで見えるはずと、赤線で示したような斜距離を表す図面なのですが、ちょっとおかしいと思いますね。
グライド・スロープ上、RA 100フィートの位置にパイロットの目がある訳ではありませんので。
電波高度計が100フィートを表示した時の機体の位置は図のようになりますので、パイロットから見た実際の斜距離は緑線のようになるはずです。重箱の隅をつつくような話ではありますが。

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羽田空港 新着陸ルートの考察 (承前) [航空関係]

降下角度 3.45度で大もめにもめた?羽田空港の新着陸ルート。その後の情報によりますと
FMS VNAV を使って初期の降下角 3.7度で降下し、高度 1,500ft で ILS 3.0度に乗り換えることになったとか。FMS には 3.7度での降下パスを登録済みとのこと。下の図参照。
都心上空では降下角を大きく取ることによって騒音を軽減し、羽田に近づけば住宅地も少なくなるので、通常の ILS でも問題なかろうとの考えなのでしょう。
但し、航空局が進入方式を根本的に変更するのか、航空会社による単なる飛行方式の変更なのかは、今のところ不明です。
ところで聞いた話しによりますと、降下角が深くなったことにより、速度を調整するためには
早めのギア・ダウンとランディング・フラップが必要となり、騒音軽減の効果があるのか疑問との声もあるらしいのですが。
2.gif

今日になって胸が締め付けられるようなニュースが飛び込んできました。
昭和52年(1977年)11月に北朝鮮に拉致された横田めぐみさん、拉致当時13歳の父で、拉致被害者家族会の前代表、横田滋さんが5日午後、死去されました。87歳。
40年以上にわたって愛娘との再開を切望されていたご両親。どれだけ無念だったでしょうか。
同時に国民一人の奪還すら出来なかった日本政府に激しい怒りと無力感を覚えています。
そして他人事のように、政府に強力な処置を求めることが出来なかった我々国民の責任でもあります。
ただ残念だったではなく、この不幸な出来事を世界に発信し、北朝鮮の無法ぶりを訴え続ける取り組みを期待します。
朝鮮 民主主義 人民 共和国 民主主義だと、人民だと、共和国だと。偽善に満ちた国家の実態を暴いてやろうではないか [パンチ] 今さらながらではありますが。
朝鮮 独裁主義 金正恩 君主国


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YAHOO 画像検索 [航空関係]

在宅週間(ステイホーム)が拡がる中、家から出るのは予約診療での病院通い、ゴミ出し、週に一度近所のコンビニへ行って週刊誌を購入するぐらいなのですが、意外と退屈していません。
若い頃は暇さえあればバイクで伊豆方面まで走りに出かけていたのですが、元々マッタリと過ごすのが好きだったのでしょう。
暇にまかせてYAHOOで画像検索をしていますと、面白いことに私が作成してブログに載せている画像の幾つかが掲載されていたのです。
人間が探し回るはずはないので、恐らく検索ロボットが巡回しているのでしょう。その中にちょっとばかり興味を引く画像が数点、Coffin Corner と称して下のような画像があったのですが、
5.gif
これらの画像、間違っていると言うか、簡略化された画像ですね。
Low Speed 側、High Speed 側共に直線ではないので、こんな三角錐のような形をしているのではなくて実際は下記のような複雑な曲線なのです。緑に着色した部分が飛行可能な速度域で、高度が上がるに連れ速度域が狭まって行くのが分かります。

coffincorner.gif
そして、この画像と同じものを PFD(Primary Flight Displays)の中の速度計でも確認できます。上のピンク色(Magenta)の速度が Target SPD
corner.gif
低高度では Maximum SPD と Minimum SPD を示す四角い ██ マークは大きく離れているのですが、高高度へと上昇するに連れ左の画像のように上下から ██ の間隔が狭まってきて、
速度域が狭くなって来ていることを実感できるのです。グラス・コックピットの PFD は素晴らしい。テープ式ですので、高速域でも速度の目盛り間隔が低速域と同じになりますし。
もっとも、従来のアナログ速度計でも、Barber Pole と称されるフラッグが速度計の中に表示されますので、高速側の限界は知ることが出来るのですが、速度域の狭さを実感することは出来ませんでした。

こんな面倒くさいことをするのは、子供の頃から絵を描いたり、自分で考えた飛行機や車の製図が好きだったこともあるのですが、何と言っても暇づぶしになるので、今は Photo Shop で遊んでます。
時間が経つのが速いこと!今日の午後はこの作業で終わりそうです。サッ晩酌の時間だ [わーい(嬉しい顔)]
暇つぶしにお付き合いくださいまして、ありがとうございました。

ところで横浜の八景島シーパラダイス。ただいま閉園中なのですが、ネット上でイルカなどの
ショーを見ることが出来ます。
そして、とっておきの大技が クロス・ロケットジャンプ イルカではなくてコビレゴンドウクジラとの事ですが、飼育員を鼻の先で持ち上げて豪快にクロス・ジャンプ。なかなか成功しないので実演では出来ないらしいのですが、何度も練習して・・・遂に大成功 [パンチ]
1.jpg
欧米人はイルカのショーは動物虐待だと非難しますが、競馬も十分虐待だと思いますが。

武漢ウィルスの終焉が見えてきませんので、連休明けの緊急事態制限解除は無理のようですね。
ウィルスは紫外線や高温多湿に弱いそうなので、梅雨時になれば治まってくるとの期待があるとか。梅雨が待ち遠しなど初めてか?

