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Dead Foot・Dead Engine [航空関係]

台北・松山空港での墜落事故。
最新の情報によると両側のエンジンの出力が失われたとの事ですが、左エンジンはパイロットの操作により停止した可能性があるとか。
にわかにパイロット・ミスが取りざたされてきた訳ですが、これまでも間違えて正常なエンジンの方をシャット・ダウンしてしまった事例が実際にあるのです。
そこで、訓練生時代からたたき込まれたのが Dead Foot・Dead Engine との教えなのですが、

今回の事故。右エンジンが最初に故障したとしますと、機首は右方向へと偏向します。
それを止めるためには左ラダーを殆ど一杯まで踏む必要があるのですが、その結果、右足は遊んでいる状態になります。これが Dead Foot です。
故に、右エンジンが Dead Engine となる訳で、計器を見なくても不作動になったエンジンがどちらか判断できるのです。その後、計器でも右エンジンの不作動を確認した後に重要になってくるのが、Confirmed Action と称される操作手順なのです。

2.jpg

右エンジンの不作動を確認した後、すぐにスラスト・レバーを絞るのではなく、右エンジンのスラスト・レバーに手を掛けながら、“ Right Engene Fail ” とコールします。
そこでコーパイは、間違いなく右エンジンの故障である事を確認したら、
“ Check Right Engine ” とコールし、そこで初めてスラスト・レバーが絞られるのです。
この操作手順。機種によって多少の違いはあります。

今回の事故で、このアクションが取られたのか?ボイス・レコーダーの解析が待たれます。

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楽しく生きよう

なるほど。
頭の中でしばらく考えました。
by 楽しく生きよう (2015-02-07 19:01) 

皮算用

曖昧な記憶ですが、福岡で離陸時に事故を起こしたガルーダも、
間違った方のエンジンを絞ったのが、事故の理由ではありませんでしたっけ。

ただ、「左エンジンが停まったらどうしよう」という精神状態の中で、V1直前のエンジン不調に、適切に対処できるのかな・・・と、気になります。
まあ、そのための「Dead Foot・Dead Engine」なのでしょうか
by 皮算用 (2015-02-07 21:52) 

SpeedBird

まったく同じことをチェックるするダブルチェックが多いことに常々違和感を感じていますが、ひとりは操縦操作でひとりは計器でと異なる手段でチェックすることこそダブルチェックが生きてくるはずだと思います、残念な事故ではありますが是非教訓が増えればと思います。

by SpeedBird (2015-02-08 00:15) 

無責任一代男

ガルーダはそのまま上がればいいものを
無理に止まろうとしてオーバーランではなかったっけ?
とにかく余裕がない時に迷ってる時間はないですね
by 無責任一代男 (2015-02-08 10:18) 

皮算用

あっ、無責任一大男さまのおっしゃる通りだったかも(^_^;)
by 皮算用 (2015-02-08 11:51) 

Oldfogy

運輸安全委員会の事故原因です。

『本事故は、同機の速度がV1を大幅に超え、既に浮揚していたにもかかわらず、離陸が中断されたため、オーバーランし、擱座・炎上したことによるものである。なお、この状況下において離陸を中断したことは、機長のエンジン故障の際の状況判断が的確でなかったことによるものと推定される。』
by Oldfogy (2015-02-08 16:19) 

Oldfogy

Confirmed actionでThrust leverをPFとPMが確認するのは、(故障しているエンジンの確認であるとともに)「Shut down=Thrust leverを絞ることなので、Thrust leverに間違いがないかを確認する行為ですね。これを間違えると双発機なら即墜落ですから。ただ、事故を起こした航空会社が所謂 "Confirmed action" を採用していたかどうかは事故調査委員会の報告が出るまではマスコミにはのらないでしょう。
FDさんが指摘しているとおり、Failed engineがAuto featherにならなかったのは何故なのか?双発Turbo prop機はFailed engineがAuto featherになって初めて飛行可能となるのでAuto featherにならなかったとしたら飛行継続は大変困難でしょう。航空関係の専門的なサイトでも、Auto featherにならない時(QRHに反し)400ft以下でもActionを起こすべきか否かと多くのPilotが討論しています。
そのサイトでは、Jump seat にも3人目の pilot(16,000時間)が乗っていたとありますが、真偽のほどは解りません。

