SSブログ

ミス・パイロット その弐 [航空関係]

第二話と三話は旅客係と整備のきれい事ばかりで、いささか食傷気味になったのですが、今回はパイロット訓練生物語らしい内容となっていましたね。
コックピット内でのやりとりなども、航空会社の全面協力のおかげで破綻は見られなかったようですが、あえて突っ込みを入れさせて貰えば、千歳行きの便がCB(積乱雲)を避けるためにヘディング120度を要求していましたが、北に向けて飛んでいるのでしょ。いったいどっちの方向へ行きたいのやら?

MCP(Mode Control Panel)の速度表示も変でしたし、Primary Engine Display には多数の
Caution Message が表示されていました。ほっといていいんですか?岩城キャプテン。
Caution Message が表示されたなら、直ちに必要な処置を行って表示を消し、Display は常にブランク状態にしておくのが鉄則なのです。
そうしませんと、新たな Message が表示された時、気が付かない可能性がありますからね。

ここまでは単なるドラマへの突っ込みだったのですが、これ以降は実運航に関わる話として、言っておかねばなりません。
体験搭乗のエピソードの中で、後続の753便のコーパイがタワーにコンタクトする時、“ Ready ” と言っておりましたが、これは言う必要がない、いや言ってはいけないのです。パイロットと管制官が最も理解しておくべき管制方式基準には、このように記載されています。

【離着陸許可発出時期】
離陸許可は出発機が使用滑走路の離陸滑走開始点に近づいたのち(レシプロ機に対しては離陸準備完了の通報を受けたのち)当該機に対して発出するものとする。

エンジンのウォーミング・アップを必要としないタービン機は、タワーにコンタクトした時点で出発準備は完了していると見なされますので、出発準備が出来ていない時(主として客室の安全確認)には逆に、“ Not Ready ” と言うべきなのです。このことは以前の記事、『悪貨は良貨を駆逐する』 で詳しく述べております。

那覇 Rwy18、福岡 Rwy16、千歳 Rwy19など、スポットから近い滑走路では客室の準備が間に合わないことが多かったですね。

それにしても、堀北訓練生が2回目に体験搭乗した時の女性コーパイのアシストぶりは凄かったですね!どちらがキャプテンか分からないくらいでしたもの。
シミュレータ訓練やシックスマンス・チェックでは、オーバー・アシストとして減点の対象になります。
私も在来型747のコーパイ時代、フライトが終わってコックピットを出ようとした時、外国人FEに 「お前がキャプテン」 と言われたことがありました。

初めてコックピットに座って実際のフライトを体験しますと、新鮮な驚きがあるようで、私が現役の時に体験搭乗してきた訓練生も、「感動しました」 とのメールを後で送ってくれました。
キャプテンとコーパイの丁々発止のやりとりを見て自信をなくしてしまった堀北訓練生、私なら言ってやります。「君をパイロット訓練生とした採用したために、不合格となった受験者のためにも頑張って続ける必要があるのではないか」 とね。
ドラマでもそう言うのかと思ってましたよ。

高所恐怖症との話も出てきましたが、パイロットの適性とは関係ないようです。と言いますのも、
私も高いところは苦手なのですが、例えば高いビルの上から見る景色とコックピットからの眺めは全く違っているのです。このことは客席からでも実感できると思います。

福岡空港 Rwy34へのサークリング。

blogfukuokarwy344.jpg

blogfukuokarwy345.jpg

blogfukuokarwy346.jpg

blogfukuokarwy347.jpgこれらの写真はルート訓練の参考資料として、安全を確認した上で撮影されたものです。
-400が就航している空港でサークリングの可能性があるのは福岡空港だけでした。

それにしてもミス・パイロットの番組のスタッフは室内にしろ屋外にしろ、絶好の撮影場所を探し出してくるのには感心してしまいす。彼らも素人ではないと言うことでしょう。


日本人を限りなく貶めてしまった 河野談話。その根拠となった韓国人慰安婦への聞き取り調査が如何に杜撰であったかを示す資料が、産経新聞の調査によって明らかになりましたが、誤報の張本人である朝日新聞は未だにほっかむりしたままで誤報を訂正していません。
「中国が尖閣諸島を奪いに来るなど考えにくい」 などと、能天気な戯れ言を述べていた朝日新聞元主筆の若宮某さえも、「朝日新聞も慰安婦問題を熱心に報じた時期もあった。中には力ずくの 『慰安婦狩り』 を実際に行ったと言う日本の元軍人の話を信じて、確認の取れぬまま記事にするような勇み足もあった」 と、個人的な良心の呵責ともとれる弁を述べているのも関わらず、新聞社は未だに訂正も謝罪もしていないのです。
「筆が滑った」 ですむ話ではない!朝日の勇み足で、我々日本人は言われなき屈辱を受け続けているのだから。
やはりここは河野洋平本人に談話を否定させるしかない。「河野が可哀想だ」 との声も出るだろうが、個人の面子よりも日本人の名誉の方が大事でしょうよ。

nice!(9)  コメント(12)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 9

コメント 12

二つ星

さすが、参考資料ですね。白白赤赤
この状態でバンクを戻すと滑走路正対になるのですか?
よくわかりませんが、審査中等でミスってもリカバリーできる機長たちはすごいの一言です。
by 二つ星 (2013-11-08 16:51) 

SpeedBird

第二の?地元福岡空港もコックピットからこんなふうに見えるのですね、羽田→福岡便では富士山とこのサークリングを期待していつも左側席です。
by SpeedBird (2013-11-08 21:20) 

