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羽田空港 新着陸ルートの考察 [航空関係]

考察などと偉そうですが、これまでに分かった範囲のことを航空評論家を気取って解説したいと思います。
まず、Rwy16/LR への RNAV 進入の降下角が 3.45度と通常の 3度よりも急角度となっているため「羽田は世界一危険な空港となるであろう」との指摘。本当にそれほど危険なのか?
例として、B777-200/300 クラスの飛行機が着陸する場合を考えてみます。
国際線の飛行機でも到着時には多量の燃料を消費しており、着陸時の機体重量は国内線とそれほど変わりはあません。
仮に Vref 145kt+5kt 、150kt で進入するとしますと、降下角 3度では 796ft/min、
3.45度では 915ft/min の降下率になります。無風や背風で 16/LR に着陸することはないでしょうから実際の進入速度(GS)はもっと低速となりますので降下率も低減することになります。
航空会社の規程では、対地 1,000ft 以下での最大降下率を 1,000ft/min 以内としていますので、規程内にも収まり、それ程の危険があるとは考えられません。
米国サンディエゴのリンドバーグ国際空港の Rwy27 の降下角は 3.55度でして、羽田での検証フライトを拒否したデルタ航空も A320 ですが就航しています。

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しかも、Baro-VNAV ではなくて、降下率の制御が難しいローカライザー・アプローチなのです。そして、世界で10番目に危険な空港だそうなので、羽田は残念ながらトップ10入りすることは叶いませんでした。
一部の評論家先生方が危険だと盛んに指摘されていますが、何も羽田が最初だった訳ではありません。函館の VOR アプローチは、CDFA(Continuous Descent Final Approach)方式で進入しますと、その角度は 3.5度と、僅かではありますが羽田よりも角度が深かったのです。

1.gifなぜ今までその危険性を指摘されて来なかったのでしょう?ローカル空港で便数も少ないので問題ないと考えられた。それとも私と同様に知らなかった?

RNAV の降下角度を深くした事による騒音低減効果は、通過高度が高くなることよりも、降下角が深くなったことにより、同じ速度(150kt)を保つために必要なエンジン・パワーも少なくて済みますので、騒音が低減する事です。通過高度は滑走路に近づくにつれ降下角による高度差がなくなっていきますが、エンジン・パワーは最後まで少ないままです。

これを書いておきませんと片手落ちになってしまいますので追記しますと、RNAV と VNAV を組み合わせた Baro-VNAV アプローチはこれからの非精密進入の主流になると考えるのですが、気温による制限を受けてしまうのです。
RNAV 16/LR では気温が-10 ℃未満では行うことが出来ません。理由は気温が低い場合は高度計に表示される高度よりも実際の高度が低くなってしまい、地上との間隔が減少してしまうからなのです。
と言うことは、逆に気温が高い場合は、16L を例に取りますと、進入開始高度 3,400ft が実際は高度計に表示される高度よりも高くなってしまい、進入角度がより深くなってしまうのです。この辺りは検討課題かも、高温の場合は ILS に切り変えるとか。

2.gifRNAV の場合、降下開始点である LAUDA ポイントの位置は固定されていますので高温では降下角が深くなり、低温では浅くなって障害物との間隔が狭まってしまいます。
一方の ILS では 3度の GP降下角は変化しませんので、降下開始点(GPとの会合点)が高温時は滑走路から遠くなり、低温時には近くなるだけです。
また付け加えますと、ILS ではマニュアルでの進入も可能ですが、Baro-VNAV では禁止されており、オート・パイロットを使って進入する必要があります。
ただし、ILS とは違ってオート・ランドを行うことは出来ませんので、最後はマニュアルで着陸する事になります。

そして私が降下角よりも問題だと考えるのは 16/LR の滑走路末端が滑走路内側に移設されて短縮運用されることなのです。特に 16R は480m 移設され、元々 3,000m だった滑走路が 2,520m に短縮されているのです。16L は 390m 移設されて 3,360m から 2,970m に。
それに伴って、ILS GP アンテナと PAPI も移設されています。
移設されたのは都心上空での通過高度を少しでも高くするためでしょうが、480m の移設では ILS の場合、降下中の高度が 25m 高くなるだけで、それ程の騒音低減効果があるとは思えません。それでもあえて行ったのは、色々と批判がある中、可能な対策をしているとの姿勢を見せたかったのでしょう。
いつも最後はパイロットに負担を押し付けて一件落着させるのです。


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降下角が 3.45度になった事による着陸の難易度ですが、引き起こし操作のタイミングが少し難しくなるでしょう。誰でもハード・ランディングはしたくないと考えますので、逆にフローティングしないように気を付けないと。「ほらっ、やっぱり危険じゃないか!」と仰いますか?
確かに少し難しくはなりますが、口角泡飛ばして危険と騒ぐほどのことはないかと。
航空評論家は報道機関からコメントを求められた時「全く問題ありません」と答えてしまったなら、お呼びが掛からないでしょうし「大いに問題あり」と答えれば「ぜひ番組に出て頂いて、問題点を指摘して下さい」となります。


新型コロナ・ウィルスの感染拡大が収まりませんが、まず気を付けるべきは自身が感染して他人に拡げないことでしょうか。
そして驚いたことは、医薬品の研究・開発分野で独走しているのは米国ではあるものの、医薬品製造業の殆どを担っているのは中国だという事実なのです。中国の医薬品市場は間もなく年間
20兆円に達するとも言う。
その自信からか「中国は医薬品の輸出規制をすることも可能だ。その場合、米国はコロナ・ウィルスの大海に沈むであろう」と恫喝する有り様。ウィルス騒ぎが収まったあかつきには、中国は世界の嫌われ者になることを覚悟しておくことだな。
中国のねつ造・隠蔽体質が明らかになった今。南京事件の死者は針小棒大。武漢ウィルスの死者は棒大針少(大高未貴 女史)を世界に発信して、南京事件の汚名を晴らすチャンスですよ [パンチ]
安倍首相、こんな時、あんまり中国に寄っ掛からないで下さいな。

東京オリンピックの開催が1年延期となりましたが、米国の新聞 USA TODAY (米国では珍しい全国紙)が「この時期に開催日程を決めるのは非常識」などとイチャモンを付けていましたが、ウィルスが米国に飛び火してお尻に火が付いた為の八つ当たりか?アホな米国のマス・メディア、言わしておけ。
そこで登場してくるのが、おなじみ浅卑新聞。遂に脳死状態に陥ったらしく IOC が「4週間以内に結論を出す」と表明した時には社説で「宙ぶらりんの状態は短くしなければならない」と注文を付けておきながら、2日後に一年延期の結論が出ると、今度は「詳しい説明がないままの延期表明となった」と拙速を厳しく批判していた。
更に、編集委員(女性)ともあろう者が、新型コロナ・ウィルスについて Twitter で「あっという間に世界中を席巻し、戦争でもないのに超大国の大統領が恐れおののく。ある意味で痛快な存在かもしれない」と書き込み、批判を浴びると謝罪どころか Twitter をアカウントごと削除して伏魔殿の中へと逃げ込んでしまった。朝日も終わったな。
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