人間なんてあてにならないものです。Right side clearと言いながらLeft turnするPilotなんて少なからずいますから!
by Oldfogy (2015-02-08 16:38) 

FD

福岡空港でのガルーダの事故、V1を超える速度に達していたのに
離陸を中止したのが原因との事でした。
V1の速度付近では行っても行かなくてもどちらでも良い訳ですが、
昔から離陸を継続した方が安全だと言われています。


by FD (2015-02-08 17:01) 

FD

ダブル・チェックは重要ですね。
しかも、同じ人間が何回やってもあまり意味がない。二人で行ってこそ
生きてくるダブル・チェックなのです。

在来型747は INS に緯度経度でウェイ・ポイントを入力していたの
ですが、ダブル・チェックをしたにもかかわらず、数値を間違えている
場合が1ヶ所ぐらいあるのです。人間は何度やっても同じ間違いを
犯すのです。
フライト中に上空で別の人が再度チェックして間違いに気付く。

by FD (2015-02-08 17:08) 

FD

ガルーダの場合、既に機体が浮き上がっていたとか。
Rwy 34のエンド近くには市道が通っているのですが、奇跡的に車が
走っていなかったのです。
それにしても、台北のタクシー・ドライバーは運がいいのやら悪いのやら。

by FD (2015-02-08 17:12) 

FD

"Confirmed action" は全ての航空会社が採用しているわけではない?
日本の航空会社はボーイングの主導で採用しているのでしょうが、
はたして ATR 72 の製造会社は奨励しているのでしょうか?

我々が乗っていたYS-11は機体が地上にあるときはグラウンド・ファイン
ピッチになっていて、フェザー・モーターを使って油圧でフェザーに
してました、最新のターボ・プロップ機はフリー・タービンになっていて
地上にあるときはスプリングの力でしょうか?フェザー・ピッチに
なってますね。

http://www.globalnewsasia.com/photo/2_150214230920882.jpg

油圧を使うより、スプリングの方がシンプルで安全性が高いように
思われますが。

by FD (2015-02-08 17:28) 

風来閑人

台湾の知人のFacebookで紹介されていたのですが、TVのニュースでこんなのがあったそうです。

あのタクシーの正面からの映像に以下のようなコメントが付いていました。
”福斯 世界唯一 通過飛機撞撃測試”
”福斯品質 堅若磐石”
意味は、
福斯はVWのことで、”VWは世界で唯一飛行機との衝突試験を行った。” ”VWの品質は石のごとく堅牢である。”
とのことです。

コメント欄への画像の貼り方が分からなかったので言葉だけでの説明になりますが、”石のごとく堅牢”と言うわりにはボンネットと助手席の辺りがかなり壊れていました。
by 風来閑人 (2015-02-08 19:42) 

通りすがり

オートラダートリムだとDead foodではわからないとかないんでしょうか?
by 通りすがり (2015-02-09 04:19) 

FD

緊急時の対応に備えて用意されています Non-Normal Check Lisit
には、Memory Item が含まれる物と含まれない物があります。
Memory Item とは、即座の対応が必要な操作手順でして、Check List
を見ながらではなく、頭の中で記憶している手順に従って操作を行う
Item なのです。
その最たるモノが、エンジン等の火災です。一刻も早くエンジンを停止して
消火をする必要がありますので、消化剤を噴射する手順までは Memory
で行います。

一方、今回の事故のようにエンジンが停止しただけの場合、すでに
エンジンは停止している訳ですから、即座に対応しなければならない
ような操作手順を必要としないのです。
SID に従って右へ180度旋回して機首が西に向いた後、Check List
を読み上げながら一つ一つ確実に操作すれば良いのです。
ATR 72 の Non-Normal Check Lisit がどんな構成になって
いるかは分かりませんが。


車の衝突試験には、前面衝突試験やオフセット衝突・側面衝突試験
などがありますが、今回のは何と呼べば良いのでしょう?
翼端切り裂き試験?

