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舞いあがれ (第9週) [テレビ番組]

いよいよ帯広空港でのフライト訓練が始まりました。
私にもこんな時期があったのだと、約50年前のことを懐かしく思い出しております。
③ 舞ちゃんがモックアップに座って飛行前の Procedure の練習を始めましたが、
・Parking Brake ・・・SET の後にいきなり
・Power Lever ・・・FULL FORWARD になったのには驚きました。Prop Lever なら
分かるのですが。
どうやら途中の操作は省略して、既に離陸開始まで進んでいたようですが。
ただ、こんな初等練習機に可変ピッチプロペラなど装備されていないだろうと思っていたら
どっこい、訓練で使用している「シーラス SR22」の凄いこと!可変ピッチはもちろん、完全なグラス・コックピットになっていて、機体にはパラシュートも装備されており、実際に数回使用された実績があるとのこと。ソロ・フライトでも安心だろうが、310馬力もあるそうなので、
操縦が難しそう [ふらふら]
と言うことで、今週あるいは来週辺りの山場が初ソロ・フライトになるでしょう。
ひょっとして柏木学生、伸び悩んで舞ちゃんのアドバイスを受けたりして。そんな落ちがあったら面白いかも。
変人だという山下教官の口から「アナライズ」と言う言葉を久しぶりに聞きました。
我が社ではフライトを安全に遂行するための思考方法として RADAR システムが奨励されていたのです。
Recognize-Analyze-Decision-Action-Review / 認識-分析-決定-実行-再考 を常に繰り返してフライトを行うべし、と言う訳なのですが、当時 Recognize を「レコギナイズ」と発音していたのですが、私の好きな P・F・スローン の From a Distance (邦題孤独の世界) では「レキナイズ」と歌っていたのです。念のため電子辞書で確認してみても、確かに「レキナイズ」と聞こえたのでした。

50年前も訓練時間が10時間を超えてくると仲間内でもソロの話題が出始めて皆でソワソワ。そんな日のある朝、空は快晴で絶好の初ソロ日より。誰が一番になるか、自分か?
教官同乗での訓練フライトを終えて空港のエプロンに入って来ると、入れ違いにソロに出ていく機体がありました、残念。
飛行機を止めると教官がしばらく考えた後「よし!ソロに行ってこい、タッチ&ゴーが2回で
3回目フルストップ」嬉しくもあり不安でもあり、複雑な心境。
一番心配だったのが、滑走路に正対して離陸許可を貰った時、自分にエンジンをフル・パワーにして離陸滑走を始める勇気があるだろうか?でした。
しかし、いつものように手順をこなし、管制官と交信していますと、横に教官が居ないことなど忘れてしまって、難なく自分の力だけで飛行機を飛ばすことが出来たのでした。その時点の飛行時間は確か12,3時間だったような記憶がありますが、残念ながら一番乗りではなく2番手でした。
2.jpgその時の機体はファミリーカーにも及ばないたった 100馬力のセスナC150 でした。
初めての訓練飛行。タクシー中に操縦桿を持っていますと、曲がる時には車のクセで操縦桿を回してしまうのです。
ステアリングはラダー・ペダル。
教官に言われました「左手は膝の上に置いとけ」と。

④ 舞ちゃんの操縦を後席で見ていた学生が吐き気をもよおしていたようですが、この程度で
aaゲロを吐きそうになったのでは先が思いやられます。
aaこの先、Steep Turn・Stall・Spin・Touch & Go などの訓練が目白押しだというのに。
離陸後、大河内教官が「センターずれてる、足使え」と言ってましたが、上空ではラダーを
踏んでも機体が横を向くだけで、コースの修正は出来ないんだけどね。
飛行機は旋回すると頭が下がるので、教官も「Pitch Up」と言ってましたが、舞ちゃん、
適性検査を受けてきたのであれば、それくらい理解していたのではないの?
それにしても、Pitch Up の操作が荒すぎますよ大河内教官。操縦の上手さを表す言葉として「操舵が柔らかい」があるんだけどね。
ところで大河内教官、自衛隊を退職した後、何故エアラインに行かなかったのだろう?おいおい明らかになるとは思いますが。

