SSブログ

戦争終結のために原爆投下は必要だったのか? [政治]

広島・長崎に原爆の日がやって来ます。
その原爆投下の是非について語られる時、米国政府・国民の主張は、
原爆投下は戦争終結に大きな役割を果たした。それがなかったならば、日本本土決戦へと突入し、日米共にもっと多くの犠牲者が出たはずだ。

この主張を百歩譲って認めざるを得なかったとしても、どうしても納得できない疑問が残る。
「なぜ二ヶ所に投下する必要があったのか?しかも、僅か三日後に」

理由は明白。広島にはウラン型、長崎へはプルトニウム型を投下したことでも分かるように、軍からの強い要請を受けて、二種類の原子爆弾の威力を試したかったのだ。

日本に降伏を促すのであれば、間を置くのが当然だろうに。

日本に無条件降伏を求めたポツダム宣言の最終章には、
「我々は日本政府が全日本軍の即時無条件降伏を宣言し、その行動を保障することを求める。これ以外の選択は迅速かつ 完全な破壊 あるのみ」
このとき既に原爆は完成し、いつでも使用できる状態にあったそうだ。

産経新聞の記事によりますと、ルーズベルト大統領の後を受けたトルーマンに、知日派の国務長官代理グルーは「国体護持」と「天皇の地位保全」の保障を求めたのですが、陸軍長官スティムソンによって反故にされ、その事がポツダム宣言に含まれなかったとのこと。その理由とは、
日本があっさりと降伏してしまうと、原爆使用のチャンスが失われると考え、日本が絶対に呑めないような降伏条件を突きつけたとも言われている。

3.jpg
米国の偽善がどれほどなのか?ソ連軍がフィンランドで行った無差別爆撃に対して、人道的立場?から非難した米国ルーズベルト大統領の言葉を紹介しておきます。

我が国政府並びに国民は、非武装市民への爆撃や低空からの機銃掃射、これら卑劣きわまる戦争行為を全力を持って糾弾する。

他を批判しておきながら、自身はそれ以上の残虐・卑劣な行為を行った訳です。


今年の広島・長崎の日にはキャロライン駐日大使だけではなく、ガテマラー国務次官を両市に派遣するそうな。少しは「申し訳ない」との気持ちになったのか?残るは大統領のみ。

nice!(16)  コメント(12)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 16

コメント 12

楽しく生きよう

原爆については米国のエゴというか日本人皆殺しして仕返ししたい願望が強すぎると思います。
一番上の米国の主張は詭弁であり、心が弱い国民の逃げ口を作るに過ぎない作られた台詞だと思います。
by 楽しく生きよう (2015-08-05 18:38) 

FD

本土決戦となった場合、米軍の犠牲者が増えたことだけは確実でしょうね。
もしドイツとの戦争が続いていたとしても、原爆は使用しなかっただろう
との見方もあるようです。同じ白色人種ですから。

『人種戦争』と言う本が出ています。曰く、
「太平洋戦争は人種差別をめぐる戦いだった、と本書の著者、
ヒューストン大学の黒人歴史学者ジェラルド・ホーン教授は言う。

 第二次世界大戦に日本が参戦するまで、世界は白人優位の絶対的な秩序
のもとで成り立っていた。「純血の白人」以外は人にあらず、とまで
言われるような、有色人が虐げられる劣悪な状況である。
これを、日本軍が変えた。

 そもそも日本は第一次世界大戦後のパリ講和会議で、世界で最初に
人種差別撤廃提案をした国である。しかし、英米などの反対により、
かなわなかった経緯がある。

 日本はこうした白人至上主義をくつがえすことを試み、この戦争を、
太平洋における白人支配に対する防衛として位置づけた」

私もまだ読んではいませんが、興味深い内容です。

by FD (2015-08-06 07:43) 

mayu

2種類の原爆は、それぞれの性能を見るための実験だったといわれてますね。

by mayu (2015-08-06 16:52) 

FD

出来上がった物は使いたくなる。人間の性でしょうか?