777以降の飛行機には、エンジンが停止した場合、オートパイロットが
自動的にラダーをコントロールすると聞きましたが、その動きが
ラダー・ペダルに反映されるなら、Dead Foot の考え方が継承できる
のではないでしょうか。

by FD (2015-02-09 12:58) 

無責任一代男

次々に明らかになってくる操作の失敗で英雄視された機長の名誉が危うい。しかし全エンジン停止ででかいグライダーになってしまった機体を、高層ビルへの衝突を避けようとした努力は認めてあげたい。また爆発炎上しなかった事も幸運。
この運航会社にはすべての乗務員の再教育が命令されたとか。

自動化飛行機になってしまった結果、わずかな機首振りや手応えの変毛が分らないとなれば、放置した結果大きな事故になってしまわないか不安でもあります。
ラダートリムはペダルに出る機能はナイスだと思いました。
あわてて生きてるエンジンを止めてしまったのが大失敗だったのでしょうが、FDさんが書かれているように、とにかく上まで上がってそれから落ち着いてゆっくり考えればトラフィックパターンを1周する感じで戻って来れたものを残念です。

by 無責任一代男 (2015-02-09 14:58) 

Oldfogy

何だか(私も含めて)事故調査委員会の簡単なコメントで『操縦士(機長がPFかPMかは不明)の操縦ミスで生きているEngineを切ってしまった』となりそうですが、まだ断定はできない筈です。ただ、現在のDFDRは解析機にかければ概略の操作等は簡単に解りますが。

AsianaのSFO事故時も、事故調査委員会が次々と『事実!』を事故直後から発表したことに対してALPA(US)は『断片的な発表をするな』と声明を出していました。

前にも書き、FDさんも書いているように画像を見る限りではFailed engineがFeatheringになっていないように見えます。双発のTurbo prop機は離陸直後のEngine failure時Failed engineがAuto featherになることを前提に飛行の継続ができるのですから、もしNon-featherなら、CrewはManual featherにしようとするはずです。離陸直後のEngine failureでNot featherならCrewは相当追い込まれていたとも考えられます。だから間違えてLive engineを切ってしまったとは・・・・・???

事故調査の原則=予断をもつな!です。
by Oldfogy (2015-02-09 20:04) 

FD

昨日までの英雄が一つの情報・記事によって奈落の底。と言う事例は
どの世界でもある事ですね。
離陸後エンジンが停止しただけであれば、まず考えなければならない事は
いかに飛行機を安定させて、安全な場所・安全な高度まで持っていくか
です。その為には飛行機の操縦に全能力を傾ける必要があります。
ただ問題なのは、SID の上昇勾配はエンジンの停止を想定していない事です。
747-400のような4発機で性能に余裕がある場合は SID の経路を
飛び続けても問題ないのですが、双発機などで性能に余裕がない場合は SID の経路から外れて、特別に設定されている緊急用の経路を飛ぶ
必要があります。例えば福岡の Rwy 16。離陸後、左旋回して大分
へ向かうのが東行きのルートなのですが、エンジンが停止した場合は
右旋回して久留米・柳川上空辺りを通って有明海へ抜ける必要があります。
その後は、レーダー誘導を受けて、佐賀空港か熊本辺りへ緊急着陸
することになるでしょう。
台北・松山空港にその様な経路が設定されていたかは不明ですが。

by FD (2015-02-10 13:11) 

FD

エンジンが停止して Auto feather にならなかった可能性は
あり得るでしょうね。
その場合、即座に Manual feather の操作を行う必要がありますが、
その時、慌てて停止するエンジンを間違えてしまった?!

情報を小出しにするなと言う ALPA (Airline Pilots' Association)
の主張も理解できます。断片的な情報は要らぬ誤解を生む恐れがあります。
ただ、マスコミや国民は早く情報が欲しいと考えますので、どちらを
優先するか難しいところですね。

by FD (2015-02-10 13:21) 

カイホ@翼の王様

マスコミや国民は早く情報が欲しい・・・

そのとおりですね。
自分が経験的につらかったのは
ご遺族からの質問でした。
夫は、妻は、あるいは
息子はどのような状況で死んだのでしょうか?