⑤ やはりエンジン・スタート前に Power Lever ・・・FULL FORWARD と言ってましたね。
aaあの機体はスタート前に一度 FULL FORWARD にして IDLE に戻す手順なのか?
aaそれに Strobe Lights を ON にしてましたが、普通は滑走路に進入する直前に ON にするの
aaだけれど。航大の手順がそうなっているのか、はたまた脚本の間違いか?
離陸時の Rotation 速度が 73kt で Threshold 通過速度が 96kt とは矛盾してないか?
教官から「何が Roger だ」と叱られていましたが、トラフィック情報だけならそれでいいのですが、
“ Maintin at or Below 2,000ft ” との管制指示が含まれていましたので、復唱すべきなのです。但し、Roger は含まずに。
舞ちゃん教官から「一つ一つの操作が遅い」と指摘されていましたが、操縦が柔らかいのかもしれないので、大化けするかもよ。
「自分を過信するパイロットが一番事故を起こしやすい」と指摘されていた柏木君、何か大失敗をやらかしそうな予感も。

⑥ Lost Position がトラウマとなって自分が飛んでいる方向さえ見失ってしまった柏木学生。
aa柏木君の失敗を色々と考えた末の脚本なのでしょうが、あれではまるで方向音痴。
aa設定に無理があります。過信どころではないパイロット失格でしょうね。
その柏木君を立ち直らせる為に舞ちゃん達が考えて行ったであろう体育館での模擬飛行。
全く意味不明で、何の役にも立たないと思いますよ。地図を眺めて川や鉄道、大きな道路などの位置関係を頭に叩き込んでおく方が遙かに有効でしょうね。
実は50年前、似たようなことをやっていましたが、この方法は有意義でした。
グラウンドに大きなトラフィック・パターンを描いて、訓練生はトランシーバーを持って歩き回り “ On Left Down Wind 、Request T&G ” と送信しますと、教官がトランシーバーで
“ Right 360 on Down Wind / Extend Down Wind / Right 270 Befor Base ” などと指示しますので、Read Back しながら指示通りに歩くのです。楽しい思いでとなっています。
来週はどうやら初ソロや中間審査を突破できなくて去って行く訓練生が居るような「つづく」でしたが、脱落するのは誰なのか、それとも全員で突破できるのか? 最初の山場でしょう。


話しは変わって日韓関係。

1.jpg韓国では尹 錫悦大統領が率いる保守政権となって関係が改善されるとの期待が日本政界の中で高まっているようだが、国民感情に押されて、いつまた先祖返りするか分からんよ。
現に韓国国防部の副報道官が「レーダー照射などなかった」とうそぶいているそうな。さすがは息をするように嘘をつく韓国人。だがね、日本も悪い。レーダー照射後の両国防衛相の会談で日本の岩屋防衛大臣が満面の笑みを浮かべて握手をしているではないか [パンチ]
これを見た自衛隊員の落胆はいかばかりか?

韓国がらみで面白い記事が、曰く
ガーナに敗れて涙を見せる大黒柱ソン・フンミンに対し、なんと自撮りを要求したのだ。『スポーツ東亜』が「勝者の品格があるようには見えない。あまりにも非礼な行動」と糾弾するなど、韓国メディアは一斉にこの行動を非難している。
との事だが、野球の試合で日本に勝利し、マウンドに自国国旗を突き立てたのは、何処のどなただったかしら?



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皮算用

今日のドラマ,キャプテン席の舞ちゃんと,後席の柏木君が飛行中に入れ替わると言うシーンがありました。
セスナは,観光用の機体に一度オーストラリアで乗っただけなので記憶が曖昧ですが,飛行中に席を入れ替わるような広さでしたっけ!?
どうにも,ここが気になりました。
by 皮算用 (2022-11-29 16:48) 

FD

お久しぶりです。
確かに狭いのですが、人間の身体は柔らかいので入れ替わることは可能です。

by FD (2022-11-29 22:20) 

oldfogy

A社定年→リージョナル航空→リージョナル航空と同じオーナーの使用事業会社で某大学のパイロット課程学生の事業用と計器教官の経験から。

セスナ機やSR機のような4人乗り小型機での操縦交代は学生2人なら容易です。
・前(左)席学生が教官に「ユーハブコントロール」で操縦を教官に渡します
・後席学生は通常前席学生がよく見えるように教官の後(右)席に座っています。前(左)席学生が椅子を最後方に下げ
・前席学生が後席右席に移動し
・後席学生が前席に着席
・後席に移動した学生が飛行に必要なチャート等を前席学生に渡し
・前席学生が「アイハブコントロール」で交代終了
という手順です。学生3人なら交代はかなりキツイですね。特に男性・女性混合なら尚更です。身体に接触しない訳にはいきません。おかしな言い方ですが、いつどんな状況でセクハラ告発があるかは計り知れません。小型機はお互い肩が振れる位の狭さなので私は女子学生訓練時は可能な限り右端(教官は右席)に座っていました。
エンジン故障を模した不時着訓練では操縦している学生の持っているスロットルを上からオーバーライドしてアイドルに絞ります、、女子学生の場合は学生の腕の下から上に払うようにして(学生はスロットから手を離すので)スロットルをアイドルにしていました。