PS:今日3日は憲法記念日。
あああ朝日新聞が世論調査を行って『国会での憲法改正の議論を急ぐ必要があるかを尋ねたとこ
あああろ、「急ぐ必要はない」72%が、「急ぐ必要がある」22%を上回った』と鬼の首でも
あああ取ったようにはしゃいでいたが、ウィルス騒ぎのこの時期、この結果は当然分かっていた
あああはず。全くの出来レースだったね。

憲法制定から70年以上。一度も改正されていない憲法を持つ国など世界中どこを探してもないだろうね。まさに世界遺産。
完全無欠?に出来ている日本国憲法ゆえに、野党の連中は改正反対を叫んでいるのであろうが、彼らにとって憲法の中身などどうでも良いのであって、改正しない、その一点だけが大事なのだろう。

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RNP AR アプローチ [航空関係]

羽田の新ルートを考える中で、画期的な進入方式(RNP AR)が各地の空港に導入されつつあることを知りました。
RNP AR とは Required Navigation Performance−Authorization Required の略で、
特別な認証を必要とする、航法精度が指定された RNAV 進入方式の一種です。
始めにお断りしておく必要があるのですが、私の現役時代には存在しなかった進入方式でしたので、一度も経験したことがないのです。
これまでの RNAV(GNSS) アプローチは航法精度が指定されない進入方式と位置付けられていたのですが、RNP AR では進入経路の95%以内において、± 0.3nm 以内の航法精度が要求されており、機上の性能監視機能と警報機能も備えておく必要があります。
2.gif
POS REF の CDU に RNP の値を入力しておきますと、ACTUAL の RNP が 0.3nm を超えますと警報装置が働いて “ UNABLE RNP ” のメッセージと警報音により知らせてくれるのです。
そして Authorization Required とは、機種ごとの性能承認と乗員の訓練が必要になる事を示しています。
現役時代、通常の RNAV を行う場合でも念のために RNP の値を入力してはいたのですが、
RNP AR が通常の RNAV と異なる最大の特徴は、何と言っても直線進入のみに限られる ILS や 通常の RNAV に対して、サークリングでの精密進入を行うことも可能になる点でしょう。

9.gif
そのため、地形の関係で ILS が設置できない方向においてもDA(決心高度)を適用しての精密進入が可能になるのですが、更に ILS のように設置費用を一切必要とせず、機上の装備さえあれば飛行機の方で勝手に進入してくれるのです。
今後は GBAS(Ground-Based Augmentation System:地上型衛星航法補強システム)を追加して、更なる精密誘導が実用化されると思われます。
GBAS とは、地上から GPS の精度や安全性を向上させる 補強信号 や航空機の進入降下経路情報を送信し、航空機を安全に滑走路へ誘導するためのシステムで、その精度は進入経路の
95%以内において 2m 以内の精度をもつと言われており、複雑な曲線進入・進入復行ル ートが 設定できるらしい。この辺りからは完全な浦島太郎状態になってますが。


宮崎空港の RNAV(RNP) Y RWY09
通常の Baro-RNAV と同様に最低気温の制限があって地上気温-5℃未満は禁止となっているのですが、RNP AR では上限もあって+45℃を超える場合も禁止されています。
2.gif

熊本空港に2種ある RNP AR の内の一つ、もっとも阿蘇山に近づく方式なので、さぞかし眺めが良かろうにと思ったのですが、残念ながら夜間のみに限定されていたのでした。
地上気温は2℃~38℃の間で進入可能。
3.gif
阿蘇の最高峰は高岳。チャートにあるように 5223ft(1592m)ですので、肥後の国と覚えることが出来ます。

あああああああNAV RADIO をセットする CDU に ILS-MLS とありますが、
3.gif
MLS とは Microwave Landing System の事でして、ILS に替わる次世代の進入方式として期待されていましたので、先を見越して CDU にも入力欄があるのです。
Microwave も RNP AR と同じく曲線での精密進入が可能なのですが、RNAV が進化すれば同等の進入が行える見込みが立った事で開発が終了してしまったのでした。 ILS を MLS に置き換えるとなると、多額の設備投資が必要になって来ますが、地上の設備を一切必要としない RNP AR は空港側としましても大歓迎だったでしょう。

5.gifRNP AR のチャートを見て、お気づきになったでしょうか?ウェイポイントの形には
2種類があって、RW09 と RW25 には◯が付いていますが、他には◯が付いていません。
◯付きを Flyover Waypoint / ◯なしを Flyby Waypoint と呼んでおります。
文章で書く場合には、

1.gif

6.gif
羽田の NINOX 2 Dep を例に取りますと、Flyover Waypoint である TT501 にはアンダーラインが引いてあります。
7.gif
あああああああああああFlyoverあああああああFlyby

武漢コロナ・ウィルスの猛威が収まらず、政府は遂に 緊急事態宣言 を出すに至りましたが、近頃 WHO のテドロス事務局長の顔を見るとウィルスに見えてしまうのは私だけ?
スポーツ・クラブも自粛要請の対象として名指しされてしまいましたので、予想していたとは言え、私が通っているクラブも5月6日までの臨時休館となりました。
私はプールしか利用しませんので、安全だと判断してギリギリまで通っていたのです。
プールには塩素が入っていますので、塩素に弱いウィルスはイチコロ。泳ぎながら全身消毒しているのようなモノだと思っていたのですが、これからの1ヶ月どう過ごしましょうか?体がなまってしまいそう。
外出自粛要請で仕事に行けなかったり、客足が途絶えたりで困窮する人も出てくるであろうこんな非常時に、運動不足の不満など言っている場合ではないのは重々承知しているのですが。

日本の有事を想定していない法制度の不備。さいたまスーパーアリーナで埼玉県の中止要請を無視して開催されたK1のイベント、主催者は金欲しさに強行したのだろうが、6,500 人もの観客が押し寄せた事には呆れてしまった。
これでは、感染の危険があってもどんなイベントでも開催できることになってしまう。
このような事態を防止するためには憲法に「緊急事態条項」を設けておくことが必要なことは明らかであるにもかかわらず、野党や弁護士会が大反対。「深刻な人権侵害を伴い,ひとたび行使されれば立憲主義が損なわれ回復が困難となるおそれがある」との事だが毎度の主張、緊急事態が発生した時、人権と人命はどちらが重要だと考えているのか?
彼らにとっては人権も人命も二の次、本音は憲法改正反対。それが与党と一線を画す野党唯一の政策なのだから。

欧米の主要メディアが日本の緊急事態宣言の発令と外出自粛要請について「他国ほど厳格でない」、「宣言の発令が遅すぎる」、「日本では多くの政府要請に強制力がない」、「要請を無視したことへの罰則がない」などと一斉に非難し始めたようだが、日本の心配をする前に、自国の心配をしろ [パンチ] と言いたいね。

1.gif日本人の殆どは罰則などがなくても要請に従うんだよ!お前らみたいな自分勝手な国とは違うんだ。
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羽田空港 新着陸ルートの考察 [航空関係]

