食料持参？ [航空関係]
皆さんもこんな事があるのではないでしょうか？
観光地や遊園地などに出掛ける時、現地のレストランは値段が高いので、食料を持参して家計の出費を節約するとか、箱根にドライブに行く時、箱根のガソリン・スタンドは値段が高いので、近所の行きつけのスタンドで満タンにして行く、と言った事が。
実はこの事、飛行機の場合もあるんですよ。理由は幾つかあるのですが、
例えば、離島便で島に燃料補給設備がない。そんな場合には、帰りの分の燃料も搭載するのは当然の事でしょうし、現地の燃料代が出発地の空港に比べて著しく高価である。と言った理由でも、帰りの分まで積んで行く場合があるのです。
このように、帰りの燃料まで積んで行く事を、Tankering Fuel と呼んでおりますが、燃料価格の問題で Tankering Fuel を行う場合は、帰りの燃料全てを積んで行く必要はなく、現地での燃料給油量を最小限に抑える事ができれば、Tankering の目的がある程度達成できた事になります。
－４００では、国内線においてTankering Fuel 行う事例はなかったのですが、国内某空港の燃料価格が非常に高価と言う事で、費用削減策の一環としての Tankering を行う事になったのです。
本当は各便毎に細かく計算して往路の燃料搭載量を決めるべきなのですが、コンピュータのシステム改修が必要と言う事で、一律９万１千ポンドの燃料を搭載する事になりました。
通常の搭載量は６万ポンド程度です。
往路で帰りの分の燃料まで搭載しますと、機体重量が増加し、往路での燃料消費が増える訳ですが、その事を考慮しても、費用削減効果があると言う事らしいのです。
燃料価格引き下げ交渉への圧力にもなるのかな？
この日、帰りの便の必要燃料搭載量は、５万９千ポンド。到着時の残燃料は、５万６千ポンドでしたので、３千ポンドの給油で済んだ事になります。
その帰りの便、羽田空港は空いていたようで、大島を過ぎますと、最短距離で３４L ILS MICKY へのレーダー誘導が始まりました。ところが誘導が始まった直後、ACARS で情報が、
「３４L バード・ストライク（鳥衝突）のため、一時的に滑走路閉鎖」
パイロットから鳥衝突の報告がありますと、一時的に滑走路を閉鎖して、滑走路上に鳥の死骸が落ちてないか調べる必要があるのです。管制もすぐに対応してきました、
「着陸滑走路変更、３４R ILS コースへ誘導する」
在来型のＢ７４７ですと、ILS の周波数を１１１.７ＭＨｚから１０８.９ＭＨｚに変えるだけですんだのですが、－４００のようなハイテク機では、そう簡単には行きません。 FMS・CDU に新たな３４R ILS のコースを打ち込む必要がありますので、忙しくなってきましたよ！
最短距離でレーダー誘導されていましたので、適正な降下角から高めになっていましたし、
３４R ILS の開始点 TOMAS ２０マイルの地点まで近づいていましたからね。
その時のＮＤの表示が下の図。
まず、緑の実線で示された、アルト・レンジ・アークは、ほぼ TOMAS 近くにあります。と言う事は、MCP にセットしている高度、３千フィートに到達するのは TOMAS 付近である事を示しています。
ただし、このアルト・レンジ・アークは、現在の速度２５０ノットから１８０ノット（羽田空港独自の規則として、TOMAS で守るべき速度を１８０ノットとしています）へ減速する為に必要な距離は考慮していませんので、１８０ノットに減速した上で、３千フィートに到達するのは、TOMAS の更に先と言う事になります。
次に、飛行機△はエネルギー・マネージメント・サークルの白の破線の内側にいますので、スピード・ブレーキをフルに使っても、３千フィートに到達するのは（この場合、１８０ノットへの減速分も考慮している）TOMAS ギリギリである事を示しています。
三掛けでもやってみましょうか。２０マイルＸ ３＝６,０００フィート、ＴＯＭＡＳでの高度３,０００フィートを足して９,０００フィート。そして現在の高度は１１,０００フィートを過ぎた所。適切な高度よりかなり高いようですね。