ご遺族からの質問に対し、警察が発表する前
でしたが、できるだけ正確にあるがままお伝え
してきました。

死の原因究明も大事ですが、亡くなった状況を
正確にお知らせするのは、関係者の責務だと
考えるのです。




by カイホ@翼の王様 (2015-02-10 20:21) 

FD

遺族としては肉親がなぜ死ななければならなかったのか?どんな状況で
最期をむかえたのかを早く知りたいのは当然の感情かと考えます。

今回の事故でも、パイロットがビルなどに衝突しないよう最善を尽くした
結果の死であれば、ある程度納得がいくかもしれませんが、
パイロットミスなどが原因であれば、とうてい受け入れる事は
出来ないでしょう。

お嬢さんの事は読ませて頂きました。仕事柄一度は乗り越えねばなら
ない試練でしょうが、親御さんのご心痛をお察しいたします。

by FD (2015-02-11 10:29) 

Oldfogy

(FDさん、済みません。非常に長くなります。私のBlogでは読者ゼロ=FDさん1人=なのでお借りします。御免なさい。)

1989年1月8日、British midland航空のB737-400機はヒースロー空港~ベルファースト空港を2往復するシャトル便でした。
B737-400はそれ以前のB737に装備されていたTurbo jet engineからTurbo fan engineに変更され操縦室もGlass cockpitに変わった最新型機でした。

2度目のベルファースト空港行きとして1952GMT、副操縦士(FO)がPFでLHRを離陸。East midland Airport(この後EMAと書きます)近辺で28,300 ftを上昇中突然激しい振動と火災と思われる煙と臭いが発生しました。 警報は全くありませんでした(Visual & aural共)。

機長は直ちに操縦を交代し計器類のチェックをしましたがいずれのEngineが不調なのか確認できませんでした。。火災の臭いが強かったため空調が接続されているNo2 (Right) engineの火災ではないか?と疑いました。

機長はFO に『どちらのEngineが悪い?』と聞いたところ、"It's the le....., it's the right one" と答えたため "OK, throttle it back" と指示しRight engineがIdleにされました。機の振動はやみ火災によるものと思われる煙と臭いも減少しLeft (No1) engineはN1, EGTとも概ねNormalでした。

FOが管制機関に火災発生を告げた後、機長は『Shut it down』指示しましたがFOは管制機関や会社無線で緊急事態発生の交信をしていたためNo2 engineの停止は遅れました。機は緊急着陸のためEMAへのRadar vectorを要求し飛行を継続しました。

EMAの5 NM(8 km)南、高度10,000 ftを降下中にNo 2 engineは停止され操縦室内の煙と臭いは無くなりました。No 1 engineは概ねNormalに作動していましたがEngine vibration(振動)とFuel flowが通常よりかなり高い値を示していましたが両Pilotsは見落としていました。

この間、機長は客室乗務員へCabinの状況を聞いたところ『客室内は極めてPanicky』と報告されたため客室への状況の説明(Captain announcement)を行いました。

機長は降下中、FOに『出来事をReviewしよう』と言い起きた現象の確認(To review the situations, "What indication did we get it, just vibration" まで言ったところで)をしようとしたところ、ロンドン航空路管制からマンチェスター航空路管制、EMA進入管制へと次々に交信を行うように指示され(次々と)新しい針路の指示と降下指示が出されました。EMA進入管制との交信設定後EMAの消防機関とのTest交信も指示され(機長のReviewは)中断されたままになってしまいました。

最終進入コースに会合しFlapをセットしLanding gearを下ろしThrustをAdvanceしたところ滑走路から2.4 NM (4.5 km) 高度900 ftで突然No 1 Engine が推力を完全に失いました。

機長は直ちに(先ほど停止した)No 2 engineのRestartをFOに指示するとともに機首をあげ滑走路へ届くように努めました。火災警報とGPWS(対地接近警報装置)が鳴る中、FOに『火災処置はするな』と指示し、客室に2度『Prepare for crash landing』のアナウンスを行いました。

機はRestartが成功する前に(Stall warningが鳴りながら)空港手前のM1 Highwayに機首上げ・水平状態で墜落しました。機が地上を滑りながら次の(10m程)かさ上げされたHighwayの堤防に激突し多数の死亡者を出しました。

事故調査の結果解ったことは:
・振動と煙・臭気の原因は”No 1 engine”のN1 fan bladeの強度が不
 足していたため一部が飛散し(No 1)EngineにDamageを与えた。
・最終進入経路に会合しFlapやGearを操作後 Engine thrustを増加した
ため一部損傷していたNo 1 engineが着陸寸前に完全に破壊され推力
を失った。
・Engine製造メーカーの設計・製造段階でのTestが極めて不十分であっ
 た。
・機長がB737-400の前に乗務していたB737-200/300機は空調がNo
 2 engineに接続されていたが、-400型機は両Engineに接続されるよう
 変更されていた。
・Crewが遭遇した状況に対する訓練がなされていなかった。
・当該Crewは正常なEngineを停止してしまった。