考察などと偉そうですが、これまでに分かった範囲のことを航空評論家を気取って解説したいと思います。
まず、Rwy16/LR への RNAV 進入の降下角が 3.45度と通常の 3度よりも急角度となっているため「羽田は世界一危険な空港となるであろう」との指摘。本当にそれほど危険なのか?
例として、B777-200/300 クラスの飛行機が着陸する場合を考えてみます。
国際線の飛行機でも到着時には多量の燃料を消費しており、着陸時の機体重量は国内線とそれほど変わりはあません。
仮に Vref 145kt+5kt 、150kt で進入するとしますと、降下角 3度では 796ft/min、
3.45度では 915ft/min の降下率になります。無風や背風で 16/LR に着陸することはないでしょうから実際の進入速度(GS)はもっと低速となりますので降下率も低減することになります。
航空会社の規程では、対地 1,000ft 以下での最大降下率を 1,000ft/min 以内としていますので、規程内にも収まり、それ程の危険があるとは考えられません。
米国サンディエゴのリンドバーグ国際空港の Rwy27 の降下角は 3.55度でして、羽田での検証フライトを拒否したデルタ航空も A320 ですが就航しています。

1.gif
しかも、Baro-VNAV ではなくて、降下率の制御が難しいローカライザー・アプローチなのです。そして、世界で10番目に危険な空港だそうなので、羽田は残念ながらトップ10入りすることは叶いませんでした。
一部の評論家先生方が危険だと盛んに指摘されていますが、何も羽田が最初だった訳ではありません。函館の VOR アプローチは、CDFA(Continuous Descent Final Approach)方式で進入しますと、その角度は 3.5度と、僅かではありますが羽田よりも角度が深かったのです。

1.gifなぜ今までその危険性を指摘されて来なかったのでしょう?ローカル空港で便数も少ないので問題ないと考えられた。それとも私と同様に知らなかった?

RNAV の降下角度を深くした事による騒音低減効果は、通過高度が高くなることよりも、降下角が深くなったことにより、同じ速度(150kt)を保つために必要なエンジン・パワーも少なくて済みますので、騒音が低減する事です。通過高度は滑走路に近づくにつれ降下角による高度差がなくなっていきますが、エンジン・パワーは最後まで少ないままです。

これを書いておきませんと片手落ちになってしまいますので追記しますと、RNAV と VNAV を組み合わせた Baro-VNAV アプローチはこれからの非精密進入の主流になると考えるのですが、気温による制限を受けてしまうのです。
RNAV 16/LR では気温が-10 ℃未満では行うことが出来ません。理由は気温が低い場合は高度計に表示される高度よりも実際の高度が低くなってしまい、地上との間隔が減少してしまうからなのです。
と言うことは、逆に気温が高い場合は、16L を例に取りますと、進入開始高度 3,400ft が実際は高度計に表示される高度よりも高くなってしまい、進入角度がより深くなってしまうのです。この辺りは検討課題かも、高温の場合は ILS に切り変えるとか。

2.gifRNAV の場合、降下開始点である LAUDA ポイントの位置は固定されていますので高温では降下角が深くなり、低温では浅くなって障害物との間隔が狭まってしまいます。
一方の ILS では 3度の GP降下角は変化しませんので、降下開始点(GPとの会合点)が高温時は滑走路から遠くなり、低温時には近くなるだけです。
また付け加えますと、ILS ではマニュアルでの進入も可能ですが、Baro-VNAV では禁止されており、オート・パイロットを使って進入する必要があります。
ただし、ILS とは違ってオート・ランドを行うことは出来ませんので、最後はマニュアルで着陸する事になります。

そして私が降下角よりも問題だと考えるのは 16/LR の滑走路末端が滑走路内側に移設されて短縮運用されることなのです。特に 16R は480m 移設され、元々 3,000m だった滑走路が 2,520m に短縮されているのです。16L は 390m 移設されて 3,360m から 2,970m に。
それに伴って、ILS GP アンテナと PAPI も移設されています。
移設されたのは都心上空での通過高度を少しでも高くするためでしょうが、480m の移設では ILS の場合、降下中の高度が 25m 高くなるだけで、それ程の騒音低減効果があるとは思えません。それでもあえて行ったのは、色々と批判がある中、可能な対策をしているとの姿勢を見せたかったのでしょう。
いつも最後はパイロットに負担を押し付けて一件落着させるのです。


3.gif

4.gif
降下角が 3.45度になった事による着陸の難易度ですが、引き起こし操作のタイミングが少し難しくなるでしょう。誰でもハード・ランディングはしたくないと考えますので、逆にフローティングしないように気を付けないと。「ほらっ、やっぱり危険じゃないか!」と仰いますか?
確かに少し難しくはなりますが、口角泡飛ばして危険と騒ぐほどのことはないかと。
航空評論家は報道機関からコメントを求められた時「全く問題ありません」と答えてしまったなら、お呼びが掛からないでしょうし「大いに問題あり」と答えれば「ぜひ番組に出て頂いて、問題点を指摘して下さい」となります。


新型コロナ・ウィルスの感染拡大が収まりませんが、まず気を付けるべきは自身が感染して他人に拡げないことでしょうか。
そして驚いたことは、医薬品の研究・開発分野で独走しているのは米国ではあるものの、医薬品製造業の殆どを担っているのは中国だという事実なのです。中国の医薬品市場は間もなく年間
20兆円に達するとも言う。
その自信からか「中国は医薬品の輸出規制をすることも可能だ。その場合、米国はコロナ・ウィルスの大海に沈むであろう」と恫喝する有り様。ウィルス騒ぎが収まったあかつきには、中国は世界の嫌われ者になることを覚悟しておくことだな。
中国のねつ造・隠蔽体質が明らかになった今。南京事件の死者は針小棒大。武漢ウィルスの死者は棒大針少(大高未貴 女史)を世界に発信して、南京事件の汚名を晴らすチャンスですよ [パンチ]
安倍首相、こんな時、あんまり中国に寄っ掛からないで下さいな。

