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新しい時代の幕開け? [航空関係]

ILSアプローチと同じように、連続降下による最終進入が可能となる、VNAVアプローチが優先的に運用されるようになりました。

ただし、ILSと同じと書きましたが、両方式には決定的な違いがあります。精密進入対非精密進入ですので、ミニマムの違いは当然あるのですが、決定的な違いは、ILSアプローチで不変なものは降下角であり、VNAVアプローチで不変なものは降下開始点であると言う事です。
blogvnavcdfa.gif
上図のようにグライド・スロープの角度が一定である(通常3度)ILSでは、外気温の違いによって降下開始点は変化しますが、A点 / B点、降下角は一定で変化しません。
一方のVNAVでは降下開始点が一定ですので、外気温によりFMSが計算する降下角度が変化します。高温時赤線、低温時青線。故に、低温時には地上の障害物との間隔が減少する事になり、VNAVアプローチが実施可能な最低気温が空港毎に定められているのです。-15℃~-25℃前後。



ところで鳩山首相、時々テレビのインタビューに出てきては、他人事のような訳の分からないコメントをするだけですが、よっぽど暇なのでしょうか?ファッション・ショーに夫婦揃って出てみたり、観劇に行ってみたり、始球式をしたりするのが日課のようですが・・・・・そうか!全ての事を小沢幹事長が仕切っているので、出番がないんだ[ひらめき]


コメント欄にご質問がありましたので、追加します。
飛行機の高度計=気圧計ですので、飛行機は地面(水面)からの高さが一定のところを飛んでいるのではなく、下の図のように、気圧が一定のところを飛んでいます。
そのため、地面からの高さは常に変化している事になりますが、離着陸時を除き、地面との間隔よりも他機との間隔が重要になってきますので、地面からの高さが変化しても、問題はない訳です。

blogaltpress.gif
FL390を飛んでいる飛行機は、200hPaの気圧面を、FL370の飛行機は、217hPaの気圧面を飛んでいる事になります。

このように、高度計の表示は同じでも、気圧の変化によって地面からの高さが変わってきますが、同じように温度の変化によっても地面からの高さが変わってくるのです。
気温が低い時には空気密度が高くなり、実際の高度変化に対して気圧の変化がより大きくなりますので
(下図青線)、例えば、高度計が5,000フィートを示す850hPaの気圧面も低くなってしまうのです。

blogaltpress4.gif
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コメント 7

HAL

コンピュータが分かっていることはきちんと使って、より効率よく(安全を守るのは当然として)飛ばすという方向性なのでしょうね。
素人考えではVNAVでもA点、B点をFMSが計算できそうですが、効果開始点を一定にするのですね。VNAVを使う「最低気温」が関係するというのが面白いですね。

首相・・・決めない、まとめない、主張しない、という感じですね。他の閣僚もそうなのですが、大変なことを引き受けてしまったという緊張感に乏しいです。マニフェストとさえ言っていれば通る、というような。国民に約束したのだから守る、と言いますがすべて裏付けまで含めてマニフェストを信任したわけでもないはずなのに。

by HAL (2009-11-25 00:00) 

FD

先日、福岡空港が霧のためテイクオフ・ビロウに。
適用するRVR値で一悶着?顛末は後ほど。

献金問題で攻められ、普天間移転問題は先送り。
鳩山政権はそう永くないような気がしております。
by FD (2009-11-26 18:47) 

FA

いつも興味深く拝見させて頂いております。

初歩的な質問で申し訳ないのですが、外気温の違いで降下開始時の高度に違いがでるのでしょうか?

航空機の高度は気圧高度計で計測していると理解しています(電波高度計は別)。高度計を外気圧で補正していても、外気温の違いによって計測される地上からの高さは変わってしまうのですか? ひょっとして空気の密度が影響しているのでしょうか?

差し支えなければお教えいただけると幸いです。
by FA (2009-11-27 00:10) 

てんてん

FAさんこんにちは。横から失礼します
 一般的なお話をさせて頂きますと、仰るように気圧で高度を測定しています。気圧の違いよって計測される海面上からの正確な高さは、時々刻々、微小に変化していると思われます。
ただ、そのレスポンスが早いと当然、高度計の指示はふらつき安定せず、安定したフライトの維持が難しくなりますので、ある程度のタイムラグを計器にfrictionを持たせたり、ADC内で調整をして指示させています。
  よって、外気温の変化や密度変化が気圧高度としてリアルタイムに表示されることは無いと思います。ただ、乱気流に遭遇したなどは別ですが。
 外気温の違いで降下開始時の高度に違いがでるのでしょうか?とのことですが、これは、ENGINEへの密度変化に伴う空気流入量の変化に伴うものだと思います。









by てんてん (2009-11-27 10:54) 

FD

解説を追加しました。
by FD (2009-11-28 16:50) 

てんてん

FDさん、解説追加頂きありがとうございました。
確かに、VNAVで対地高度は気圧で変化しますね^^;
FMSにdata inputした結果で開始点が異なると勘違いしておりました。




by てんてん (2009-11-29 07:43) 

FA

FD様、てんてん様、初歩的な質問に対し、詳しく丁寧にお答え
くださり、ありがとうございました。

管制機関からは着陸する空港のQNHが提供されますが、上空の
外気温までは提供できないがなくこれを補正しきれないわけですね。
外気温が高温時には大気の密度が小さくなり、結果として高度
が高く表示されるということなのですね。勉強になりました。
by FA (2009-11-29 21:06) 

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