飛行経過をみると短時間に当該機長が行った処置は私に果たしてできただろうか?と考え込んでしまいます。

また、管制機関は当該機を最優先で一番近い空港へ誘導するため最善の努力をしました。しかし、機長が『状況をReviewしよう』とした機会を奪ってしまい、また、かさ上げされた道路に激突する不運も重なりました。

事故調査では、両操縦士が生存していたため、「どのように考え・処置をしたか」が解明され大変多くの教訓が得られました。もし、生存していなかったらDFDRやVoice recorderの解析から事実関係は解明できたでしょうが「なぜそうしたか?」は解らなかったかもしれません。

この事故を契機にFDさんが在籍していた会社は”Confirmed action"を会社のPolicyとして独自に取り入れました。BoeingがTraining manualに取り入れたのはそれからほぼ10年も後です。

航空事故調査は国際民間航空条約第13付属書に従って行われます。
第13付属書には下記の記述があり、締約国は遵守する義務があります。

調査の目的
3.1 事故又は重大インシデント調査の唯一の目的は、将来の事故又は重
   大インシデントの防止である。罪や責任を課するのが調査活動の目的
   ではない。

記録の開示
5.12 事故又はインシデントがいかなる場所で発生しても、国の適切な司
 法当局が、記録の開示が当該調査又は将来の調査に及ぼす国内的及
 び国際的悪影響よりも重要であると決定した場合でなければ、調査実施
 国は、次の記録を事故又は重大インシデント調査以外の目的に利用して
 はならない。
a)調査当局が調査の過程で入手したすべての口述
b)航空機の運航に関与した者のすべての交信
c) 事故又は重大インシデントに関係ある人の医学的又は個人的情報
d) コックピット・ボイス・リコーダに記録された音声及びその読み取り記録
e)フライト・レコーダの情報を含めて情報の解析において述べられた意見


事故又は重大インシデント調査の間に面接した者から自発的に提供されたものを含む上記の記録に含まれる情報は、その後の懲戒、民事、行政及び刑事上の処分に不適切に利用される可能性がある。
もしこのような情報が流布されると、それは将来、調査官に対し包み隠さず明らかにされということがなくなるかもしれない。このような情報を入手できなくなると、調査の過程に支障を来たし、航空の安全に著しく影響を及ぼすことになる。(航空振興財団訳)

航空関係者等から長年に亘り、日本で事故調査報告書が刑事裁判に利用されるのは条約違反と指摘され続けていました。日本国政府はICAOに差異通報を行い、日本では『事故調査報告書が刑事裁判に使用される』としています。その根拠はA41枚十数行の表題は単に『覚書』としか書かれていない紙切れに書かれた『犯罪捜査が優先する』です。「欧米の常識と日本の常識が合致しない典型だと私は考えています。



by Oldfogy (2015-02-11 18:32) 

皮算用

この場をお借りして

この板のリンクから、Oldfogy様のブログにお伺いすることがありますが、So-Net以外のヒトが拝見すると、記事が無いブログになっています。
なにか、アップしてみたら、コメントが付くと思いますよ
by 皮算用 (2015-02-12 12:57) 

FD

事故調の最大の目的・使命は「事故の原因を突き止めて再発防止に
つなげる」に尽きるでしょう。
そこで、当事者に事故の真相を語ってもらうためには、その証言を
刑事裁判の証拠としない必要がある。
ただ、カイホ@翼の王様さん言っておられたように「誰かを悪者にしな
ければ決着できない」風潮がありますし、もし事故で犠牲者が出ていた
場合の遺族感情への配慮も必要になってくるかもしれません。
諸外国では当たり前の事でも、日本では非常に難しい問題なのでしょう。

by FD (2015-02-12 13:03) 

NO NAME

人間は失敗を経験して成長するものとは言うけれど、リカバリー出来る失敗ならたくさん経験する方がいいが、その結果が死亡になってしまうものは最初に経験する人の義務は、亡くなられた方々の犠牲を繰り返してはいけない。