東京オリンピックの開催が1年延期となりましたが、米国の新聞 USA TODAY (米国では珍しい全国紙)が「この時期に開催日程を決めるのは非常識」などとイチャモンを付けていましたが、ウィルスが米国に飛び火してお尻に火が付いた為の八つ当たりか?アホな米国のマス・メディア、言わしておけ。
そこで登場してくるのが、おなじみ浅卑新聞。遂に脳死状態に陥ったらしく IOC が「4週間以内に結論を出す」と表明した時には社説で「宙ぶらりんの状態は短くしなければならない」と注文を付けておきながら、2日後に一年延期の結論が出ると、今度は「詳しい説明がないままの延期表明となった」と拙速を厳しく批判していた。
更に、編集委員(女性)ともあろう者が、新型コロナ・ウィルスについて Twitter で「あっという間に世界中を席巻し、戦争でもないのに超大国の大統領が恐れおののく。ある意味で痛快な存在かもしれない」と書き込み、批判を浴びると謝罪どころか Twitter をアカウントごと削除して伏魔殿の中へと逃げ込んでしまった。朝日も終わったな。
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大丈夫か?このエアシェア事業 [航空関係]

19日付の産経新聞によると、地方や離島には行きたいけれど定期便がないし、陸路では時間がかかって行くのを躊躇してしまう。 そんな人の為に利用者と小型機のオーナー・パイロットとをインターネットで引き合わせるマッチング・サービスを北海道のベンチャー企業が始めたとのことだが、国土交通省の担当者は「仲介サイトの運営なので、航空法による許認可は必要ない」としているらしいのだが、仲介サイトは問題ないとしても、営利目的で飛行機を飛ばす小型機オーナーには何の許認可も必要ないのだろうか?
例えば、県営名古屋空港-南紀白浜は約 23 万円。熊本-高知は約 27 万円だそうなので、立派な営利事業だと思えるのだが。
エアシェアの社長によれば「事業用操縦士の資格を持つものの、フライトの機会が減っている
パイロットや機体が多いので、それを活用したい」との趣旨らしいのだが。
しかし、これはどう見てもぺーパー・ドライバーならぬペーパー・パイロットではないのか?
これで安全が担保できるのか?調布での事故を考えてしまう。
利用者は機体や事業用操縦士の資格を持つパイロットを選択できると言うが、どうやってパイロットの技量や機体の安全性を確認できると言うのだろうか?

0.jpg
あああ私は怖くてこれからも単発機に乗る気がしません。

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那覇空港新滑走路 [航空関係]

昨日の YAHOO ニュースで那覇空港の第二滑走路が3月26日にオープンすると知り驚きました。
私が現役で飛んでいた7年ほど前には滑走路工事の影も形もありませんでしたので。
辺野古の海もこれくらいのスピード感を持って滑走路造成が進めばよいのでしょうが、サンゴを守れ、ジュゴンを守れと言っておきながら、ダブル・スタンダード(軍港移設)トリプル・スタンダード(那覇第二滑走路)を振りかざす知事の耳には届かずに、「公約だ」として普天間の危険性を除去しないままでの基地存続か、中国の尖閣諸島強奪に目をつぶってでも沖縄からの米海兵隊撤退を実現させたいらしい迷走振り。韓国の糞大統領と思惑が重なってしまう。

現滑走路の西側の海を埋め立て、2,700m の滑走路が建設されたそうです。「ケチらずに 3,000m に何故しなかった」とは言いますまい。恐らく新滑走路の方を主として着陸用に使うでしょうし、那覇空港では優先滑走路方式も運用されていないので、無理な背風着陸もないだろうから 2,700m もあれば十分か。幅は現在では標準的な 60m(現滑走路は 45m)
滑走路が2本ある場合は、通常ターミナルから遠い方を着陸用、近い方を離陸用に使うのが一般的になっています。
1.jpg2本の滑走路の間に立派な新管制塔も見えています。
現滑走路の北側には十分なスペースがなくてローカライザー・アンテナを設置出来なかったため、アンテナは滑走路横に設置されており ILS の進入コースが滑走路中心線から 0.6 度のオフセットとなっていました。

5.jpg「0.6 度のオフセットならたいした値ではない」と思われるかもしれませんが、滑走路に対してこれだけのズレがあります。
このローカライザーのオフセット、羽田の Rwy 23 ILS には 2.0 度もあって、その理由が騒音対策となっているのですが、規程では「騒音軽減の目的でオフセットにしてはならない」となっているのにね。
例外を言い出したらキリがない。全ての負担をパイロットに押し付けて一件落着というのは気に入りません。

01_o.jpg
現滑走路と新滑走路間の距離は 1,310m となっていますが、これには大きな意味がありまして適当に決めた訳ではありません。
通常の平行 ILS 進入では最低2NMのレーダー間隔が必要となりますが、同時平行 ILS 進入では、2機が同時に並んで進入する事が可能となります。
2.gifこの同時平行 ILS 進入を行うためには、当然の事ながら厳しい条件が付けられています。
・ 滑走路の中心線の間隔が 1,310m 以上である事。(羽田は約 1,700m)
・ 両滑走路間に NTZ(Non-Transgression Zone:不可侵区域 )が設定され、専門の管制官
aaによるレーダー監視が行われている事。
どちらかの飛行機がこの区域に進入した場合、相手機に対して回避指示が発せられます。

しかし、片方の ILS がオフセットになっている場合は?同時に進入復航した時、2機が接近してしまうかも。
ところで、3月26日が木曜日であることにも意味が。
新空港・滑走路のオープンや出発・進入方式の変更などを行う場合は、4週間毎の木曜日に全世界で一斉に行うことになっています。
各国が勝手な日にやっていたのでは、チャートや FMS データの変更が煩雑になって支障が生じ間違いも増えて危険でさえあります。
今年は1月2日 / 1月30日 / 2月27日 / 3月26日が変更日となり、このサイクルが続いて行くことになります。


箱に隠れて逃亡したねずみ男。記者会見では日産内部のクーデターを示す書類や逮捕に関わった政府関係者の実名を明かすと大見得を切っていたのに「レバノン政府との関わり上、明かせない」とトーンダウン。とんだ食わせ者だったようだね。
会社内のクーデターで社長を解任など、日常茶飯事だろうに。
更に、日本の司法制度を非難するばかりで、自身の潔白を証明する新事実は何もなし。
ねずみ男の守銭奴ぶりが明らかになるにつれ、誰からも相手にされなくなるだろう。
フランス国内での捜査の進捗にも注目したい。
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羽田空港で重大インシデント Runway incursion [航空関係]