航大が教官1人に学生3人で訓練しているのでしょうが自衛隊や大手エアラインは学生は2人です。3人だと1日のうちに3人の訓練をコンプリート出来ません。特に航法訓練時2人なら出発地から目的地に着陸し、次の学生が出発地に帰れば訓練は終わりますが3人なら日本のように縦長の国だとAからBに行き、ついでCに降りてAに帰るのは至難の技です。
教官1人に学生3人なら1人はオブザーブ(見学)ではないでしょうか。

訓練の細かい時間割は
・学生は訓練開始前約2時間前に準備(最新の気象状況と予報・航空情報・使用する機体の整備状況と重量配分・訓練空域の確認または航法訓練で使用する空港の状況等の確認)を開始します。準備が終われば、
・飛行前ブリーフィング(1-1.5時間)
・1人目学生が飛行機まで行き飛行前点検を行い着座(約30分かかります)
・訓練開始(1-1.5時感。訓練内容により変化、航法は1.5時感)
・着陸後簡単な昼食(サンドイッチかお握り程度なら)をとり2人目の学生の訓練開始
・訓練終了後のディブリーフィング(これは訓練当初は時間が掛かります通常は最低でも0.5-1時間/1人)

つまり、学生は朝の8時頃から夕方5-6時まで殆ど休みはありません。勿論教官も。3人訓練/1日は無理と言えます。
by oldfogy (2022-12-02 19:29) 

FD

oldfogy さん、
訓練の細かい状況を教えて頂いてありがとうございます。
そうですか、女性の訓練生が現れますと、色々と気を使うのですね。
私が自社養成の適性検査を担当していた時、女性の応募者が居たことと
メガネを掛けた応募者がいたことに驚きました。
最初の女性受験者、京大卒の落ち着いた女性でしたが、今でも日本初の
女性パイロットにふさわしい人材だと思っているのですが、
私ひとりではどうにもなりませんし、最後にちょっとしたミスも
ありました。会社も未だ女性を採用する気がなかったとの感触を感じて
いました。

エンジン故障を模した不時着訓練では操縦している学生の持っているスロットルを上からオーバーライドしてアイドルに絞ります。
事業用の審査でした。
スパイラル・ディセントを終えて「今度は反対方向の旋回を行います」
と言ったところ、普通は片方だけでOKとなるはずなのに、何も言わずに
私が機体を再び上昇させるのを黙って見て居るではありませんか、
そこで悟りました。私が持っているスロットルから手を離せば、
不時着の審査が始まると。そこで、周りを見渡して不時着場所を決めて、
おもむろにスロットルから手を離しますと、来ました!突然の
スロットル・アイドルが。
ちょっと生意気な言い草ですが、完全に試験官を手玉に取った瞬間だったと。

by FD (2022-12-02 22:38) 

oldfogy

私達の時代の局による実地試験時試験官は右席に着座しましたが、何だか忘れましたが(実地試験時ギアの出し忘れでの胴着だったかな?)ある事故を契機に変わり私が小型機教官をしていた時は試験官は後席、教官が右席で実施されるようになっていました。その方が理にかなっています。

少し前のスレッドでSR22に触れられていましたが、近年、小型機のベストセラーはセスナからシーラスに変わっています。シーラスは(多分)エンジン故障時に備え世界で唯一のパラシュートを機体に装備している飛行機の為安全性が非常に高いと思います。国内でも確か鹿児島でパラシュートで降下した事例があったと思います。加えて、米空軍士官学校の訓練機に採用されたのも後押ししたのでしょう。
シーラスの日本の輸入代理店はJXXXという会社でシーラスを使って操縦訓練も行っています。その会社から教官としてお誘いを受けシーラスに一度乗った事があります。その会社は「ほXXXX」が共同で持っている(代表者はドローン会社の社長さんですが)ホンダジェットの運航も委託されて行っています。お誘いは結局お断りしました。
シーラスの小型ジェット(Vision?)はどんなシステムかは知りませんがパイロットは1人なのでパイロットに異変があった時に最寄りの空港に緊急着陸できる自動着陸システムがあります。勿論、フラップやギアも自動で降ろします。乗客がSWを1つ押すだけで、画面に交信要領も出て管制官との通話が可能です。

