羽田空港 新管制方式 [航空関係]
10月21日から変更となった、羽田の新しい出発経路と到着経路を一通り経験する事が出来ました。経験してみての雑感は、
前にも書いた事なのですが、かなり遠方からの降下開始を強いられる設定となっていますので、燃料消費の点から見て、かなり無駄の多い管制方式となっているように思われました。
特に北からのアライバルでそれが顕著となっているようです。
以前は、TLE(阿見 VOR)を 13,000 フィートで通過すればよかったのですが、新方式では、TLE の更に16NM遠方に位置する STONE を 11,000 フィートで通過する設定となっており、なおかつ速度を 250 ノットまで減速する必要があるのです。
大型旅客機の場合、低高度で延々と飛ぶ事が、燃料消費に大きな影響を及ぼし、非常に不経済な運航となってしまうのです。RNAV アライバルの利点は、到着ルートを直線化して飛行経路を短縮できる点にあるのですが、これでは折角の RNAV アライバルを生かし切れません。
FL380 で羽田へ向かっているとします。
管制上の制約が何もなければ、T/Dからパワー・アイドルで降下を続け、CREAM でちょうど 4,000 フィートになるように降下するのが最も経済的な飛び方なのですが(緑線)、実際には管制上の制約が付いてきます。
それでも以前は、TLE 13,000 フィートだけの制約でしたので、理想的な降下からのかい離はそれ程でもなかったのですが(青線)、新方式のアライバル方式(赤線)では、かい離が増大しています。
更に、成田到着機との関連と思われますが、仙台の近くに位置する、RUBIS ポイントを FL280 で通過せよとの管制指示が恒常的に発出されているようなので、更に不経済な管制方式となっているのです。
うす青色の面積と、うす赤色の面積とを比較しますと、その不経済ぶりが一目瞭然です。
空域上の制約がある事は分かるのですが、これでは改悪と言えそうで、以前の方がよかったとなってしまいます。
そして、STONE を通過しますと、8,000 フィートまでの降下指示が来るのですが、CURRY を 8,000 フィート以上で通過すれば、CREAM アライバルの要件を満たしますので、少しでも高い高度(11.000フィート)で飛びたいのですが、降下を始めざるを得ません。管制方式基準に、
『管制指示はパイロットが受領した後、速やかに遵守されるものとして発出される』 との一文がありますので。
今までのレーダー誘導主体から、アライバル・ルート主体に変更するのであれば、高度処理もパイロットに任せられるような管制指示を出して欲しい。例えば、
“ Cleared via CREAM Arrival, Descend and Maintain 4000 Comply with Restriction ”
“ Cleared ILS Z Runway 34 Right Approach via CREAM Arrival ”
そうなりますと重要になってくるのが、降下モードの使い方。
FLCH (Flight Level Change)やV/Sモードを使ってしまいますと、MCP(Mode Control Panel)に間違った高度をセットしてしまった場合、CURRY / 8,000 フィート以上などの高度制限を無視して、飛行機が 4,000 フィートまで降下をしてしまいます。
FMS のシナリオ通りに飛ぶ事が出来る、VNAV を活用しましょう。
前にも書いた事なのですが、かなり遠方からの降下開始を強いられる設定となっていますので、燃料消費の点から見て、かなり無駄の多い管制方式となっているように思われました。
特に北からのアライバルでそれが顕著となっているようです。
以前は、TLE(阿見 VOR)を 13,000 フィートで通過すればよかったのですが、新方式では、TLE の更に16NM遠方に位置する STONE を 11,000 フィートで通過する設定となっており、なおかつ速度を 250 ノットまで減速する必要があるのです。
大型旅客機の場合、低高度で延々と飛ぶ事が、燃料消費に大きな影響を及ぼし、非常に不経済な運航となってしまうのです。RNAV アライバルの利点は、到着ルートを直線化して飛行経路を短縮できる点にあるのですが、これでは折角の RNAV アライバルを生かし切れません。
FL380 で羽田へ向かっているとします。
管制上の制約が何もなければ、T/Dからパワー・アイドルで降下を続け、CREAM でちょうど 4,000 フィートになるように降下するのが最も経済的な飛び方なのですが(緑線)、実際には管制上の制約が付いてきます。