安倍総理と広島市長の「核兵器全廃宣言」、確かに理想ではありますが、
現段階では無理でしょう。ロシアや中国が絶対に同意しない。
通常兵力では米国が圧倒的に有利でしょうから。
米国に対抗できるのは核兵器を持っているからであって、中国が南シナ海で
強気に出ることが出来るのも、核戦力のおかげ。

更に、大国が核兵器を全廃して、保有し続けているのが北朝鮮・テロリスト
となったら大変ですし。

by FD (2015-08-07 06:41) 

皮算用

原爆でも通常兵器でも、被害者の悲惨さは、そう相違はないのかな・・・と、想像します。通常兵器を特集した平和祈念館が存在しないから、通常兵器の悲惨さが分からないだけで。

さて原爆。この兵器の特徴は、軍事工場ではなく街全体(=市民)を狙った兵器であることですよね。初めから殺戮の目的が一般市民であったこと。

これが非常識な行動であることは、誰だって理解できるわけで、だからこそ、アメリカ政府は、原爆の功の面を見続けたのでしょう。
そして、「そろそろ時効かな・・・」という、真理なのでしょうかね
by 皮算用 (2015-08-08 09:33) 

皮算用

真理 → 心理 です
by 皮算用 (2015-08-08 09:35) 

FD

確かに広島・長崎の被爆者と東京大空襲などの被災者も悲惨さという点では
同じですからね。
世界制覇を狙った日本(と信じている?)の野望を打ち砕いたとの正義感
を満足し続けるためにも、原爆投下や無差別爆撃の非を認める訳には
いかないのでしょう。
ベトナム戦争を批判してワシントンのモールに集まった若者世代は
どこへ行ってしまったのか?

by FD (2015-08-09 15:17) 

oldfogy

『人道ニ対スル罪:
即チ、戦前又ハ戦時中為サレタル殺人、殲滅、奴隷的虐使、追放、其ノ他ノ非人道的行為(以下略)』

との極東軍事裁判所条例の規定によりA級戦争犯罪人として28名が起訴されました。

東京始め、多くの都市への無差別爆撃や原子爆弾投下を命じた関係者もA級戦争犯罪人でしょう。
by oldfogy (2015-08-09 17:22) 

皮算用

だからこそ、戦争終結のための大局的な判断・・・と、言い張るを得ないのでしょうけど(笑
by 皮算用 (2015-08-09 20:47) 

FD

米国の隠れ戦争犯罪人達は「戦争に勝ってよかった。負けたらとんでもない
ことになっていた」と、冷や汗をかいていると聞いたことがあります。

一方的に押しつけられた極東裁判史観。勝てば官軍ですね。

by FD (2015-08-10 07:51) 

飛行機ルートマニア

ロシアのミルニーダイアモンド鉱山跡について先日コメントしたものです。 第一次世界大戦でショットガンが使用され、余りにも残虐なので第二次世界大戦ではヨーロッパでは禁止でした。しかし、日本には使用されました。アメリカではインディアンの居留地強制移動時に各地で多くの死者を出しているのに、バターン半島の死の行進でアメリカは文句を言っています。
by 飛行機ルートマニア (2015-08-12 16:10) 

FD

戦後『死の行進』などと大げさに報道されていますが、結果的にそうなって
しまっただけで、日本軍が最初から意図したものではないようですね。
米軍兵士が殆ど戦闘することもなく降伏するとは思ってもいなかったので、
多数の捕虜を収容所に送るに当たり、トラックなどが不足してしまった。
故に歩かさざるを得なかった。当然日本兵も歩いた訳ですが、疲労困憊
していた米軍兵士に脱落者が出たと言うことでしょう。情報によれば、
「総行程は120キロで、その半分は鉄道とトラックで運ばれ、残り42キロを3日間徒歩で移動した」とのこと。
たったの42キロなら、2時間で走り抜けられる距離でしょうに。

この行進の最大の責任者はマッカーサー司令部。
彼らは数千名の将兵を見捨ててオーストラリアへ逃げていった訳ですから。
その照れ隠しに、バターン死の行進などと騒ぎ立てて、自分たちの責任を
転嫁したのでしょう。

by FD (2015-08-13 19:38) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0