カード型ライセンス

６月１１日のブログ、パイロット・ライセンスでも書いた事なのですが、今までの手帳型ライセンスから、カード型ライセンスへ全員もれなく変更せよとのお達しが、航空局から来たのでした。
カード型ライセンスへの変更そのものは無料なのですが、本籍地の変更を伴う場合には、ライセンス再発行の理由書に手数料１,７５０円を添えて申請しろとの事。

航空局の都合で変更を強制しておきながら、理由書を添えろだの手数料を払えだの、「まったく勝手な事を言いやがって」 と怒り心頭に発しましたので、手続きをせずにほったらかしにしておいたのですが、「早く手続きをしてくれ、早くしてくれ」 と事務方のうるさい事。
仕方ないので、１,７５０円を払わないで済む方法で、変更の手続きを終えたのでした。


しかし見て下さい。今までの重厚？な手帳型に比べて、なんとお粗末なカード型でしょう。
いや、カード型など全くおこがましい。名刺型？いや、名刺だってもっと上等な紙を使ってますよ。
あえて言えば、チケット型かな？映画館のチケットを想像して頂ければピッタリ。それに写真を貼ったと思えばいいでしょうね。

無効となったライセンスは、ＶＯＩＤの処理をして返還されます。

定期運送用操縦士のライセンスを取得しますと、下位のライセンスである
事業用操縦士ライセンスは無効となるのです。







そして、全員をカード型に変更させた理由とは？
「手帳型には日本語の表記しかないので、海外の係官が内容を理解できない」 と言うんですよね。
できないんだったらできるように、「ライセンスに表記してある日本語ぐらい理解できるよう勉強しろ」 と言ってやればよいのに、すぐ外圧に負けてしまう。
そんな事だから、国際標準化争いでも、やられっぱなしになってしまうんだよ。

その国際標準、これって非常に重要らしいのです。
例えば、日本の携帯電話。機能的には優れているにもかかわらず、国際標準として認められなかったので、海外で売る事ができないとの事。どんなボロ規格でも、国際標準として認められれば、海外へ広く販路を拡げる事ができるのです。

脱線ついでに、先日テレビでやっていた超高圧送電技術に関する国際標準化争い。
むかし理科の時間に習いましたよね、送電電圧が高くなるほど、送電ロスが少なくなると。
現在国際標準として認められているウルトラ・ハイ・ボルテージの送電電圧は、１,０５０ｋＶと１,２００ｋＶ
そして日本が開発中の送電電圧は１,１００ｋＶ
「何で、そんな中途半端な電圧にしたの？」 と言っても後の祭り。この１,１００ｋＶを国際標準として認めてもらうしか道はないのです。
なお、１,０５０ｋＶと１,２００ｋＶは国際標準として登録はしてあるのですが、実用化している国はまだないとの事。ドイツは１,２００ｋＶの実用化に向け研究を進めているようですが、実用化は数年先になるらしい。

認めるかどうか、最後は各国による投票で決まるそうですが、参加した国の２５％以上が反対に回ると、否決と言う事になってしまうそうな。
そして、日本案に対して強硬に反対していたのが、国際標準大国ドイツ。そして他にも、スウェーデン、
韓国などが反対に回っていた。
昔は技術力さえあれば世界で活躍できたのに、今では政治力が大きなウエイトを占めるようになってきている。日本が苦手とする分野ですよね。

そして、投票の結果や如何に？・・・・・
何と！あれほど反対していたドイツやスウェーデンが賛成に回った事もあり、１,１００ｋＶが国際標準として認められたのでした。韓国は最後まで日本案に反対を貫きやがった。こんな国の住民に地方参政権だって！

何故ドイツが賛成に回ったのか？そこには中国の存在があったのです。
中国は日本の技術を取り入れて、１,１００ｋＶの試験送電を行うまでになっていたので、１,１００ｋＶが認められなければ、大きな痛手を受ける。
そうなれば、反対に回った国に対して報復措置に出るかも知れない。それをドイツは恐れたのです。
シャクではありますが、中国の巨大市場を前にしますと、世界中の国々がひれ伏すしかないのでしょう。

