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藍より青し・・・とは行かない? [航空関係]

RNAV ルートの特徴のひとつが、ルートの直線化による飛行時間の短縮と燃料の節減なのですが、羽田の RNAV アライバル・ルートにおいては、直線化は達成されているものの、空域の問題があるのでしょう、低高度で長時間飛ぶ事を強いられる設定となっていますので、燃料の節減には程遠い RNAV アライバルとなっております。

ただ、北からの CREAM アライバルにおいっては、工夫の余地が少ないように思われるのですが、西からの ARLON アライバルでは、ADDUM 230 ノット/ 10,000 フィートの高度制限を無視する事により効率のよい降下が行えるのではと考えております。
「無視する」 と言ってしまいますと、誤解を招くかもしれませんが、要は、スピード・ブレーキを使って早めに 10,000 フィートまで降下してしまうのではなく、ADDUM 直前までスピード・ブレーキの使用を我慢して、レーダー誘導が始まるのを期待しようと言う考え方なのです。

下の ND の画面のように、ADDUM の手前で東京アプローチにコンタクトしますと、青線のような経路で ARLON へ誘導される場合が多いので、スピード・ブレーキを使って早めに 10,000 フィートまで降下してしまった事が無駄になってしまう場合が殆どですので、その対応策という訳なのです。

blogaddumalt1.gif
DRAG CIRCLE : Full Speed Brake / Idle Thrust
CLEAN CIRCLE : Clean Configuration / Idle Thurst


前にも書きましたように、ADDUM の適正な通過高度は 12,000 ~13,000 フィート付近になりますので、10,000 フィートまで降下してしまいますと、適正な降下経路より低くなってしまい、またまた無駄なパワーが必要になってくる、と言う事は燃料の無駄遣いをしてしまう結果となりますからね。

しかしながら、必ずしもレーダー誘導が行われるとの保証はありません。
ADDUM / 10,000 フィートが必須となる場合も考えられますので、スピード・ブレーキを何処から使い始めるかの見極めが難しくなってきます。
こんな場合、最も有効なのがオフパス・ディセントの活用でして、通常は LLS アプローチの開始点である APOLO をオフパス・ディセントの Decsent to Waypoing とするのですが、この場合は、それを ADDUM に置き換えるのです。

blogaddumalt2.gif
T/Dから FMS が計算した降下経路に沿って降下を開始しますと、当然 CLEAN CIRCLE に沿って降下する事になりますが、A点で減速の指示がありますと、機体の降下率が減少し、FMS
が計算した降下経路の上方へと外れて行くのですが、DRAG CIRCLE に近づくB点まではスピード・ブレーキを引く必要はありません。
ここまではスピード・ブレーキを引かずに我慢をして、レーダー誘導が始まるのを待とうという訳です。


私のフライト人生も、残り半年となってしまいましたが、
これまで私が心掛けて来た事は、「自分はミスをするだろう、ただしそのミスが大きな問題に発展しないよう、機械と仲良くしてその機能を十分に活用し、安全性を確保しよう」 という事でした。
所がこの機械、お願いしなくても助けてくれる場合と、パイロットがお願いしないと助けてくれない場合があるのです。
お願いしなくても助けてくれる場合?
記憶に新しいところでは、旭川空港で起きた山岳地帯への接近を機械(GPWS )が助けてくれました。
その他にも色々な警報装置が安全を担保してくれています。
では、お願いしないと助けてくれない場合とは?
ここで言うお願いとは、パイロットが予め FMS・CDU に入力しておく必要があるデータや、フライト・モードの選択などを意味しています。


2.jpg
ロシア大使館前で、右翼の活動家がロシア国旗を引き裂いたとして、ロシア外務省は駐ロ公使を呼び出して厳重に抗議したそうだが、どの国も自国の国旗に対する侮辱に対しては、強い姿勢で臨むのは国際的な常識なのよ。
今日の新聞にも、「これまで日の丸は、中国や韓国で何度も燃やされ、引き裂かれてきたのに日本政府は弱腰でありすぎた」 とありましたが、同感であると同時に別の意味での危惧も抱いている次第です。

