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巡航速度 [航空関係]

ヨーロッパ便を飛んでおりますと、この路線の主力の座がトリプル・セブンに奪われしまった。と言う事実を痛感します。飛んでいる便の七割方はトリプル・セブンで、残りが-400とエアバス。そんな感じでしょうか。
そこで問題になってくるのが、トリプル・セブンと-400の巡航速度の差と言う事になりますね。
シベリア上空で、レーダー管制が行われている場合の管制間隔は30km(16マイル) となっていますので、先行しているトリプル・セブンと-400の間隔が縮まってきますと、管制官も気にしてマック・ナンバーを聞いてくるのですが、トリプル・セブンはマック.83、速くても.84だと答えています。
-400は遅くて.84、速い時は.86は出しますので、間隔が詰まってくるのは当然の事です。

追い越し禁止の片側一車線の道を、ノロノロ走っている車が前にいる?と言う事になりますか。もっとも-400の方が少数派ですので、「お前の方が邪魔なんだよ!」 と言われるかもしれませんが。
なお、マック0.01の違いを速度にしますと、3~4ノット(時速6~7キロ) の違いとなります。

時速千キロで飛んでいる飛行機の最低間隔が30キロという事は、時速百キロの自動車に例えますと、約3キロの車間距離を空けて走っている事になりますね。車と違って飛行機の場合は、急ブレーキと言う事がありませんので、もう少し間隔を詰めても問題ない、と個人的には思うのですが。管制用レーダーの性能にもよるでしょうね。
話は変わって、一般道における車の最高速度。バイパスのように歩行者も少なく安全と思われる道路では、最高速度を時速80キロまで上げる事を可能にするような法改正が検討されているとか。
時代に逆行するって?車の燃費も改善されている事だし、いいんじゃないですか。

巡航速度は、機体重量が重いほど、飛行高度が高くなるほど速くなります。
FL350の高度での巡航速度とピッチ(機首上げ角度)は、
75万ポンド : マック.849 : 3度
65万ポンド : マック.848 : 2.5度
55万ポンド : マック.831 : 2度となります。
機体重量75万ポンドの時、55万ポンドの時の巡航速度と同じマック.831で飛んだとしますと、20万ポンド分の揚力を余計に必要とする訳ですから、同じ揚力を得るためには、かなりの機首上げ姿勢となってしまいますが、この機首上げの状態では空気抵抗が大幅に増えてしまいます。そこで巡航速度を上げて揚力を増やすと共に機体の姿勢を改善し、空気抵抗を減らして燃料効率を上げているのです。
でも、「75万ポンドと65万ポンドでは、巡航速度が殆ど変わらないじゃないか」 と仰いますか?
ごもっともですが、要するに、機首上げ姿勢による抵抗の増加と、速度を増やす事による燃料消費の増加のバランスなのです。ピッチ角3度ぐらいまでなら、それほど空気抵抗は増えないのでしょう。

高々度で巡航速度が速くなるのも空気が薄くなるためで、低高度と同じ揚力を得るためには、同じく機首上げの姿勢となってしまうのです。

前にも書きましたように、日本海上空のロシアが担当するの管制空域では、レーダーによる管制が行われていませんでした。そのため、管制間隔は距離ではなく時間により設定する必要があり、時間にして10分(約150キロ) の管制間隔を取っていたのですが、レーダー管制の空域が拡がり、30キロの管制間隔で飛べるようになった事で、巡航高度の選定幅が拡がりました。出発の遅れも少なくなるのではないでしょうか。


現地ではずっと日本の衛星放送JSTV(NHKの番組が主ですが、民放の番組も放送します) を観ていたのですが、予告された発射予定日時の初日にはロケットは発射されませんでした。
と言う事は、我々が日本に飛んで帰る日に発射される可能性が大きくなりましたよ!
当然 飛行ルートも変更され、日本海から新潟上空を通る通常のルートから、北海道の利尻島、千歳経由のルートを飛ぶ事になりました。
国内線では千歳より北へ行く事はありませんので、けっこう新鮮に感じるルートで、眺めもよかったですね。


ロケットが発射された日本時間11時30分頃には、まだシベリア上空を飛んでいたのですが、何事もなく太平洋へと飛んで行ったとの情報を聞き、一安心しました。

しかし、国連安保理の非難決議に反対している中国と露国には腹が立ちますね。
中国などは、『状況を緊張させるような行動は自制すべきだ』 と言っているらしい。緊張させているのは北朝鮮だろうが!
こんな国に日本は、延べ数兆円もの資金援助を与え続けているんだから、呆れてしまう。
この際 中国を脅してやれ。「これ以上北朝鮮の核開発と弾道ミサイルの開発が続くようなら、『日本も対抗上核武装すべき』 との世論が高まるだろう」 とね。中国が一番恐れるのが、日本の核武装ですから。
そうすれば6カ国協議にも、もう少し身を入れてくれるだろうに。

でもね、そんな事を日本の政府高官が言おうものなら、野党の連中が大騒ぎして罷免を要求し、大臣の首が飛ぶだろうね。野党の連中は、政府与党の足を引っ張る事しか考えていない。まったくおかしな国だよニッポンは。

コメント(4) 
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コメント 4

kingair350

こんばんは、おっしゃるとおりですね。できれば憲法9条を改正し現在の情勢に見合った法律に改正し「自衛隊」から「軍隊」に格上げして攻撃も出来るように法律でも明文化して防衛費をもっとあげて国防に真剣に取り組む必要がありますね。中国や韓国には一切今後資金援助をやめてこの国もアメリカとの日米同盟は維持したままで核武装をするべきですね。同じく腹立ちます。中国って何を考えているんだろうか?
by kingair350 (2009-04-07 17:24) 

フクロウ

こんばんは。
何度目かのコメントです。昔の記事にすみません。
ふと疑問に思ったのですが…

高度が上がれば空気が薄くなるので同じ揚力を得るには速度(または機首上げ)が必要,というのはわかります。
一方,音速はたしか空気が薄い,気温が低いほうが遅くなると思ったので…
同じマック.85でも,高度が高くなれば実質的には遅くなる?
たとえばFL300の.85と,FL400の.85では,後者のほうが遅い,と思っていたのですが…
でも,必要な揚力からしたらFL400のほうが速くなければならない…
あれれ,なにか勘違いがあるのでしょうか…。
by フクロウ (2016-05-19 10:12) 

FD

マック.85は

FL300では323ノット

FL400では257ノット程度でしょうか。

by FD (2016-05-20 14:40) 

フクロウ

ありがとうございます。
by フクロウ (2016-05-20 21:52) 

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