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シックスマンス・チェック [航空関係]

先日、1年毎に行われる6ヶ月審査を無事に終了する事が出来ました。
6ヶ月審査なのに1年毎とは話が合わないじゃないか?と思われるかもしれませんが、10年以上前に行われた法律の改正により、審査月の反対の月、(6月の反対ですので、12月) に LOFT と呼ばれる実運航に即した訓練を受けていた場合は、年1回の審査に緩和されているのです。

ひょっとすると、我がフライト人生 最後のシックスマンス・チェックとなる可能性もあると言う事で、少しばかり力を入れて臨んだチェックでしたが、我ながら出来が悪かった!若い時のようなキレがなくなってましたね。
日常のライン運航では、力の衰えを経験でカバーする事も出来るのでしょうが、シミュレータではね・・・・・

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シミュレータの映像。ただし今回の審査とは関係のない、下地島 Rwy 17

シミュレータによるシックスマンス・チェックは、数年前からその内容が大幅に変更となっていまして、
パート1とパート2に分けて行われるようになっております。
パート1 : 実運航を想定しての審査。キャプテンとしての運航管理能力も審査の対象となる。

パート2 : 純粋に操縦技倆が審査される。

と言えば聞こえはいいのですが、バカバカしさにも程がある。
パート1 : キャプテンとしての判断力も審査されますので、飛行機にトラブルが発生した場合、目的地飛行場の変更、キャビン・アナウンスなどの対応が必要になるのですが、『審査目的を完遂させるため必ず出発地飛行場へ引き返す事とします』 との大前提が設けられているのです。
しかも出発地である成田空港の状況は、ILSが全て利用できない。地上の風は南風。利用できる唯一の進入方式は、VOR DME Rwy 34L から 16R へのサークリング・アプローチのみと言う、通常ではあり得ない設定。しかも天候は、視程3200m、雲高700フィートで、俗に言うジャスト・ミニマム。

こんな状態であるにも係わらず、出発飛行場である成田に引き返す判断をしたキャプテンがいたとしたら、その運航管理能力は最低と言う事になるでしょう。でも、引き返すのが大前提だそうな。
にも係わらず、あくまでもパート1ではキャプテンとしての判断力を審査すると言っている。アホかいな!

そんなバカバカしさが、私の集中力を欠いた。と、今回は言い訳しておきましょう。
今回のシックスマンス・チェック、ケガをして3週間以上欠勤した後の最初の仕事として組まれていたのですが、さすがにそれでは気の毒だと思ったのか、チェックの前日に千歳往復のフライトを組んでくれてました。

とは言いましても、キャプテンにとって、シックスマンス・チェックは大きなプレッシャーです。
この審査に落ちようものなら、次の日からキャプテンとしてフライトする事が出来ない訳ですからね。
コーパイに格下げ。
私がコーパイの時にも、チェック前にはナーバスになっているキャプテンが多かったですよ。
チェック前日の往復のフライトで、「明日はチェックだから、両方とも操縦をやらしてね」 と言って、往復の操縦を自分一人でやったキャプテンもいましたし、
1泊2日のフライトでは、「国際線ばかりで操縦する機会が少なかった。今日と明日、全部の操縦をやらせてね」 と宣言したキャプテンもいました。最初にそれを言われますと、ガックリですよね。二日間まったく操縦桿に触れられない訳ですから。内心、『2日間、6回すべての操縦をやらないと技量維持が出来ないと言うのであれば、それこそ問題じゃない?元◯◯◯・◯◯◯◯◯も大したことないな』 と思ったものでした。

そんなキャプテンにはなりたくないと思ってましたので、自分がキャプテンになってからは、出来るだけコーパイに操縦を任せる事にしていたのですが、前にも書きましたように、シルバー乗員になった今は、少し考えを変えています。
何回 操縦をやったところで、行き当たりばったりの事をやっていたのでは、身に付くものもないでしょうからね。

しかし先日のフライト。次は私が操縦する番だと考えていたのに、その時のコーパイさん、手に反射ベストを持っているではありませんか!次のフライトで操縦を担当する方が、機体の外部点検を行う事になっていますので、安全のため周囲から目に付きやすい反射ベストを着ける必要があるのです。操縦を担当しない方はコックピットでFMSへのデータ打ち込みを行います。
それを見て、「えっ、次もやるの?」 と聞きますと、

「是非やらせて下さい」 との事。そこまで言われますと嫌とは言えませんね。
この積極性は買いますよ。後は考えたフライトをやってくれさえすれば文句なし。


話は変わって、天下の馬鹿女、辻元清美の肝いりで創設されたピース・ボート。
当然のごとく反自衛隊で、海賊対策のための海上自衛隊ソマリア沖派遣にも反対している訳ですが、世界一周の途中、ソマリア沖では派遣されていた海上自衛隊の護衛艦にちゃっかりと護衛をお願いしていたとか。本音と建て前は違うとは言え、冗談がきついよね。

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