それでも以前は、TLE 13,000 フィートだけの制約でしたので、理想的な降下からのかい離はそれ程でもなかったのですが(青線)、新方式のアライバル方式(赤線)では、かい離が増大しています。
更に、成田到着機との関連と思われますが、仙台の近くに位置する、RUBIS ポイントを FL280 で通過せよとの管制指示が恒常的に発出されているようなので、更に不経済な管制方式となっているのです。
うす青色の面積と、うす赤色の面積とを比較しますと、その不経済ぶりが一目瞭然です。
空域上の制約がある事は分かるのですが、これでは改悪と言えそうで、以前の方がよかったとなってしまいます。
そして、STONE を通過しますと、8,000 フィートまでの降下指示が来るのですが、CURRY を 8,000 フィート以上で通過すれば、CREAM アライバルの要件を満たしますので、少しでも高い高度(11.000フィート)で飛びたいのですが、降下を始めざるを得ません。管制方式基準に、
『管制指示はパイロットが受領した後、速やかに遵守されるものとして発出される』 との一文がありますので。
今までのレーダー誘導主体から、アライバル・ルート主体に変更するのであれば、高度処理もパイロットに任せられるような管制指示を出して欲しい。例えば、
“ Cleared via CREAM Arrival, Descend and Maintain 4000 Comply with Restriction ”
“ Cleared ILS Z Runway 34 Right Approach via CREAM Arrival ”
そうなりますと重要になってくるのが、降下モードの使い方。
FLCH (Flight Level Change)やV/Sモードを使ってしまいますと、MCP(Mode Control Panel)に間違った高度をセットしてしまった場合、CURRY / 8,000 フィート以上などの高度制限を無視して、飛行機が 4,000 フィートまで降下をしてしまいます。
FMS のシナリオ通りに飛ぶ事が出来る、VNAV を活用しましょう。
お疲れ様です。
海浜幕張近辺をうろうろしてます。
Dの運用が始まって、デパーチャーとアライバルの航跡も
以前とは変化しましたね。
private PILOT 故、羽田には降りられませんが、
皆さん苦労されてるだろうなぁ、と、毎日路上から
応援しています。
by バスのうんちゃん&パイロット (2010-11-11 23:30)
FDさん こんばんは! FDさんやお知り合いの乗員さんたちで
自社のワールドタイムウォッチ(腕時計)をお持ちの方っていらっしゃいますか?? あれかっこいいなと思っていて自分も購入しようか迷っています、、、でもこういう腕時計って若いコパイさんなどが見につけているとかっこいいなと思うのですが、、どうなんでしょうか?
by kingair350 (2010-11-12 01:19)
FDさんこんにちは。
D滑走路の騒音の件、心理的なものでしょうかね。
VNAVの件ですが、管制の指示によってパスの上や下へ行ってしまった場合VNAV SPDモードになると思うのですが、この場合はVNAVモードのままパスに戻すことはできないのでしょうか?
今、内田キャプテンの著書を読んでいるのですがFDさんはこのようなエッセイは書かれないのでしょうか?
豊富な知識(パイロットとしては当たり前だと思いますが)をネット上だけにしておくのはもったいないと思います。
by sasa (2010-11-12 10:32)
FDさんこんにちは。
アイドルディセントのパスから大きく乖離してしまった現状。
何故なんでしょう?
空域再編のうたい文句で、徐々にレーダ誘導を減らして行くなどと記載されていたような気がしますが、確かにTokyo APPは以前のような誘導がなくなり簡単になっているようですね。(その手前Tokyo Controllでは依然としてレーダー誘導ですが)
しかし、そのために延々と低高度を飛行させるならナンセンスですね。
アプローチゲートを遠ざけて低高度にした本当の理由は何なのでしょうか?
by トメ (2010-11-12 19:29)
sasaさん、
CVA(実践編)の中に書き込んであります、VNAV PTHとVNAV SPDを参考にして下さい。
by FD (2010-11-12 19:31)
アプローチ・ゲート(STONE)が遠くなった関係で、RUBISまでにFL280へ降下させておかないと、成田への到着機と重なってしまい、11000フィートへの降下が難しくなるのだそうです。
by FD (2010-11-12 19:41)