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滑走路占有時間の短縮 [航空関係]

1機の飛行機が滑走路を長く占有してしまいますと、効率のよい管制を行う事ができません。そこで時々、占有時間を少しでも短縮するためのトライアル、調査が行われる事があるのですが、調査を行うのはもっぱら着陸機に対してのみで、離陸機に対して行われたと言う記憶はありません。

離着陸機で非常に混み合ってます羽田空港。北寄りの風の時には Rwy 34L を着陸に、34R を離陸に使用するのが一般的ですが、

離陸機は Outer(O)Twy を通って C1 へ左折し、滑走路の手前で離陸許可を待つ事になりますが(青い線)、滑走路は一般の道路と同じように中央が高くなった、かまぼこ状になっていますので、C1 で一度停止してしまいますと、再び動き出すためには大きなパワーが必要となってきます。しかし大きくパワーアップする事は、後方へのブラストによる影響を高めてしまいますので、パワーアップをためらいがちになる。結果、動き出すのが遅れてしまい、離陸許可が出た時には、まだ機体が滑走路に正対していない。故に離陸許可が出ても速やかに離陸できない。となる場合が多い。

そこで私は、離陸した飛行機への周波数変更の指示、次の離陸機の位置、離陸許可発出のタイミングなどを計りながら、C1 へ向かってゆっくりと向きを変え、“ Line-up and Wait ” の指示を待ちます。機体が動いていますので、指示が出た時、アイドルパワーからわずかにパワーアップするだけで、遅滞なく離陸開始位置につく事ができます。そして離陸許可が出たら速やかに離陸滑走を開始するようにしています。こういった小さな積み重ねが、効率的な管制を行うために必要な事だと考えておりますので。

管制交信もそうですね。リードバックする必要のないような事柄を、長々と送信している飛行機がいます。1機が1回5秒ずつ無駄な送信をしていたら、1日では何時間もの大きな無駄になってしまいますからね。



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