カイホ

この放送回で美人の寮母さんが梅ちゃんに語ります。
「パイロットになりたくてもなれない人は沢山いるのよ。あなたは
努力すればなれるところにいる・・・。」

自分もそうでした。昔昔、ANAの関谷機長の講和を聞いて、航大を目指しました。が、受験勉強の1年間で視力が2.0から0.3まで落ち断念しました。

過日、10年乗ってるマイカーでFワイパー(レバーを上下で操作)と
Rワイパー(ツマミを回す)を間違えて操作してしまいました。

自分はパイロットになれなくて正解でした。

コクピットドアスイッチとラダーコントロールスイッチの勘違い事故を
思い出しました。
by カイホ (2013-11-08 21:30) 

カイホ

 
「講話」でした。
 
by カイホ (2013-11-09 07:14) 

FD

そうですね。ここから徐々にバンクを戻していけば、滑走路の延長線上に
乗ることが出来るでしょう。


サークリング期待ですか。
私はどちらかと言いますと16ILSの方が好きでした。こちらの方が降下プラニング
の妙がありましたので。
ただ近年はトラフィックが混み合うことが多くて遠回りさせられることが多く、
面白みがなくなりましたが。


さすが寮母さんは良いことを言いますね。ただ若すぎる寮母さん、リアリティ
がなさ過ぎます。おばさん寮母で良かったのでは。
それとも、斉藤キャプテンとのロマンスでも考えているのでしょうか?
パイロットを目指すには、ある程度の勉強が必要。ただ、それが過ぎますと目が
悪くなる。難しいところですね。
私はあまり勉強しませんでしたが、遠くの景色や青空を見るようにして目には
気を遣っていました。
レバーの操作間違い、誰にでもあることです。
ウインカーを出そうとして、ワイパーを動かしてしまったり (笑)

by FD (2013-11-10 09:59) 

カイホ

FDキャプテンでも操作間違いがあるのですか?意外です。

このドラマ、色々展開を準備しているようで
返却する帽子には

「訓練センター 手塚 晴」とありましたが

再度貸与時には

「訓練センター てづか はる」とひらがなで書かれていました。
伏線があるような、ないような・・・。

蒲田の居酒屋「ひばり」は石川県の料理が自慢のようで、
「このわた」のお品書きがありましたね。制作者の誰かが
能登出身なのでしょう。
by カイホ (2013-11-10 21:28) 

FD

人間は誰でも間違いを起こします。そのためコックピットのスイッチ・レバー類
は形状がそれぞれ異なっています。例えば、
フラップ・レバーの先端はフラップの形に、ギア・レバーの先端は車輪の形
に、と言う具合に。

帽子の名札がひらがなになったのには気が付きましたが、斉藤キャプテンが
漢字を知らないのかと思ってしまいました (笑)

京浜蒲田の駅の近くに気に入った居酒屋があったのですが、再開発後は
どうなりますか?

by FD (2013-11-13 16:57) 

通りすがり

私も同じことを思いました。Upper EICASにメッセージがずらり。
駐機中の機体で撮影したと思えるメッセージですね。
オーバヘッドもFuel ・HYDとOFF&PRESS状態でした。
ELECはAPUからのELECでしたし。FFSは使わせてもらえなかったのでしょうか。これも無粋な突っ込みですが。。。

管制で言えば
COP「Due to CB Request HDG 120」 も気になりました。
相手も自分のコールサインも言わずとは少しばかり...。

仰る通り、CRM的にあの女性Pはどうかと思います。
ですが、COPがCAPに強く意見することが必要な場面も多くあると思いますし、難しいところだと思います。個人的には臆せず意見するCOPは貴重だと私は考えています。
by 通りすがり (2013-11-15 22:09) 

通りすがり

訂正します
>個人的には臆せず意見するCOPは貴重だと私は考えています。
貴重というのは変ですね...臆せず意見するCOPは大切にするべきだです。

割合日本は忌憚なく意見できている気がします。といっても見てきた以外のものを知らないので一方的な意見にはなりますが...。コメ欄汚し失礼いたしました。
by 通りすがり (2013-11-15 23:37) 

FD

躊躇のないアドバイスは重要ですね。
それがないと、アシアナ航空になってしまいます。

ただ、あの女性コーパイ、アドバイスを通り越してフライトを仕切っていました。
あれでは、TAGの勾配が逆になってしまいますが、一番悪いのは岩城CAP。
もう一度適性検査を受けた方がよさそう (笑)

by FD (2013-11-16 15:09) 

アドマンSFC

FDさん

御無沙汰しております。
最近は、大好きなサークリングやVisualが無くなり寂しいです。
ITMの14Rはめったにないですし、KIXの24Lも最近はILSばかりだし、HNDの16Lは無くなったし…。FUKは中々行く機会が少ないし…。
UKBがたまにサークリングしてますが、これもなかなか乗る気が行かなくて…。
ミスパイロット…番組とFDさんの解説を毎回楽しみにしております。
Cockpitシーンがリアルですよね。本物のSIMで撮影でしょうか?でもメーター類が一切動いてない(笑)

by アドマンSFC (2013-11-16 21:46) 

FD

お久しぶりです。
サークリングが少なくなって、ILSが多い。日本も米国に近づいたと言う事かも
しれません。安全上も好ましいでしょう。

by FD (2013-11-18 15:26) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0