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TTE の通過高度 [航空関係]

今年最後のフライトは羽田から福岡への往復でした。
冬にしては珍しく南寄りの風が吹いていましたので、福岡空港の滑走路は16が使用されていました。

FMS-CDU で ILS16/NAKASE (Nakasu East RNAV Arrival )を選択しますと、FMS がディセント・パスを計算します。
そして FMS が計算した TTE(豊田 VOR)の通過予測高度は FL179である事が CDU 上に表示されました。(黄線)冬場は上空の西風が強く、GS(Ground Speed : 飛行機の地面に対する速度)が遅くなりますので、アイドル・ディセント・パスの角度が深くなり、TTE の通過高度も高くなるのです。
rjffrwy16profiledescents.gif
一方、上空の西風が弱い、また逆方向の東風が吹く場合もある夏場にはGSが速くなりますので、アイドル・ディセント・パスも浅くなります。(赤線

管制機関からは TTE を FL170で通過するよう指示されますので、上空の西風が強い冬場の方が、パワーもスピード・ブレーキも使わない、理想的な降下プランを立てる事が可能になるのが分かると思います。
今回は、TTE の通過高度を FL165とした降下プランを立ててみましたところ、ドンピシャリ。我ながら会心のアプローチを行う事が出来ました。

TTE の通過高度を FMS が計算した FL179より低い FL165とした訳は?
FMS が計算した TTE の通過予測高度 FL179は、あくまでも NAKASUE RNAV Arrival のルートを飛行した場合の通過予測高度であって、レーダー誘導で最短距離を飛行した場合を想定ますと、もう少し低い高度で通過したいと考えたからです。

アイドル・ディセントを続けながら、SANDY の5海里手前からフラップ・スケジュールに入り、GS(Glide Slope )をキャプチャーする直前にフラップ20、ギアー・ダウンの着陸態勢を整える事が出来たのでした。
250ノットの速度から、徐々に減速しながらフラップ・スケジュールに入る時、グライドスロープ・ポインターを1ドット・ビローに保ちながら、減速と、フラップを下ろすタイミングを図るのが、コツのようですね。

FMS にはディセント・フォーキャストという機能がありますが、ある文献によりますと、4ヶ所 全てに予想風を入力しなくても、1万フィート付近に1カ所入力するだけで、かなり正確なディセント・パスの計算を行ってくれるらしい。
予想風を全く入力しないと、1万フィート付近の風をかなり少なめに(10ノット以下)として計算するらしいのです。冬場の入力は必須でしょうね。

福岡空港に着陸し、スポットへと向かっていますと、グランド・コントロールから“Taxi No Delay” と言ってきましたが、“Expedite Taxi” との指示でも良かったはず。
以前の管制方式基準には「地上ではジャンボジェット機(B747のみを指すのではなく、最大離陸重量40万ポンド以上の飛行機)に対して、“Immediately” や “Expedite”の用語は使ってはならない」 と記載されていましたので、管制官は苦しまぎれ?に“No Delay”と言っていたのですが、最新の管制方式基準(現在は管制業務処理規程と言うらしい)では「ジャンボジェット機に対して」の部分が削除されています。

コメント(1) 
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コメント 1

とし

ホント!今のコーパイは勉強していない  これは本当ですね。お前ら馬鹿か?と思う事もしばしばです。やる気の無い奴も多いですよ。
by とし (2009-03-17 13:47) 

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