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CVA (考察編) [航空関係]

羽田空港において、7月29日以降10月までの予定で、我が国では初となる、CVA(Charted Visual Approach)の試験運用が開始される事となりました。

ビジュアル・アプローチとは、決められた計器到着経路を飛行するのではなく、地上の物象または先行進入機を視認しながら、パイロットの判断で自由な経路を飛行し、着陸する進入方式なのですが、燃料の節減、運航の効率化が期待できます。
もっとも、いくら自由な経路を飛行できると言いましても、ある程度限定された経路となるのは当然の事なのですが、その経路と高度を計器到着経路と同じようにチャートに示した上で、あくまでもビジュアル・アプローチの一種として運用するのが CVA なのです。

羽田における CVA は34Lと34Rに設定され、それぞれ
FUTTSU VISUAL Rwy34L
HIGHWAY VISUAL Rwy34Rと呼ばれる事になります。

さっそく、FMS で FUTTSU VISUAL Rwy34L と ILS34Lを選択してみますと、CDU の表示は
blogcvacdu.gif
となりました。
この CDU の表示を見ても分かりますように、SNE (守谷 VOR)へ向かうコース(022度)に乗りながら、ILS34Lへインターセプトする事になるのですが、地上物標である富津岬と KAIHO ポイントは同一地点となります。SNE の後の数字は、SNE までの距離(マイル)を表しています。

blogcvachart.gif
FMS・CDU の距離表示を見ますと、KAIHO から滑走路までは13マイルとなってますので、KAIHO での適正高度は概ね4000フィートと言う事になるでしょう。
FMS・CDU では4000Aとなってますが、ここで高度4000フィート、フラップ5にしておかないと、後の降下が苦しくなりそうですね。

ところで先日のフライトでは、空がかすんでいて羽田空港から東京タワーを見る事が出来ませんでした。
羽田から東京タワーまでは約11キロの距離がありますので、この日の視程は10キロなかった事になります。
ビジュアル・アプローチを行うためには最低5キロの視程が必要なのですが、CVA の試験運用では、視程が20キロ以上ある場合のみ実施するとしています。
しかしこの時期、視程が20キロ以上になる日はそう多くないと思いますよ。
また、富津岬(KAIHO)通過までに SAIL ISLAND(風の塔)を視認する事が求められるそうなので、やはり20キロ近い視程が必要と言う事になります。
実施する機会がありましたら、(実践編)をお届けしたいと思います。

NOTAM:CVA の試験運用は延期となりました。

この日の地上風は終日南寄りの風でしたので、昼間は16Lを着陸に使っていたのですが、
夜10時過ぎに着陸した時の地上風は170度11ノットだったにもかかわらず、滑走路34へのテイルウインド・オペレーションを強行?しておりました。
10月以降、羽田から長距離国際線が飛ぶようになりますと、こんな運用は出来なくなるでしょう。
blogzoro2.jpg

菅政権、普天間問題の決着を11月の沖縄知事選以降に先送りしたとの事ですが、基地反対の知事が当選した事を言い訳に、「移転は無理です」 と言い出すつもりじゃないだろうね。
口蹄疫問題でも分かったように、今の民主党政権の危機管理能力はお粗末としか言いようがない。
これで、朝鮮半島有事と言う事にでもなったら、我が国どうなってしまうのか?
菅総理の頭の中は、9月の代表選の事で一杯らしいから。

民主党両院議員総会を欠席し、海老蔵の結婚披露宴に出席した前原国交相の何とミーハーな事か!

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トメ

FDさんこんにちは。

夏場の羽田ではCVAの試行運用も早々回数が増やせそうにありませんね…
羽田の新国際線ターミナルのお披露目映像がTVを騒がしていますね!
D滑走路新設に伴う発着容量の拡大…、産みの苦しみですね。
(滑走路一本増えたからって、簡単には発着枠は拡大しませんよね!)

CVAでどんなメリットがあるのかな~?
というのが疑問だったのですが、目的は、A,C滑走路への平行同時進入をILSに頼らずに行うことで、陸地上の飛行を減らす。(東京湾上を出来るだけ飛行する。)ことなんですかね?
FMSを使って、より滑走路に近い位置でILSにミートするわけにはいかないものでしょうか?
RNAV+ILSアプローチみたいな形でILSへのショートカットコースを東京湾上に設定しつつ、同時進入ができれば良いのでしょうか?