日教組などは日の丸・君が代を目の敵にしているようですが、戦争を始めたのは日の丸・君が代ではなく人間なのです。そんな責任転嫁を安易にやってしまうような人間こそ、同じような過ちを繰り返すのではないでしょうか。

また日本は、唯一の核被爆国として、核に対しては特別な国家・国民なのだ、核に対するアレルギーがあるのは当然の事だし、今後再び核攻撃を受ける事など絶対にあってはならない、そんな事を天が許す筈がないと考えているように思えるのですが、BBCが原爆の二重被害者をおもしろおかしく取り上げたように、諸外国はそんな考えは全く持っておらず、我々の考えとは大きな隔たりがあるようですね。
諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意するだけではなく、自国の安全保障を真剣に考えないと、日本の将来は危うい限りです。

ロシア男性の平均寿命は58.9歳で今後も人口減少が進み、国力が衰退して行くとの説は面白い。
米国も同様で、アジアに軍事力を展開する力もなくなって行くとの話もありますので、そうなると国力を増大させるのは繁殖力が旺盛な彼の国だけなのか?さあ、日本はどうする。

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うえいぱうわ

RNAVで飛ぶのは、思ってたよりも細かい判断が
必要なんですね。

最初の教えは、その後に続いていく大切な事ですね。
NAVデータもどんどんアップデートしていきますし、
それを使う側もスキルのアップデートを続けていく
事が必要なんでしょうね。
現状に満足せず、問い続けていく事。
私も気をつけないとなあ。

by うえいぱうわ (2011-02-10 21:56) 

たけ

こんばんは。初めて書き込みさせて頂きます。

VNAVの話は内田氏の著作を思い出しました。
気になったのですが、那覇のRWY36からの離陸でクライムスラストのタイミングを高度でなくフラップ5に設定するのは1000ftの高度制限が続くからでしょうか?
by たけ (2011-02-10 23:39) 

機内食屋

はじめまして。
FDさんのような頭の柔らかい「ジーサン」(失礼しました)から頭の固い若手が学べるかが今後の日本を左右するのかな?

例の組織は国旗・国歌に逃げないと正論(?)を導き出せない特亜組織なのでしょうww

駄文失礼しました。
by 機内食屋 (2011-02-11 01:53) 

たけちゃ

「お前はFMSに頼らないと飛べないのか!?」 との戯れ言。から
、研究心・向上心が足りないと思うのだが、誰が悪いのか?
の部分まで全くもっておっしゃる通りです。
運航の中心には人間がどっかりと居座って、Auto Flight Systemを上手に取り込めば安全性は格段に向上するでしょう。
またやり方は幾通りかあると常日頃から向上心を持っていることがなによりプロフェッショナルとして必要な要素だと思います。
あと半年なんて言わずにずっと乗り続けてほしい方ですね。



by たけちゃ (2011-02-11 12:42) 

kingair350

FDさん エアラインによってはPMDG747のソフトを導入しているところもあるみたいですよ。またボーイングのエンジニアがこのPMDG747のソフトを見たとき完成度の高さに唖然としたそうです もちろん実機にはかなわないですけどね しかしこれ難しいです 長時間のフライトでも大変なのに現実世界だと。、
by kingair350 (2011-02-12 14:00) 

kingair350

FDさん、失礼ながら質問させてください。YOUTUBEで実機のパイロットさんたちの動画を見ているとB744で自動操縦やオートスラストを解除される際ほとんどといいますか全然警告音声らしき音も聞こえませんが、そんなに早くディスエンゲージのスイッチを2回早押ししているのでしょうか? それとも各航空会社ごとに仕様があって変えることができたりするのでしょうか?