報道によると、15日午後6時5分頃、神戸発のスカイマーク便が羽田空港のA滑走路に着陸しようとした際(青線)、直前に全日空便がA滑走路を横断した(赤線)との事。
スカイマーク便はその3分後に着陸したが、全日空便は既に横断を終えていたのでトラブルにはならなかった。管制官はスカイマーク便に着陸を許可した後、全日空便にも横断を許可しており、国土交通省は重大インシデントと認定し、事故調査官を派遣する事にしたらしい。
また、スカイマーク便は滑走路の約5キロ手前に迫っていた。との報道もあるが、5キロが正確な位置だったとすると約3マイル弱、高度にして 1,000ft となるが、3分後に着陸と言うのが事実であれば、実際はもっと距離があったのではないかと推測できる。この辺りが報道の当てにならないところでもあるのだが、そうであるなら今回のインシデントの解釈も変わってくるかもしれない。

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今回も航空評論家を気取って両機の動きと管制指示を推測すると、C滑走路(34R)に着陸した全日空機は A点 付近で Ground に周波数を変更するよう指示された後、国際線ターミナルへ向かうために南下して A滑走路(34L)手前まで進んだと思われる。
そして、A滑走路横断の許可を得るために、A滑走路を担当する Tower にどの時点でコンタクトするよう指示されたのか?また、スカイマーク機に着陸許可が発出されたのはどの時点なのか?その前後関係が重要になってくるだろう。
全日空機が Tower に周端数を変更した後に、スカイマーク機に着陸許可が出たのであれば、
その後に横断許可が出たことを疑問に思うはずだし、スカイマーク機に着陸許可が出た後に Tower にコンタクトした場合であるなら、スカイマーク機は着陸許可が出た後に他機に滑走路横断の許可を出すなどあり得ないと考えるべきだろうに。
報道にある通り、全日空機が横断した時にスカイマーク機は滑走路から5キロの地点まで達していたのか?或いは全日空機が横断した3分後に着陸したとの情報が正しいか?によって解釈が変わってくるでしょう。
3分後が正しいのであれば、セパレーション的には問題なかったと考えるのです。
ただし、着陸許可と横断許可を同時に出すのはあり得ないので、横断許可を先に出して、横断が終わったことを確認した後に、着陸許可を出すのが通常かと。管制方式基準には、
着陸許可は原則として滑走路進入端から2海里の点に到達するまでに発出するものとする。としてあるのですが、希にあります。
“ Expect Landing Clearance on Short Final ” と言われる時が。その時は Go-Around の心構えですね。

いずれにしろ、両機はお互いに目視できたはずなのだから、Tower の指示を鵜呑みにしないで滑走路上の安全を確認して行動すべきであっただろう。

私も一度だけ似たような経験が。
ある地方空港でのこと。夜間の出発便だったのですが、滑走路の手前で着陸機を待っていますと、着陸機が目の前を通過した後、“ Taxi into Position and Hold ” (現在は Line Up and Wait)との指示が。
滑走路に進入して着陸機のライトが滑走路から離脱するのを待っていますと、何と!後続の着陸機に “ Cleared to Land ” の着陸許可が出たではありませんか。叫びましたよ。
“ ◯◯◯ On The Runway Ready ” と。我々に滑走路に進入して待機するよう指示したことを失念していたであろう管制官は焦ったでしょう。すぐに着陸許可を取り消し我々に離陸許可を与えたのですが離陸後には、“ Contact Departure Very Sorry ”
それにしても、滑走路に進入する際には Strobe Light も点灯しますので、滑走路をよく見ていれば他機が滑走路上に居ることが着陸機には分かる筈なんだけどね。

逆の状況も。夜間の羽田、着陸滑走路は 16L Visual 。管制方式が改訂されて、先行着陸機がまだ滑走路上に居る場合でも、先行機の情報を与えた後、着陸許可が出るようになったのです。
着陸許可を得て旋回しながら滑走路末端に近づきますと、先行機がモタモタしていたようで、Tower から指示された誘導路で曲がりきれずに更に先の誘導路から離脱することを要求していたのですが、Tower から我々には特段の指示はありませんでした。
しかし、よくよく目をこらして滑走路上を見ましたところ、赤いライトが滑走路上で点滅して居るではありませんか。
その時はコーパイに操縦を任せていましたので「ゴー・アラウンドしろ」と叫んだのですが、
そのまま着陸していればどうなったことか?衝突することはなかったとしても、大騒ぎになったことでしょう。

こんな事例も。

STANDARD CALLOUTS として、
1,000ft AFE ・・・・・「One Thousand No Flag or _ Flag」
500ft AFE ・・・・・・「Five Hundred Stabilized」とコールするよう規程されているのですが、
「Five Hundred Stabilized」の後に「Runway Clear」と声に出して確認するようにしていました。
とにかく Check and Check 、キャプテンとコーパイ、管制官の三者で安全を確保しないと。


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Boeing 787 緊急降下 [航空関係]

報道によると、米サンノゼを離陸し成田空港に向かっていたボーイング787が1日午後2時ごろ、三陸沖上空を飛行中、二つある空調系統が相次いで不具合となったために緊急事態宣言を出し、高度約1万3千メートルから約3千メートルまでの緊急降下を行ったとのこと。
機内の与圧を行うための空調系統が作動していないとの警告が操縦室の計器に表示され、機内の圧力も徐々に下がってきたが、急激な圧力低下はなかったため、酸素マスクは出さずに約3千メートルまで降下したとのことらしい。
なお B787 は従来の機材とは違って、エンジンのブリード・エアではなく、電動ポンプによって与圧を行っています。昔の YS-11 と同じ。歴史は繰り返す?
今回の件も与圧をブリード・エアで行うシステムだったなら、起きなかった事例かも。
PS:その後の情報として、急減圧(RAPID DEPRESS)ではなくて徐々に減圧して行ったのは、与圧のための電動ポンプの能力が一時的に低下した為で、今後は FL430 の利用は控えることになったと聞きました。B787 の与圧能力は他機種に比べて高くなっているので、客室高度は最大でも 6,000ft までしか上昇しないのですが。
他機種ででは耐空性の基準通り 8,000ft まで上昇します。

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B747-400 が懐かしい、4発エンジンで 3PACK。安心して太平洋を越えられます。

この報道を見てまず疑問に思ったことは、高度約1万3千メートル(FL430:4万3千フィート)を本当に飛んでいたのか?と言うことでした。
恐らく10時間以上飛んできて燃料を消費し、機体重量も軽くなっていただろうから、性能的には飛行可能な高度だったろうが、会社の規程では FL410 を超えて飛行する場合には2名のパイロットのどちらかが常に酸素マスクを装着しておく必要があるのですから。

1.gif操縦席サイド下にあります酸素マスクを引っ張り出し、レバーをつまみますとハーネスに空気が送り込まれて大きく拡がります。
そしてハーネスを頭に被せてレバーを離しますと、空気が抜けますのでハーネスに仕込まれているスプリングの力で頭にしっかりと固定されます。



こんな格好で長時間飛ぶのは辛いでしょう。
お茶を飲むにも大変な思い?