ホンダもやはり1人操縦の飛行機ですが、飛行はAPでFMS操作はホイールのSWで行います。小型機、特にジェットはある面旅客機より進んでいます。787にはついているEnhanced vision system(滑走路が見えなくてもPFDに仮想の滑走路を描く)も大概のハイテク小型機にはついています。
某大学訓練に使用したセスナ172S型も完璧なハイテク機です。172Sのシステムは1000でホンダ等のジェットは3000です、、メーカーの名前はど忘れしました。GPSで有名な会社です。
by oldfogy (2022-12-03 15:39) 

oldfogy

突然思い出しました。ガーミンです。ホンダジェットはガーミン3000のアビオニクスシステムを搭載しています。

シーラス22やセスナ172Sはガーミン1000ですね。これらのシステムがどれほど素晴らしいかの例として前コメントのエンハンスド・ビジョン・システムや1000クラスでもEGPSではありませんがTAWSというタレイン・アウェアネス・ウォーニング・システムがあります。
能力的には1クラス落ちるかも知れませんが最新のハイテク小型機はある意味-400と同等か又は超えるシステムになっています。ただ、操作がとても複雑です。勿論、これらのシステムはRNAVやLPV進入も可能です。

話変わって、
初級課程に入る前の手順の訓練にグランドに場周経路を模した四角が書いてありました。学生は自転車に乗ってその線の上を走るのですが普通に漕げば飛行機がトラフィック・パターンを回るのと同じ時間です。学生はチャリ漕ぎながらT&Gに必要なプロセジャーを喋り続けます。

今でも離陸前チェックのシグフト(コントロールフリー・ガス(燃料コックボス)ボス・フラップセット・トリムニュートラル)手順や着陸後チェックのBFT(ブフト=ブースターポンプオフ・フラップアップ・トリムニュートラル)の手順はスムーズに出てきます。

ガシャガシャ・ポンポン・シュッシュッ・パーも。ガシャガシャは燃料タンクの切り替え、ポンポン=ギアレバーとフラップレバーを上に持ち上げる操作、シュッシュッ=プロップとスロットルレバーを"シュッシュッ"と最前方へ、パー=初級練習機のT34メンターはタンデムで=自分のコクピットウインドウをパーと(後方に)開ける
フォースド・ランディングの手順で、まさに三つ子の魂100までですね(笑)隊舎はズラーっと2段ベッドが並んで居ましたが寝言にプロセジャーを言う奴はいましたね。

ついでに、T34の操縦は初めて操縦を習う学生には桁違いに難しいそうです。当時は米空軍でも初級練習機として使用していてT34な操縦桿のフィーリングはほぼ戦闘機と同じにしてあったそうです。私達にはそんな事は分かりませんが。
by oldfogy (2022-12-03 17:53) 

FD

私も少しずつ昔を思い出していますが、事業用のチェッカーは CAB の
試験官ではなく、資格を持った訓練所の教官でした。
ここまで書いて疑問に思ったのですが、「官」と呼ぶのは公務員だけ、
ではなぜ教官と呼ぶのでしょう、正しくは教員?
私も適性検査官ではなく、適性検査員でしたので。
SR22 はサイド・スティックですので、将来エアバスに乗務するので
あればうってつけの機材なのでしょうが、ボーイングならちょっと
苦労するなと思ったのですが、次の段階である多発限定・計器証明の
訓練で使用するビーチクラフト G58 バロンは普通の操縦桿なので
つじつまが合うようですね。
今はセスナの時代ではなく、シーラスですか。
それにしても驚きました、G58 バロンもセスナ 172S も完全な
グラスコックピットになっているとは!旅客機よりも遙かに進歩している
ようですね。
何だかホンダ・ジェット辺りに乗りたくなってきました。

by FD (2022-12-04 20:28) 

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上のコメントの用語の修正です。EGPSは、勿論、EGPWSの誤りです。御免なさい。

話は舞チャンから飛びますがお付き合い下さい。

私が大学生の教官時代、当初は事業用課程訓練のみでした。学生はアメリカでFAAの事業用操縦士(CPL)と計器証明を取得して帰国しますがそれらの書き換えです。何しろお相手は厳しさでは世界に冠たるJCABですから一筋縄では行きません。学生は例えば日本の航空法は「知ってはいる」程度だし気象に関しては基本的にはピーカンのアメリカの訓練所での飛行しか経験がなく、日本の春の嵐・梅雨・夏のCb・冬の雪と卓越する西風等は「聞いたことはあります」程度。何か質問するとAIM-Jでは・・・と答えるのでAIM-Jの使用は訓練では禁止にし、原本をチェックさせるようにしました。耐空性審査要領を(表紙以外-笑)見たことが無い学生は普通でした。大学側はそれらは全て「大学の授業で済んでいる」との建前なので当社と大学の契約は事業用操縦士訓練飛行20時間(と、それに関する必要な補修事業、最初は計器課程は未開設)でした。学生には休みの日に会社(調布)で長時間の補修事業とディブリーフィングでの補修を「無料」で行っていました。

