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GPWS [航空関係]

GPWS(Ground Proximity Warning System)には幾つかの警報モードがあるのですが、旭川空港付近で発生した警報は、モード2と呼ばれる、『対地接近率過大』 モードによる警報だったと思われます。
bloggpwslookaheadworning.gif

山岳地帯に接近している機。
電波高度計による対地接近率が過大になりますと、GPWS は “PULL UP” の音声警報を発するのですが、切り立った山に接近しているような場合には、警報に従ってパイロットが回避操作を行っても、回避が間に合わない状況も考えられます。

一方、-400などの Look-Ahead Terrain Alert 機能を持った、Enhanced GPWS 装備機(機)では、FMSが記憶している地形と、GPSによる自機の位置、高度、進路、降下率と速度とを比較して、衝突の危険があると判断しますと、その40~60秒前に “CAUTION TERRAIN” の音声警報で警告し、更に衝突予想の20~30秒前になりますと、“TRRAIN TRRAIN PULL UP” との警報が発せられますので、回避操作を行う時間的余裕が大幅に増加する事になります。

警報が発せられますと、通常はドット表示となっているND上の Terrain Desplay がソリッド表示に変化して、視覚による警告も行うようになっています。
マップ・レンジには 5-10-20-40-80-160-320-640NMレンジがあり、スイッチにより任意のレンジに切り替える事が出来ます。

警報が発せられますと、Terrain Desplay のスイッチをオンにして、ND上に Terrain Desplay を表示させていなくても、自動的に表示するようになっていますので、「Terrain Desplay を常に表示させておく必要なないんじゃないか」 と言う人もいるかも知れませんが、突然の警報に慌てるよりも、危険を予め察知出来るようにしておいた方が賢明だと言えるでしょう。

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コメント 7

てんてん

最近はE-GPWS装備なので、事故までは至らないと思います。

ただ、個人的には、新聞報道では管制官の不手際が取り沙汰されておりますけど、乗員も乗員だと思います。
何のために降下開始前にROUTE-MANUALでブリーフィングして確認しているのでしょうか?
意識して確認することが必要ですよね?特に目的地周辺の地形について再確認しておくべきだと思います。プロならば・・・。
管制の指示に従うのが基本でしょうし、楽でしょうが、モード2が作動するまで降下するなんて信じられません。

今回は、勉強不足と慣れというヒューマンエラーのインシデントだと個人的は感じました。
by てんてん (2010-10-30 19:50) 

トメ

FDさんこんにちは。

旭川のインシデントは残念ですね。
管制を批判する声、パイロットを非難する声、いろいろあるようですね。
私の見方は、ヒューマンエラーをカバーする警報装置があって良かった!ということかな。
それと、ヒューマンエラーを防ぐ目的で、複数の管制官が配置されているはずなのに、このエラーが発生してしまったことは大きな問題ではないでしょうか?
焼津のニアミスを思い起こします。

人はミスをするもの。だから複数の人間でクロスチェックを行うシステムがあるのに、このシステムが働かない点は今後、検証を深めて言ってほしいと思います。

警報装置が作動してくれて、本当に良かったですね!

by トメ (2010-10-31 21:03) 

kingair350

もしですがこれがB747-400で起きていて2階席にも乗客が乗っていてコックピットの真後ろの座席にも乗客が乗っていたらおそらくEGPWSの警告音声も聞こえていたことでしょうね、、、でもそのときの機種はB737-500だったんでしょうかね、たぶん聞こえていなかったでしょうね。
by kingair350 (2010-11-01 08:27) 

利用料無料

GPWSも故障することもあるでしょうしセカンダリシステムとかは無いみたいですから状況に応じてTerrain Display描画させといてくださいネ…(乗客より)
(よく知りませんが、ディスプレイの表示がごちゃごちゃなって見づらくなるのかも知れませんが、装備されてる物をいろいろ使ってもタダだと思うので、是非御活用願いたい…です。ヨロ━━━d(。ゝд・)━━━!!)



by 利用料無料 (2010-11-01 20:25) 

kingair350

あと別件ですが、ある乗員組合のサイトを見ていたんですが御社も国際線乗務ではアジア路線は往復便乗務で西海岸路線では交代乗員を乗せずに2人乗務で運航しているのでしょうか?? まあ東海岸路線も3人乗務なんでしょうか?? 大変失礼な聞き方かもしれませんが、利用者としても大丈夫かなと少し不安に思ってしまいます。ただ御社を含めて現在の国際線乗務での乗員編成は変わったのか存じておりませんがやはり往復12時間を越すロングフライトではマルチ編成(4人乗務)がベストではないのかなと思いますがやはりこの経済状況と会社の経営状況も考えると仕方ないと乗員も考えてしまうものなのかなとも思いますが、、、FDさんお時間がありますときにぜひ記事にて教えていただければと存じます。よろしくお願いします
by kingair350 (2010-11-02 00:44) 

kingair350

FDさん すいません 上記の書き込みで途中文章が変になってしまいました。 もっと文章を読みやすくまとめてから書き込むべきでしたが、考えながらコメントを投稿してしまいました。ご気分を悪くされてしまったら大変申し訳ございません。次回からはもっと文章考えてまとめてから書き込みます。
by kingair350 (2010-11-02 00:51) 

トメ

FDさんこんにちは。

旭川周辺の空域は、管制官が一人で対応する空域のようです。
ATC側はクロスチェックを行う人員配置にはなっていないそうです。

すごく危険ですね。

B737-800
EGPWS、VSDも装備していたのではないでしょうか?(標準装備かどうかはわかりません。)
パイロット側のATC丸呑み運航も問題なのかな…。
by トメ (2010-11-03 10:12) 

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