私の現役時代にも「そんなに高度を上げたいの?」と聞きますと「ハイ、燃料消費が最も少なくなりますので」と答えたコーパイがいました。会社の燃料節減キャンペーンに毒されていなければよいのですが。昔からの格言「バカの高上がり」

FL430 へ上がるかよ [ふらふら]

ボーイングのトレーニング・マニュアルによりますと、緊急降下の要領は次のようになっています。
1.gif
マニュアルの注意点で重要なことは、機体の損傷が明らかか疑われる時には、現在の速度かそれ以下の速度で降下すること。MMO/VMO まで加速しちゃダメよ。と言うこと。
むかし oldfogy さんとそんな話をした事がありました。


話は全く変わって、近頃世間を騒がしている引きこもりと無差別殺傷、更に長男を刺殺した元農林水産事務次官の事件。
新聞の社説などでは「引きこもりに伴う家庭内暴力はすでに犯罪であり、警察や関係窓口に相談すべきであったが、元高級官僚のプライドが邪魔したのであれば残念でならない」との高説を述べ、テレビの報道番組でもしたり顔のコメンテーターとやらが同じく「行政に相談すべきだった」と声を揃えていたが、全く何も分かっていない。行政に相談すれば何をやってくれると言うの?「親子でよく話し合えとか、しかるべき医療機関の診察を受けろ」と言われるのが関の山。それが出来るのであればハナから苦労はしない。
警察も事件が起きるまで何も出来ないのだから。


またまた話は変わって、運転手が乗らない完全自動運転の横浜シーサイドラインが逆走事故を起こしてしまいましたが、1本の軌道上を走る電車だったのでこの程度で済んだ。
しかし多くの車が行き交う道路での自動運転ではこの程度では済まないだろう、大丈夫か?
古い人間と言われようが、自動運転絶対反対
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ロシア機着陸失敗 炎上 [航空関係]

モスクワのシェレメチェボ空港に着陸を試みたアエロフロート航空スホイ・スーパージェット100型が着陸に失敗、大破炎上しました。
ニュース番組などの情報によると、乗員は「機体が『機能不全』に陥った」とか「被雷して通信機能が失われた」などと述べているようだが、失われたのは通信機能だけだったのか、航法計器にも異常が生じたのか、現時点では詳細不明。

報道では離陸40分後に着陸を試みたとありますし、公表された飛行経路を見ても慌てて着陸しなければならない状況でもなさそうです。
航跡図やその後の報道を見ますと、もっと短時間のうちに着陸したようですが。

1.gif
では何故重大な事故になってしまったのか?ネット上に公開されている映像にヒントが隠されているように思われます。
映像を切り取ってみたのですが、映像を見直して一部コメントを修正しました。

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一度滑走路に接地した後バウンドしたのか、引き起こしが急過ぎてフローティングしたのか?

_jpg.jpg
再び上昇に転じているように見えます。
ゴー・アラウンドしようとしていたのかと思ったのですが・・・

2.jpg
それどころか、フローティングしてしまったので、回復させようと慌ててピッチ・ダウン。
この状況で後退翼機のピッチをこれほど下げるのはまずいでしょう。
この操作が最大の事故原因か?
滑走路上の低高度でこんな機首下げの姿勢にしてしまったら、自殺行為です。

1.jpg
ピッチ・ダウンにより降下率が過大となり、引き起こし操作を行ったにもかかわらず沈下を止めることができずに、やや機首上げの姿勢のまま滑走路にハード・ランディング。

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衝撃で突き上げられた主脚によって燃料タンクが破損して火災が発生。
多くの犠牲者を出してしまいました。

88.jpgちなみに左が正常なピッチ角。右が正常な状態からピッチを7度下げた状態。

お前ならどうした?と問われれば「フローティングした時点で+ピッチを保ったまま僅かにピッチを下げ、パワーで吊りながら滑走路に近づけて行くでしょう」
ただし、滑走路の長さが充分であるならとの条件が付きますので、フローティングした時点でゴー・アラウンドが正解でしょう。
機体の状況が分からないので何とも言えませんが。

平成21年3月に成田空港で起きた FedEx 80便 の事故を思い出しました。
事故調査報告書では「推力を使用せずにピッチ角の操作のみで同機を制御しようとして、操縦桿を大きく操作した」と述べていましたが、今回の事故もピッチ角の操作のみで制御しようとした可能性が高いのでは。

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FDA 滑走路逸脱 [航空関係]

2月の成田空港での JAL B787 誘導路逸脱と言い、今回と言い、何故こんな所で?こんな状況でと思わせる事故が続きました。雪がある訳でもないのに。
ニュースで知る限りでは、山形空港の滑走路を北から南に向けて(Rwy 19)離陸滑走を始めたところ「機体が左にそれたので戻そうとしたが、戻らなかった」と機長は述べているそうだ。
事故当時の気象状況は、METER RJSC 230800Z 07013KT CAVOK 20/07 Q1016
東北東の風 7m / sec 晴天、気温 20℃ となっていました。
北寄りの風でしたので通常なら北向き(Rwy 01)で離陸するはずなのですが、なぜ追い風で離陸しようとしたのか?滑走路の離陸開始地点である滑走路末端も Rwy 01 の方が近いのに。