天気が悪けりゃCVAが無理→ILS→陸上を低空飛行→D滑走路オープン後は各所で「うるさくなった」と言われそうですね…

この週末、愛知県へ出張に出ていたのですが日曜日が休みになったのでセントレアへ遊びに行ってきました。
そこで気がついたのですが、、、
「マーシャラーがいない!」
調べてみたら羽田の第2ターミナルや千歳にもいないとの事!
どうなってんですか?
by トメ (2010-08-03 10:55) 

kingair350

FDさんこんにちは、そしてトメさんはじめまして こんにちは

横入り失礼します。たしか内田基樹さんの本を読んだのですが、それに参考になりそうなお話がありましたので、、、マーシャラーもいないのにどうやってランプインしているのかということですが、ロンドンヒースロー空港では
霧の街といわれるくらい深い霧に包まれることが時折あるようでそんなときはグランドの管制官も機体を視認できないのでレーダーで機体の位置を把握しているようで滑走路から離脱を確認後誘導路の中心線にグリーンのライトだったかそれでランプまで誘導するようです そしてマーシャラーなしでそのランプが赤色だったかに変わったらストップということだそうです。
たぶんこれに近いものが導入されているのでしょう。

中部空港や羽田空港にはそれは導入されていないでしょうけど、ランプのところをよく見ていると信号機みたいな電光板があって3色に距離や接近率などをセンサーで感知しているのか分かりませんが適切な位置まで来るとパイロットに電光板の色を変えることによって知らせているようです

多分間違っているかもしれません FDキャンプテンが訂正してくれると思います。
by kingair350 (2010-08-03 16:18) 

GSゆれゆれ

西の果てのCVA関係ない管制官です。

羽田34は同時平行ILSできますけど、NTZ監視用の管制官が必要なようですね。でも、管制官としては確実にILSの方がやりやすいんじゃないでしょうか。CVAだと、結局手間がかかって要員増えそう・・・
今の時代、羽田なんか特に、RNAV(Baro VNAV)Apch活用した方が良いような・・・

質問です。FMSのRWYからの距離から適正高度を求める時はどのようにされてますか?(距離×3?)
KAIHOから13NMで4000FT flap5とは??
m(_ _)m
by GSゆれゆれ (2010-08-03 19:10) 

菅総理

あんた民主党の事をあれこれ言っているけど、また自民党時代に戻りたいのか?
こんな混乱を招いているのは自民党のせいじゃねぇかよ
ただばら撒きをしていたのは自民党じゃねぇか!!!

ANAのパイロットはくだらないブログを書いている奴が多いな
まったく問題になったのには
by 菅総理 (2010-08-03 19:52) 

FD

これはこれは、総理ご自身からコメントを頂けるとは夢にも思わず、大変感激しております。
しかしながら、頭の中には何もつまっていない、空き菅である事が露呈してしまったようですね。



by FD (2010-08-04 11:37) 

FD

北寄りの風の時の現在の運用は、34Lを着陸専用、34Rを離陸専用として使い分け、離陸機が少ない時間帯には34Rにも着陸させているのですが、拡張後は着陸機の30%が34Rへの着陸となりますので、ILSまたはCVAによる同時平行進入が必須となるのでしょう。
そして南寄りの風の時は、ILSまたはLDAによる22/23同時進入が行われます。

34L/Rの同時平行ILS進入(Simultaneous Parallel ILS Approach)を行うためには、仰いますように34L/R間に不可侵区域の設定、オーバーライドの権限を持った(回避操作を指示する)監視管制官の配置が求められています。
羽田の場合、横間隔の問題ですので、RNAV進入では対応できないと思います。
なお、平行ILS進入(Parallel ILS Approach・レーダー間隔が設定される)はすでに行われています。

適正高度は、やはり距離(NM)X3ですね。
13X3=3900フィート。この後は連続降下となりますので、KAIHOではFlap5、スピード200ノットにしておかないと、つんのめってしまうでしょう。

マーシャラーが失業?
羽田では、VDGS(Visual Docking Guidance System)が運用されています。

by FD (2010-08-04 12:14) 

GSゆれゆれ

ご返答ありがとうございます。

なるほど。管制としてはできる限り速い速度を維持して進入してもらいたいものですが。。。降下開始でつんのめるとVNAVpathより上に出てしまう訳ですか。納得です。

今後も航空機の安全かつ効率的な運航を支援させて頂きます。
by GSゆれゆれ (2010-08-04 16:51) 

FD

これからも宜しくお願いいたします。

管制方式基準にもありますように、ジェット機は降下しながらの減速が苦手なのです。
スピード・ブレーキを使えば問題解決なのですが、最も効率の悪い降下となってしまいます。
by FD (2010-08-04 17:07) 

kingair350

FDさん おはようございます。ちょっとだけお聞きしたいのですが、実機にも乗ったことあるので何となくは分かるのですが、やぱりスピードブレーキを使っての降下となりますと多少なりとも機体は揺れてしまいますよね??
乗り心地にも多少なり影響してしまうんですよね??

あと、もし可能でしたらB787についてもお聞きしたかったんですが、ローンチする予定のB787ですが既に該当する乗務員さんたちはCAさん含めてもうすでに訓練中なんですよね? まだぜんぜん導入の予定が聞かれませんが、、会社にも問い合せてみたんですが本当に導入日は未定なんですか? そろそろデリバリーされてきてもいいのですが待ち遠しくて、、FDさんでもご存知ないでしょうか? よろしければお聞かせ下さい。
よろしくお願いします。
by kingair350 (2010-08-05 04:52) 

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