ある動画サイトを見ていましたら、鳩山首相がこんな事を言ってましたね。
「永住外国人にも参政権ぐらいはやってもいいんじゃないですか」
おいおい、国民に与えられた最大の権利が参政権だろうが、それをぐらいとは何事だ！
参政権付与に熱心な民主党議員、参政権をぐらい程度にしか考えていないのだろう。
観光地や遊園地などに出掛ける時、現地のレストランは値段が高いので、食料を持参して家計の出費を節約するとか、箱根にドライブに行く時、箱根のガソリン・スタンドは値段が高いので、近所の行きつけのスタンドで満タンにして行く、と言った事が。
実はこの事、飛行機の場合もあるんですよ。理由は幾つかあるのですが、
例えば、離島便で島に燃料補給設備がない。そんな場合には、帰りの分の燃料も搭載するのは当然の事でしょうし、現地の燃料代が出発地の空港に比べて著しく高価である。と言った理由でも、帰りの分まで積んで行く場合があるのです。
このように、帰りの燃料まで積んで行く事を、Tankering Fuel と呼んでおりますが、燃料価格の問題で Tankering Fuel を行う場合は、帰りの燃料全てを積んで行く必要はなく、現地での燃料給油量を最小限に抑える事ができれば、Tankering の目的がある程度達成できた事になります。
－４００では、国内線においてTankering Fuel 行う事例はなかったのですが、国内某空港の燃料価格が非常に高価と言う事で、費用削減策の一環としての Tankering を行う事になったのです。
本当は各便毎に細かく計算して往路の燃料搭載量を決めるべきなのですが、コンピュータのシステム改修が必要と言う事で、一律９万１千ポンドの燃料を搭載する事になりました。
通常の搭載量は６万ポンド程度です。
往路で帰りの分の燃料まで搭載しますと、機体重量が増加し、往路での燃料消費が増える訳ですが、その事を考慮しても、費用削減効果があると言う事らしいのです。
燃料価格引き下げ交渉への圧力にもなるのかな？
この日、帰りの便の必要燃料搭載量は、５万９千ポンド。到着時の残燃料は、５万６千ポンドでしたので、３千ポンドの給油で済んだ事になります。
その帰りの便、羽田空港は空いていたようで、大島を過ぎますと、最短距離で３４L ILS MICKY へのレーダー誘導が始まりました。ところが誘導が始まった直後、ACARS で情報が、
「３４L バード・ストライク（鳥衝突）のため、一時的に滑走路閉鎖」
パイロットから鳥衝突の報告がありますと、一時的に滑走路を閉鎖して、滑走路上に鳥の死骸が落ちてないか調べる必要があるのです。管制もすぐに対応してきました、
「着陸滑走路変更、３４R ILS コースへ誘導する」
在来型のＢ７４７ですと、ILS の周波数を１１１.７ＭＨｚから１０８.９ＭＨｚに変えるだけですんだのですが、－４００のようなハイテク機では、そう簡単には行きません。 FMS・CDU に新たな３４R ILS のコースを打ち込む必要がありますので、忙しくなってきましたよ！
最短距離でレーダー誘導されていましたので、適正な降下角から高めになっていましたし、
３４R ILS の開始点 TOMAS ２０マイルの地点まで近づいていましたからね。
その時のＮＤの表示が下の図。
まず、緑の実線で示された、アルト・レンジ・アークは、ほぼ TOMAS 近くにあります。と言う事は、MCP にセットしている高度、３千フィートに到達するのは TOMAS 付近である事を示しています。
ただし、このアルト・レンジ・アークは、現在の速度２５０ノットから１８０ノット（羽田空港独自の規則として、TOMAS で守るべき速度を１８０ノットとしています）へ減速する為に必要な距離は考慮していませんので、１８０ノットに減速した上で、３千フィートに到達するのは、TOMAS の更に先と言う事になります。