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考えるに、恐らく新潟経由でしょうから SID は NIIGATA ONE DEPARTURE となるので、Rwy 19 が近回りとの思惑だったのかも。たいした違いはなさそうだが、その判断には納得できる。
ところで、70度方向から13ノットの風ですと、追い風成分は7ノットとなりますので、Rwy 19 からの離陸に問題はなかったでしょう。そして横風成分は12ノットですのでそれほど難しい離陸操作にはならなかったと思われるのですが。
そこで航空評論家を気取って原因を推測してみますと、考えられるのはラダー・ステアリング・左エンジンのトラブル辺りでしょうか。
まずラダーはあり得ないでしょうし、ステアリングもタクシーが出来ていて滑走路末端で180度ターンも行っているので可能性は低いか。
横風の時に離陸を開始しますと、垂直尾翼による風見効果で機首が風上に振られるのですが、この程度の横風なら容易に修正できるはずです。
機体に不具合はなく、この程度の横風で滑走路を逸脱して離陸できなかったのであれば、ライン・パイロットとしてお粗末すぎます。
ひょっとして、コーパイに操縦を任せていて、左にそれたにもかかわらず、機長の Take Over が遅れたのではないか?とも考えられる。
そこで出てくるのが、左エンジンが何らかのトラブルで出力が上がらなかったが、パイロットは風見効果と勘違いしてトラブルに気付くのが遅れ、逸脱してしまった。との推測なのですが。
評論家は気楽な稼業と来たもんだ!勝手なことを言ってお金がもらえる。

PS:その後の報道によると、滑走路北側の末端から387m に設置されている PAPI(精密進入角指示灯)の一部が破損しており、機体の前輪にも接触の跡があったらしい。
と言うことは、離陸を開始してすぐに逸脱が始まったことになる。

1.gif

SID を短縮するぐらいだから急いでいたのか、滑走路末端で180度ターン(赤線)した後、滑走路に正対する前に離陸推力を出し始めたか、エンジンの stabilize を確認する前にフル・パワーにしてしまったので機体があらぬ方向へと行ってしまい(青線)逸脱してしまったのかもしれません。
Stabilize を確認せずにいきなりフル・パワーにしますと、左右のエンジンの推力上昇に差が出てしまう場合があり、機体が偏向する恐れがあるのです。
幸いなことにケガ人もなかったことだし、勝手な推測をさせて頂きました。



またまた韓国がとんでもない発言を。
韓国海軍艦艇から3海里以内に近付いた軍用機には火器管制用レーダーを照射して警告するという対応マニュアル(新指針)を韓国国防部が日本側に伝えていたと言うではないか。
そして例によって、この事実が日本で明るみになったことに狼狽したのか、国防部の韓国マスコミへの対応は二転、三転したと言う。
最初は「対応マニュアルを通知したことはない」と説明していたのだが、その後は「軍事的措置と基調については説明した」と軌道修正したらしい。
そして最後には「日本政府が非公開とすることにした内容を公開したことに遺憾を表する」
と、お得意の逆ギレをする始末。
いよいよ韓国もブレーキとアクセルを踏み間違えて暴走が止まらないようだ。壁にぶつかって自壊するのは勝手だが、くれぐれも他人(国)を巻き込まないようにしてくれ。


自動車関連で面白い話題が。私も以前から感じていたのだが、
「ミニバン系では威圧的なフロントデザインといえるオラオラ顔が流行っている」との指摘。
ホント、正月の獅子舞のような恐ろしいフロント・グリルを持ったミニバンが売れているらしいのだ。確かに街にはあふれていてよく見かけます。
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その理由として、メッキを多く使い凄みのある顔を取り入れたところ、若い人たちに受け入れられユーザー層が広がっている。との事だが、
威圧的なギラギラ系のフロントデザインは、今後もこの傾向は続くのでしょうか?との問いに、デザイナーたちは一様に否定的らしい。とくにトヨタ系はやりすぎだから、年配のユーザーから敬遠されているとも言う。
また近年は官公庁においてもセダンよりミニバンを使用する機会も増えてきていることから、このフロント周りには抵抗感があるそうだ。
個人的意見としては、程々にしてくれよ [パンチ]
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成田空港で誘導路を外れる [航空関係]

JAL がまたやってくれましたが、飲酒問題で叩かれているこの時期、首脳陣も頭が痛いことでしょう。

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JAL はターミナル2ですので赤線のルートでタクシーするよう指示されたと考えますが、脱輪した位置がちょっと腑に落ちません。
スリップするとすれば、もう少し速度が速いと考えられる滑走路から高速離脱用誘導路に進入した辺りになると思うのですが、かなり先まで行って脱輪してます。ホッとっして油断してしまったのか?
下の写真を見ますと、ブレーキが効かずに慌てて?リバースにしたのか、リバース・ドアが開いていて雪が舞い上がっています。

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そこで航空評論家を真似て推測してみますと、誘導路に入って速度が落ちたので Reverse Idle から Forward Idle に戻してしまったのではないのか?
最新の機体はエンジンの推力が大きいので、Idle でもかなりの推力を発生します。
Reverse Idle から Forward Idle に戻した瞬間、ググ~ッと背中を押されたような行き足がついてしまうのです。

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ただし、Slippery Runway における Reverse Operation の表現は微妙に違っていまして「60KT になったら Reverse Thrust を戻しはじめ、Safe Taxi Speed になるまでに Idle Reverse に戻す」と表現されています。その先のこと、いつ Forward Thrrust にするかはパイロット判断と言うことでしょう。

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それにしても素人(失礼)の証言の当てにならないこと。当該機の乗客だった女性がテレビのインタビューに応えて証言してました。
「タイヤが空回りしてました」と。少しでも飛行機のことが分かっていれば、あり得ない証言ですよね。
機体をなかなか動かせなくて、最後は機体を残したままA滑走路の運用を再開したようです。
A滑走路が使えないのでは出発機に多大な影響が出ますので。

PS:コメントに関連して、新千歳の SNOWTAM を載せておきます。

1.gif滑走路の方はしっかりと除雪してあるようですが、誘導路までは手が回らない?