FDさんがシーラスで驚かれていたようなので現在の世界の軽飛行機の状況を紹介したいと思います。

大学訓練開始時、計器課程は未開設でしたが現状の使用事業は航空測量・写真撮影・訓練飛行位で私がいた「I」社は定期運送のAOCを持っていましたが今頃セスナ機で遊覧飛行をするような方はいません。使用事業の各分野にドローンが入り込み使用事業はお先に真っ暗で訓練飛行に頼るしかありません。私がI社に呼ばれたのは訓練課程充実のためでした。苦労に苦労を重ねて会社内に訓練専門部署としてIFTAC(社名のIから始まりフライト・トレーニング・アカデミー・センター)を設立しました。何処かで聞いた名前に極めて似ていますがパクリです。Cを無理やり付けました。

事業用操縦士課程は既保有機の単発のセスナ172Sですが計器訓練機の選定には本当に苦労しました。最適な機体はバロンですが当社の事業規模と比較し高価すぎやっと探し当てたのがダイヤモンド社のDA42(ガーミン1000で172Sと共通なのでとっつき易い)です。下記はダイアモンド社のホームページの切り取りです。
「ダイアモンドエアクラフト社は、オーストリアを拠点とする軽飛行機メーカーです。1981年に航空機設計士のウルフ・ホフマン氏により創業されました。軽飛行機は、飛行訓練に使われるだけでなく、測量や空中撮影、レジャー用など幅広い用途で使用されています。こうした年間3兆円規模の産業と言われるいわゆる「ジェネラル・アビエーション」をターゲットとした航空機メーカーとして、シーラス社、セスナとビーチを擁するテクストロン社に次いで世界第3位の規模で、累計5000機以上のダイアモンド社の航空機が世界中で飛行していると言われています。」

日本では何か事故が起きるとマスゴミ、失礼、マスコミは「セスナ機がXXXX」と書きますが現状なら「シーラス機が云々」と書けよ!と言いたい。

計器訓練に使用するDA42は少し変わった飛行機でエンジンはベンツ用のディーゼルエンジンで使用燃料はナント!JET A-1なのです。プロペラは木製。アンチアイスは無くディアイスのみ。しかもそのディアイスは翼の前縁部全面に開けられている小さな穴とプロペラの付け根からアルコール(極めて高価)を噴射するものです。AFMのアイシング手順の最後は「Leave icing area」です。全くないよりはマシ程度。冬場の日本での訓練は相当に制限を受けます。実際雲中飛行で気温が10度以下になると学生は放ったらかしで翼前縁ばかり見ていました。
しかし、最大の利点は使用燃料がJET A1という点です。レシプロエンジン機は極めて少なくなりAVGASを補給できる空港はきわめて限られている(燃料屋さんがビジネスになりません)ので大助かりで、選んだ理由でもありました。但し、エンジン出力は170HPで極めて非力。
1エンジンアウトでは水平飛行もおぼつきません。即、落ちない程度。1エンジンアウト時の700ft AGL以下でのゴーアラウンドは禁止でした。学生には、離陸・上昇中・水平飛行・進入時の1エンジンアウトの処置を徹底しておきました。言い換えれば飛行を通じてVMCが維持出来ないと100%の安全は保てません。

長くなったのでこの程度でお仕舞いにします。
by お名前(必須) (2022-12-06 10:50) 

FD

AIM-J は言ってみれば虎の巻。むかしの試験問題でも答えだけを求めて
内容を理解しないまま利用していました、今になってみれば大いに反省しています。
AIM-J は航空局監修となってはいますが、所詮は編修の場に居た人達の
見解をまとめただけの物だと思っています。
私も常々言っておりました。原典はあくまでも航空法であると。

これからはドローン全盛の時代になりそうですね、ウクライナの戦争でも。
よくテレビ番組で紅葉などの絶景を放映していますが、昔ならヘリコプターを
飛ばさなければ撮影できなかったのに、今はドローンで済ますことが出来る。
テレビ局も安上がりで助かっていると考えていたのですが、視点を変えれば
ヘリコプターを運用していた使用事業が大打撃を受けていることが理解できました。
洪水などで孤立した人達を救助するにはヘリコプターは欠かせません。
こればかりはドローンに置きかえることは出来ませんので、ヘリコプターの
衰退は今後どんな影響を与えることになるのか?気になるところです。

by FD (2022-12-08 22:47) 

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