次に、飛行機△はエネルギー・マネージメント・サークルの白の破線の内側にいますので、スピード・ブレーキをフルに使っても、３千フィートに到達するのは（この場合、１８０ノットへの減速分も考慮している）TOMAS ギリギリである事を示しています。
三掛けでもやってみましょうか。２０マイルＸ ３＝６,０００フィート、ＴＯＭＡＳでの高度３,０００フィートを足して９,０００フィート。そして現在の高度は１１,０００フィートを過ぎた所。適切な高度よりかなり高いようですね。
ある動画サイトを見ていましたら、鳩山首相がこんな事を言ってましたね。
「永住外国人にも参政権ぐらいはやってもいいんじゃないですか」
おいおい、国民に与えられた最大の権利が参政権だろうが、それをぐらいとは何事だ！
参政権付与に熱心な民主党議員、参政権をぐらい程度にしか考えていないのだろう。
兄、弟（母も）とも9億円「ぐらい」どうって事無いのでしょう。
by yasu (2009-12-04 00:29)
キャプテンいつも楽しく、そして勉強させて頂きながら拝見しております。
「あっ、いちいちメモしなくていいよ、私も冗談ぐらいは言います」
このセリフは某映画のキャプテンの…
実際のブリーフィングにも時にはユーモアを交えるものなのでしょうか？
by ひろ (2009-12-04 00:33)
ＦＤキャプテン、いつも拝見させていただいております。
私の恩師にも刀剣・絵画収集をされている方がおりますが、
同じような事をききました。
やはりよいものをみて目を養う事が必要なようですね。
「見習い」というのも先達のよいものを見て学ぶと私は思っているのですが、
最近「見習い」ができない若人が多いのが嘆かわしいです。
教育に関わる職についているために、だんだんその傾向が強くなっているのを感じます。
しかし、事業仕分けといい、米軍基地問題といい、政治が不安しかたないです。
by Hide (2009-12-04 01:40)
FDキャプテン、いつも意味深いお話をありがとうございます。
ひろさんも書かれていますがー、私もあのセリフ「お！ ハッピー○○○○からの引用ー？！」と思いました。
あと、フライトは皆「プロフェッショナル」だと思っていたのですが、「なまくらフライト」もあるというのは驚きです。
パイロットの方も全員「プロ」だと信じておりましたが、、、。
いずれの業界でもその道を極めるというのは大変なことなんでしょうね。。。
しかし、相手の立場が変わっただけで、態度が変わるコーパイさんというのも、、、。そういう方が立場が上になったときが怖いですね。
by yasaisalad (2009-12-04 07:19)
私に言わせれば、「なまくらなフライト」 とご理解下さい。
もちろん全員がプロフェッショナルです。しかしプロにも知識・技倆の差は存在します。
ユーモアは場を和ませますね。
近頃連発している駄洒落、
「キャプテン、ご搭乗案内の時、『ウェルカム』 へ行ってもよろしいでしょうか？」
「あっ、『ウェルかめ』 ね、どうぞ」
by ＦＤ (2009-12-04 09:08)
キャプテンこんばんは！ いつも楽しく拝見させていただいています。
食料持参で思い出したのですが、機内にハンバーガーは持ちこんで食べる
のってＮＧなんですかね？ 知恵袋で質問したこともあるのですが、
機内にバーガーのあのにおいが充満して臭くなるから他のお客さんにも
迷惑になるから遠慮して欲しいとのことでした・・・どうなんでしょうかね？
搭乗前に売店前の座席のところで食べて置けば済む事なんですが、
上空で食べたいのですよね。。。
by kingair350 (2009-12-04 21:51)
キャプテン、膝の具合は、どうですか？
ところで先日、熊本に行った時、操縦席の右側に若いパイロット
左側に年長のパイロットが座ってました。
右、左操縦席の決まりは、どうなんでしょう。
たとえば、練習の為、副パイロットがメインで操縦する
場合とか有ると思うのですが。
ｐｓ 先日は、熊本空港着陸直前（滑走路の入り口）で