東日本大震災で原発がことごとく破壊され今後非常に長い期間人が住めなくなる事などは全く想定されされてなかったし、周辺住民の避難訓練もされていませんでした。
チェルノブイリ事故は日本ではありえないと私も思ってました。そして同じ事が繰り返された。

普段と違う事が起きた時、自分がした事は本当に正しかったのか常に確認する行動が大切ですね。それをしようとして他の事に時間を取られたのは無念としか思えない。
 普段と違う事をした時や、焦ると何かの間違いをするものであるといつも思ってます。事務作業でもややこしい作業中に電話がかかってきた時には、間違った事をしている可能性は50%以上あると常に思っていましたし、そのまま行ってしまってクレームになった事もあります。
何かおかしいと気がつくのは経験しかないのでしょうが、737事故はかすかな振動と普通でない燃料消費と言うことでしょうか。そこから燃料漏れで異常燃焼による煙と匂い?とは気がつかないと思います。片側エンジン止めたら症状が直れば普通は安心すると思いますから。まさかそれが生きてたエンジンだったとは思わない。(エンジン設計ミス)
燃料漏れといえば那覇空港で起きた中華航空の着陸後大爆発だって、フラップ降ろしたら燃料タンクに穴が開くとは考えない。地上からの連絡ですぐに脱出して間一髪。
火山灰の中に突っ込むと全エンジン停止する事も事故があって初めて分った事で、全く想定しなく訓練にもないようなトラブルがあると対応出来ない人間の弱点。
同じ失敗を繰り返さない努力を忘れた時会社は消滅する。

Oldfogy機長さま。日本の空を安全と信頼の翼が飛び続けるように願い続けております。
by NO NAME (2015-02-12 15:00) 

無責任一代男

↑名前忘れました。
気がついたから許してください
by 無責任一代男 (2015-02-12 15:01) 

FD

皮算用さん、ご指摘ありがとうございます。
Oldfogy さんは、まだ記事の投稿をしてないとの事でした。


by FD (2015-02-13 14:11) 

FD

確かに失敗を恐れる必要はないかもしれませんが、最初に失敗が人身事故
につながるような失敗は何としてでも避けないと。
航空機事故は殆どが人命に関わってきますので、航空従事者はしっかりと
肝に銘じておく必要があるでしょう。

B737の事故、勝手に右エンジンの不良と判断してしまったようですが、
機内に煙り等が発生した場合、それに対応した Non-Normal Check List
が用意されていますので-Smoke Air Conditioning-それに沿って
処置していれば、煙の発生源を正確に特定できたかもしれません。

それに、一つのミスが重大事故につながる事は少ないのですが、
ミスが重なったとき深刻な事故になってしまう可能性がありますね。

by FD (2015-02-13 14:24) 

山本仁美

Old fogyさまの事故のお話しを見て、思うところがありひとこと。
私は、コンピュータ保守会社のOBですが、現役時代には、「作業ミス」の防止のための検証や対策をいろいろ見てまいりました。

経過の中に「出来事をReviewしようとしていたところ、あっちにコンタクトせよ、こっちにコンタクトせよと言われて、Reviewが途中で終わった」とありました。
コンピュータの保守屋でも、現場から異常事態を上司に報告した途端、「何が起きているのか」「何をしたのか」「どんな影響が起きているのか」と、直属の上司だけではなく、あちこちの部門から電話が入り、まったく作業ができなくなる事象が起きることがあります。
そんなときは、なるべく連絡窓口を一本にすることと、連絡係兼記録係を現場に派遣する、ってことをしていました。現場の負担を軽くして、作業(考えること)に時間を使えるように、との思いです。

飛行機の場合、立ち止まって考えることも、応援を派遣することもできないわけですから、現場の操縦士さんが、現象を理解し、対策を考えて実行することを最優先する(してもらえるよう支援する)のが地上の仕事ではないでしょうか。管制圏を無視することができないのは重々承知しているつもりですが、管制の指示が指示が操縦士の思考を停めたことが残念でなりません。




by 山本仁美 (2015-02-19 21:47) 

FD

飛行機の難しいところは、止まって考える事が出来ないという事でしょう。
時速数百キロのスピードで突き進みながら考えなければならない。
そんな時、要所を押さえた地上からの的確なアドバイスには助けられました。

by FD (2015-02-20 13:30) 

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