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ダッチ・ロール [航空関係]

現在身体的事情により長期休暇中。リハビリと録画した番組を視聴するのが日課となっています。
と言う訳で、きょう観た映画は2本。WOWOWの「ミスト」 と 「クライマーズ・ハイ」 でした。

ミスト。こんな映画は好きではないのですが、息子が録画して観ていたので、お付き合いしましたが、こんな救いようのない映画は珍しいですね。何で、金まで出して後味の悪い思いをしなければならないのかね。

一方の、クライマーズ・ハイ。以前もNHKでしたかね、やってましたので、その映画版と言えるのかもしれませんが、御巣鷹山に墜落したジャンボ機の報道合戦をメインに、クライマーの谷川岳、一の倉沢登はんを絡ませた物語でした。

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しかし、この墜落事故の時の、「ダッチ・ロールに入ったようでした」 とのCAの証言にはちょっと違和感を覚えました。我々パイロットでさえ、ダッチ・ロールに入った経験などは皆無でしたから。

私の唯一のダッチ・ロール経験も実機ではなくシミュレータでした。
ボーイング727はダッチ・ロールに入りやすい機体でした。それを防止するため、ヨー・ダンパーと言う装置が付いているのですが、訓練の時、そのスイッチをオフにして、ダッチ・ロールの経験をしたのです。
スイッチを切った後、ラダー・ペダルを蹴飛ばしますと簡単にダッチ・ロールに入ってしまうのです。
その時の状態を表現しますと・・・・・小さなボートの中で立ち上がり、ボートを左右に揺らしますと、不安体になってひっくり返りそうになりますよね。あの感じでしょうか。

ダッチ・ロールを止めるためには、エルロンを使って修正するのですが、これが難しい!ちょっとやそっとでは止める事が出来ませんでした。
ところが、ヨー・ダンパーのスイッチを再度オンにしますと、ピタッと止まるんです。ヨー・ダンパーはラダーを使ってダッチ・ロールを止めるのですが、機械は凄いと思いましたね。

人間は機械と張り合ったり、争ったりしてはいけません。機械(オート・パイロットなど) を上手に使いこなして、飛行機を安全に効率よく飛ばすべきなのです。

ところで、クライマーズ・ハイとは?
クライマーが垂直に近い壁を登はんしている時、精神が高ぶって、怖いもの知らずになる状態を指すのだそうです。そして怖いのが、クライマーズ・ハイの状態から脱した時。突然恐怖が襲ってきて、進む事も退く事も出来なくなるらしい。垂直の壁の途中で、そんな状態になったら怖いですよね。

垂直の壁に挑むのも、サーキットで自己ベスト更新に挑むのも、何かを征服し、やり遂げたいという気持からだと思うのですが、ライダース・ハイなんて現象はないのかな?
怖いものがなくなって、筑波の最終コーナー、50m看板までブレーキングを我慢できたりして。一度なってみたいのですが、命がいくつあっても足りないか?
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