SSブログ

羽田新管制塔 [航空関係]

羽田空港の新管制塔(高さ115.7m、旧管制塔77.6m)が12日から運用を開始します。
管制を受ける側の我々にとっては、あまり関係のない話だとも言えますが、一つだけ頭に入れておかねばならない事は、ライト・ガンによる指示も新管制塔から出されると言う事です。

ライト・ガンとは何ぞや?と言いますと、
何らかの理由により無線による交信が出来なくなった航空機に対して、光による信号で、「着陸の許可」 などを発出する投光器のような装置の事ですが、主な信号としましては、

着陸支障なし。
進路を他機に譲り、場周経路を飛行せよ。
(赤の閃光)着陸してはならない。などがあります。

bloghanedanewtower.jpg

また、14日(木曜日)からは羽田・成田の管制が統合され、羽田と成田のレーダー管制業務は羽田の管制室で一括して行われるようになります。

その為、[成田アプローチ] [成田デパーチャー] などのコール・サインもなくなって、全て [東京アプローチ] [東京デパーチャー] に統一されます。
[成田タワー/グラウンド] などはそのまま残りますが、成田空港ファンにとっては残念な事かもしれませんね。


コメント欄にご質問がありましたので、補足いたします。
成田Rwy 34Lの着陸滑走路末端は、通常の末端より750メーター内側に設置されていますので、
34Lの着陸に関してのみ、利用できる滑走路長が3,250メーターに短縮されています。
国際線と言えども、着陸時の機体重量は国内線と同程度まで軽くなっていますので、短縮された滑走路でも着陸には全く問題ありません。この着陸滑走路末端の移設は、海外ではよく見られる手法です。

着陸滑走路末端が内側に移設されていますので、進入灯の一部(標準式進入灯の全長は900m)は
滑走路上に設置されていますが、埋め込み式の灯火になっていますので、飛行機が上を通過するしても支障ありません。埋め込み式になっている事による視認性にも全く問題はありません。

blogapproachlightsystem.gif
34Lの進入灯はCAT Ⅱ&Ⅲに対応したALSF-Ⅱになっていますが、34LのILSは今のところCAT Ⅱ&Ⅲには対応していません。上図左。
一方、16RのILSはCAT Ⅱ&Ⅲに対応しており、アプローチ・ライトも日本国内では珍しい(成田16Rだけ)英国式のカルバート・タイプになっています。上図右。
blogparis27rcalvert.jpg
巴里シャルル・ド・ゴール空港、27Rの進入灯もカルバート・タイプ

カルバート・タイプの特徴は、アプローチ・ライトが収束した先が、滑走路の接地点となっている事により、視程が悪くアプローチ・ライトは視認できるものの、滑走路は視認できないような場合でも、飛行機を接地させるポイントをイメージできる点でしょうか。

blogcalvertfoggy.jpg


nice!(3)  コメント(11)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 3

コメント 11

kingair350

おはようございます。新管制塔ができることによっての違いがそこまで出てくるものなんですね。

成田ディパッチャーや成田アプローチがなくなるということはその管制官たちは所沢にある管制機関に異動になるのでしょうか?

あと別件ですが、上記の成田ディパッチャーなどで思い出しましたが、もう成田エイトリバーサルDEPもなくなったのでしょうか?だいぶSIDやSTARも数年前よりは変更されているのでしょうか?

by kingair350 (2010-01-07 09:14) 

FD

ターミナル管制所の統合ですので、所沢とは関係ないでしょう。
新聞によりますと、56人の管制官が成田から羽田へ移籍するそうです。
by FD (2010-01-11 10:29) 

kingair350

FDさん、こんばんは、お返事ありがとうございます。

移籍される方もいらっしゃるのですね。通勤も大変になる方もいらっしゃるのでしょうね。 しかし羽田のタワー管制を聞いていますと非常に忙しそうですよね。それに聞きなれないFIXやSIDも加わったりで・・・

羽田ではMICKYというFIXがあるみたいですが、有名ですよね、、
by kingair350 (2010-01-11 22:51) 

RJAA

はじめまして。羽田成田空域一元化ということでターミナルレーダーの無線が、受信できないと心配していましたが、ばっちり受信出来てよかったです。自分は、成田在住で羽田の管制はほとんど聞こえませんでしたのでだいぶ心配でした。どんなしかけにになっているか解りませんが安心しました。
by RJAA (2010-01-24 18:11) 

FD

管制官がレーダー管制業務を行うレーダー・ルームは羽田に統合されますが、レーダー・アンテナや無線のアンテナは成田に残りますので、受信は今まで通りできるはずです。
by FD (2010-01-25 14:43) 

RJAA

有難う御座いました。1つお聞きしたいのですが、成田の34Lの進入灯は、16Rのような進入灯と比べてどんな印象でしょうか。34Lは750mほど滑走路に接地帯があるのでYouTubeで画像を探して見てみたのですが、特異なつくりをしていますね。どうなんでしょう?明るいとか、機体をセンターに誘導しやすいとかなど。素人考えですけど、いかがでしょうか。
by RJAA (2010-01-26 20:24) 

RJAA

こんばんわ。大変詳しくご説明しいただきまして有難う御座います。また疑問点がありましたら、ご質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
                                  RJAA 拝
by RJAA (2010-01-29 20:28) 

RJER9696

FDさんはじめまして、楽しく拝読させていただいております。
ここにコメ入れて良いものかどうか悩みましたが、もしよろしければ何かの機会にFDさんの意見を聞ければと思いました。
私は名前の4レター地域に住んでおります。若い頃、空の仕事を目指していましたが家業を継ぐため島に戻り、今でも空に未練タラタラの状態でモーターパラ等をがじっておりますが・・・前置き長くて申し訳ありません!

本題です。
去年11月稚内空港のRWが200m延伸されました、冬場の「就航率向上のため」との事ですが、私としてはちょっと疑問を感じています。
ILSがRW08方向のみで、冬場は西よりの風雪が多くテールでのランディング時の対策と、燃料搭載量を少しでも増やせる観点から、RW延長は効果が無いとは言いませんが、FDさんはどう考えるでしょう?
パイロットの目から見た就航率向上のご意見を聞けると幸いです。
(実際は政治的影響力が強いのでしょうが・・・苦笑)
by RJER9696 (2010-02-01 16:48) 

FD

冬場の就航率を上げる一番の方法は、空港の除雪体制ではないでしょうか。
滑走路の除雪の程度により、横風制限や離着陸できる重量が変わってきますので。
by FD (2010-02-01 20:05) 

RJER9696

FDさん早速ありがとうございます。
なるほど!常にドライに近い状態でブレーキアクションをグッドの状態に保てるか、ですね。
除雪作業をしている友人に頑張るよう伝えます!


by RJER9696 (2010-02-01 23:11) 

スタビ

はじめまして☆
素敵なサイトですね^^応援してますよ♪

by スタビ (2010-05-06 12:18) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0