フルパワー全開、着陸やり直しを経験しましたー。
by タカ (2009-12-05 07:42)
お久しぶりです。
右膝の具合ですが、相変わらずツッパリ感が残っていますし、時々電流が走ったような痛みもあります。
しばらくはリハビリにも通っていたのですが、改善が見られないので、諦めて通うのを止めました。何しろ歳ですので。
来年４月になりましたら、活動を再開する予定にしていますので、宜しくお願いします。
操縦席の着座位置ですが、機長は左、副操縦士は右と決まっています。
ヘリコプターは逆だそうですが。
この位置はどちらがメインで操縦するかにかかわらず、変わりません。
左右同じ造りなっていますので、席を替わる必要はない訳です。
ただし、機長昇格訓練中の副操縦士は左席に座ります。ハッピー・フライトがそうでしたね。観られましたか？
ハンバーガーを機内に持ち込めるか？ですか・・・・・
by ＦＤ (2009-12-05 10:29)
>逆に食って掛かるコーパイがいますからね。
私もたまに先輩とケンカしてしまう若造?です。それでも先輩が積み上げてきた
実績への敬意は一時たりとも忘れたことはないつもりですが、小生意気な
若造を見るたび、自分(若くはないですが)は大丈夫?と...(苦笑)
他人を尊敬できない人が増えましたね。
by SpeedBird (2009-12-05 23:54)
FDさん こんばんは、FDさんの日記もキーワードを含めて色々検索して調べてみましたがどうしても分からなくて教えて下さい
B747-400ってフライト中の燃料ポンプの作動は自動に設定できないものなんでしょうか？
PMDG747というゲームソフトで遊んでいるのですがEICASにどうしても
FUEL INSAFFICIANTというようなメッセージが出てしまって困っています。 実機ではこのようなことは起こらないとは思いますしゲームと実機とではかなりの違いがある事は承知でありますが、かなり精密に作られたPMDGなので共通点があればと思いまして、、もし可能でしたらお返事をお願いします。 対処の仕方がどうしても分からなくて付属のFMCのPDFマニュアルを見ているのですが、もうお手上げなのです。http://twitpic.com/3wquk8
by kingair350 (2011-02-05 23:05)
FDさん、どうしてもお知恵をお借り願えませんでしょうか？？
参考になるPDF文書などを説明書などを見たりネットで探しましたがどうしても自力で解決できず助けて下さい。お願いします
http://twitpic.com/3xhvp1
上記のURLは自分のアップロードした画像のものです
PMDG747のプリフライト画面でのものです
チェックリストを見てGEN CONT HYDRO POMPSなどもやってみたんですが、EICASメッセージは黄色で警告メッセージがずらり、FMCもプランのセットが終わってVNAVとLNAVもプッシュできているのですが、IRSアラインが完了しないのかND画面がずっと切り替わってくれません
ルートはVHHH-RJAAです コストインデックスは適当ですが66としました
FL３３０です
まずEICAS画面の警告メッセージを消すための対処方法およびND画面にプランを表示させるためにIRSアラインを完了させるもしくはどのように対処したらいいのかもう完全にお手上げです
もしくはこのままの画面表示のままDEPとしていいものなんでしょうか？
FDさん可能な範囲で構いませんのでどうにかお返事をお願いします
ずうずうしくもこちらに長文を書いて大変恐縮でございます
よろしくお願いします
by kingair350 (2011-02-08 05:33)
失礼しました 下記のURLを添付するのを忘れていました
EICASに表示された画像です
http://twitpic.com/3xhvp1
大変お手数をおかけし恐縮ですがどうか教えてください。よろしくお願いします
by kingair350 (2011-02-08 12:43)