番組の中で言ってました、

日本に反対する国はあっても、中国に反対する国はない。

人類の皆さん、日本は 友愛 友愛 友愛 友愛 友愛 友愛 友愛 友愛 友愛 友愛 友愛 で～す

コメント 8

FDキャプテン、こんにちは。

カード型、改めチケット型のライセンスのお写真のアップありがとうございました。本当に何十時間（何百時間？）もかけて得られるライセンスがこんな感じでは重厚さも何もないですね。。。

＃写真を見て改めて、FDキャプテンのFDは「Flying Daytone」の略であったというのを認識しました。私の関連業界では、FDとはFaculty Developmentの略で使われることが多いので、、、。

Development関連で、、、CRM訓練はいかがでしたでしょうか？また教えていただければ有り難いです。
by 野菜さらだ (2009-11-12 11:27) 

ＣＲＭ訓練は来週になりますので、その後のご報告と言う事で。

今月は訓練の集中月となってまして、シミュレータ訓練が２日、ＣＲＭ・緊急訓練１日、座学２日となってます。
出来高払いで、飛ばないとお手当が増えないシルバー乗員ですので、カミさんが年を越せないとなげいております。
by ＦＤ (2009-11-12 16:37) 

本当にパイロットの方はずーっと訓練を続けていらっしゃるのですね。。。
教員免許の更新講習が今年始まって、ちょっとましになるかなーと思っていたら、民主党になって２年でこの制度を止めるとか、止めないとか。

事あるごとに、「パイロットの方は半年に一回は厳しいチェックを受けてるんですよ！」と言っております。

CRM訓練はとても興味があります。お話を伺えるのを楽しみにしています！


by yasaisalad (2009-11-13 00:29) 

ＦＤさん、こんばんは。毎回楽しく拝見させていただいております。

　今回のカード型ライセンスの話題ですが・・・。
私も,カード型ライセンスを保有しています。
丁度、ライセンスを交付して頂いた頃に、カード型に変更となり
手帳型のライセンスを期待していただけに、ガッカリしたのを思い出します。
手帳型が貫禄あっていいですよね・・・。w




by てんてん (2009-11-13 22:55) 

カード型っていうので、運転免許証のようなものかクレジットカード型のを想定したら・・・え？チケットに写真ですか？それで持つんでしょうか？心なしかライセンスの写真も怒りの目のような（＾＾；

国際基準、日本が非常に苦手でいつも出遅れて痛い目にあってますね。コンピュータや通信、クルマの世界もそうです。オレがオレがと言うのが苦手な面もありますが、それ以上に国内でよそをにらみながらもたもたしている内に奴らに良いように決められてしまいます。ヨーロッパの連中がそのあたりは一番早い。良い悪いは別にまずこれがグローバルスタンダードだと手を挙げて、さあ、議論をしようと進めていく。国際政治ととても似ていますね。日本がダメな分野でもありますが。

by HAL (2009-11-14 20:14) 

カード型ライセンスは手帳型と引き替えに受け取ったのですが、手帳型はＶＯＩＤの処置をして返してくれるとの事ですので、記念にとっておきたいと思います。

日本は一種のいじめられっ子、京都議定書でも日本が断然不利な条件をのまされましたからね。
１００キロから７０キロまでダイエットした日本に、更に２０％の減量をしろと言っているようなものでしょう。
欧州諸国はダイエット前でしたので、１００キロから２０％のダイエットで済む訳です。
by ＦＤ (2009-11-15 21:05) 

　手帳型はＶＯＩＤの処置をして返却されるとのこと。。
限定事項全般に、ＶＯＩＤの印が押されて却ってくるのでしょうか？

せめて、特記事項に事由と試験官署名位で却ってきてほしいでよね？！


by てんてん (2009-11-16 14:47) 

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