日教組の教育研究全国集会が1日から始まったらしいが、委員長が強調したのは「憲法、平和と民主主義」だったらしい。子供一人の命も救えなくて、何を大言壮語な言い草を。まずは足下を見なさいな。
そして北朝鮮による日本人拉致問題。分科会では鳥取の高校教師が「在日コリアンの生徒を傷つけ、朝鮮人に対する憎悪を助長する恐れがある」として、拉致被害者である横田めぐみさんを題材にしたDVD(めぐみ)の学校での上映を批判したという。
彼らに自身の国がどんなことをしたのかを教えることにやぶさかではあるまいに。
日本人には「歴史に学べ」と言っておきながら、この二重基準、呆れてしまう。
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フジテレビ 世紀の大事件 [航空関係]

この番組では焼津上空でのニアミス事件を取り上げていましたので、どの程度の出来かと期待して?見てみたのですが、結局管制官のミスだけを強調して終わってしまいましたね。
確かに端緒は管制官の指示ミスだったのですが、これほどの危機一髪状態になったのはパイロット側により多くの責任があったと考えるのです。
指示ミスをした訓練中の新人管制官と訓練監督者は業務上過失傷害罪に問われ、最高裁まで上告の末に有罪が確定し失職しました。
ただ最高裁においては5人の裁判官の内のお一人が管制官の無罪を主張したのですが、4対1の評決で有罪となってしまったのです。
わたしは、この無罪を主張した裁判官の判断を断固支持する次第なのですが・・・

航空事故調査報告書からニアミスの経緯を追ってみますと、

yaizunearmiss10.gif
JAL 907 便は羽田を離陸して那覇へ向かうために、焼津 NDB へ向けて指定高度である FL390 まで上昇中であった。一方の JAL 958 便は成田へと向け、FL370 で水平飛行中だった。

その時、東京 ACC 関東南Cセクターのレーダー表示画面に異常接近警報 CNF(コンフリクト・アラート)が表示されたが、その時の 907 便の表示高度は FL367 を上昇中で、958 便は FL370 であった。
管制官は CNF に対応するため 907 便に対して FL350 まで降下する指示を行ったが(この指示が唯一の疑問点なのだが、便名を間違えたとも言われている)
その直後 907 便の TCAS(Traffic alert and Collision Avoidance System)から上昇を促す
[CLIMB CLIMB CLIMB] の RA(Resolution Advisory)が発せられた。
同時に 958 便の TCAS からは[DESCEND DESCEND DESCEND]の降下を促す RA が発せられが、907 便は TCAS の指示に反して降下を続けたので両機は更に接近し、958 便の TCAS は更なる急降下を促す -2,500ft/min の[INCREASE DESCENT]を指示した。
この時、958 便は FL369 を降下中であり、一方の 907 便は FL370 を降下中で、907 便の TCAS は反対方向である +1,500ft/min の上昇を指示したのだが、907 便は最後までこの指示に従うことはなかった。
その後、両機は FL363 付近で最接近した。
その寸前、958 便はとっさに機首上げ操作を行ったのだが、その理由は 907 便の背中が見えたからだと言う。
そして電子研などの協力を得て推測された最接近時の高度差は20~40mであったと推測された。
シミュレータによる検証の結果、907 便に対して FL350 への降下指示がなくて上昇を続けた場合、最接近地点付近での推定高度は FL381 に達していたと推定されたそうだ。

この危機一髪の事態を避けられたチャンスは何処かにあったのだろうか?
確かに当時は管制指示に優先して TCAS の指示に従うとは明文化されていませんでしたが、TCAS はお互いに連絡を取り合って、逆方向(高度)への回避を行うシステムになっていますので、指示と逆方向への回避操作は非常な危険を伴うことは分かっていたはずなのです。
世界中の航空機に搭載されている TCAS には一連の通し番号が割り当てられており、その番号の大小により回避方向を決めているのです。
また、907 便はすでに降下を開始していたので、「高高度で上昇に転じるのはバフェットを伴う恐れがある」とも述べていますが、図を見れば分かる通り、水平飛行または緩やかな降下行うだけで両機の高度差は保てたはずです(赤点線)。なにしろ、乗客が天井に叩き付けられるほどの急降下を行って、やっとニアミス地点に到達?出来た訳ですから。
調査報告書でも TCAS よりも、水平線などが見えづらく高度差が分かりにくい目視による回避を優先したと結論づけています。
TCAS は上昇を指示していたが、管制からの降下指示もあったことだし、目視によっても降下することによって回避できると判断し、降下を続けていたら状況はますます悪化。多分どこかで自分の判断に誤りがあったと気付いたであろうが、今さら上昇に転ずることも出来ず「もっと降下しろ、もっと降下しろ!」と操縦桿を押し続けるしかなかったのでしょう。

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ところで、この向かってくる飛行機。同高度と言うことはあり得ませんので、自機よりも高い高度に見えますか、それとも低いでしょうか、あなたならどちらへ避けますか?





実は 1,000ft 下を飛んで来ているのです。同高度または少し下を飛んでいる相手機は自機よりも高度が高いと錯覚しやすいのです。

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ああああああああああほらね。


また児童虐待で幼い女の子が犠牲になりました。
父親に冷水を浴びせられて浴室に放置され、どんなに辛かったことか。薄れゆく意識の中で頭をよぎったのは何だったのでしょう?楽しい思い出の一つもあったのだろうか。キーボードを打ちながらも涙が止まりません。
それにしても児童相談所の役に立たないこと。盛んに言い訳を重ねる相談所長の顔を見ていたら怒りがわき上がってきました。
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oldfogy さんの空撮 [航空関係]

ああoldfogy さんから送られてきた空撮写真をご披露いたします。
ああああああああああああああ画像をクリックすると拡大します。

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あああああああああああああ訓練ご苦労様です。
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暇人の私めは、元レース仲間の忘年会で西伊豆・雲見温泉に行ってきましたので、その帰り、伊豆スカイラインでのショットを。

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ああああああああローパス?

今回の忘年会、幹事さんは2日目の催しとして「土肥金山での砂金とり」を計画してくれていたのですが、軟弱者の私は催しはパスして、昼過ぎには家に帰る了解を頂いたのでした。
以前の砂金取り風景。

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そこで、去年と同様に西海岸の 136号線を離れ、西天城高原牧場経由で修善寺に抜けたのですが、その高原牧場前の道路にロードスター愛好家集団でしょうか、10数台のロードスターが集合していたのです。
早く家に帰りたかったので止まることなく走り抜けたのですが、お互いに手を振りながらのエール交換。少数マニアックな車を持つ者の喜びとでも言いましょうか。
実は去年の忘年会帰りでも同じようなロードスター軍団に出会ったですが、その時は今回と違って新型のND型が多かったので、今年と同じメンバーではなかったと想像するのですが。

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