またB744では飛行中の燃料タンクの移送はX FEEDスイッチでできるようですが全自動でやってくれるものではないのですか?? B744では巡航中燃料タンク間で燃料の移送をするとしたらおよそどれくらいの時間をかけて行われるものですか? 例えばMAIN2からMAIN3へアンバランスになってしまった燃料を5万ポンド程移すとかするときです どうか教えてください、お願いします
http://twitpic.com/3z2i8h
by kingair350 (2011-02-13 04:25) 

たけちゃ

kingair350さんに質問です。PMDG747のソフトと書かれていますが。
どのようなものですか?教えていただけませんか。
by たけちゃ (2011-02-14 07:35) 

トメ

FDさんこんにちは。

後、半年ですか…
残念ですね~。その間にFDさんが機長を務める-400に乗れるのかな?
FDさんが機長なのかどうかはアナウンスを聞いても知る由もありませんが…

現役をお勤めの間に、現役ならではのお話をいっぱい聞かせてください!

CLEAMアライバルは4月より東に張出すようですね。
ADDUMと同様のテクニックが使えるようになるかもしれません。

パイロットの方がどのようなモードで飛行するのか?は我々乗客にはどうこう言える筋合いのものではありませんが、FDさんに教えていただいたすばらしい機能を使い切っていないのは、成長過程にあるはずの若いパイロットの方々にとっては「大きな問題」と思います。
B787を飛ばすのに、V/Sモードですか~?ある意味、勘に頼った(頭の中での暗算含む)飛行となりますよね。少し、残念です。
VNAVでは自分で操縦している感覚が薄まるんですかね。より自分で操縦している感覚が強いモードを選択しているのか?

「機長は後ろを向いて」操縦していただきたいですね。

by トメ (2011-02-14 11:48) 

FD

FMSの初期設定では対地1500フィートでクライム・スラストにセットするよう
になっていますので、1000フィートでレベル・オフ後も、テイクオフ・スラストに
アームされた状態のままですので、次に上昇を開始する時にも再びテイクオフ・
スラストまでパワー・アップしてしまいます。
1000フィートから上昇するのにテイクオフ・スラストは必要ないでしょうから
その前にクライム・スラストにアームする方法を考えますと、私はフラップ5でアーム
するのが最善ではないかと考える訳です。


飛行機の操縦などは機械に任せて、人間は高所から監視しているのが一番
安全だと考えるのですが、操縦に熱中する人が居るのです。
大型旅客機で重要なのは、細かい操縦技倆などではなく、緊急時の対応を含めた
マネージメント能力ですので、元ファイター・パイロットが訓練で苦労をすると言う
話もよく聞きます。
私もコーパイ時代からソースが異なる色々なキャプテンを見てきたのですが、
対潜哨戒機や輸送機出身のパイロットの方が太っ腹で度胸があるように
感じられました。


飛行中にタンクからタンクへ燃料を移送する事は出来ませんので、燃料が多い方の
タンクから先に使って、バランスを取るしかありません。


VNAV PATHモードを使えば、STONEを必ず11000フィートで通過するよう、
FMSがコントロールしてくれるのですが、わざわざVNAV SPEEDモードや
フライトレベル・チェンジに変えて降下経路から外し、自分でスピードを調整しながら
STONEを11000フィートで通過するように頑張っている人が居るのですが、
VNAV PATHを使うと、機械に飛ばされたような気がしてしまうので、自分で操縦したと言う実感を得たいのかもしれません。ご苦労な話ですが。
アマチュア・パイロットなら、おおいに操縦を楽しみなさいと言いたいところですが、
プロのパイロットが目指すべきは、別の次元であるべきでしょう。

by FD (2011-02-14 20:56) 

kingair350

FDさん、お返事どうも有り難うございます。EICASに表示される燃料タンクはそういうことだったんですね。オーバーヘッドパネルのXFEEDスイッチはどの燃料タンクから使っていくかを操縦者が操作することのできるものでEICASはその状態を示すものだったんですね。勘違いしてました 疑問が解けました。どうも有り難うございます。 FDさんは私の父とも余り変わりない世代ですのでお身体はお大事にされてください。私の父は心臓が悪いそうで気がかりで仕方ありません
by kingair350 (2011-02-15 07:41) 

deanna

内田 幹樹さんの「査察機長」でもFDさんの言われることが書かれてますね。機長は操縦を副操縦士に任せてフライトの組み立てを考える。ハイテク機はFMSを使いこなして人間は状況判断をするべし、とか、そんな意味が書かれていたと思います。
査察を受ける新米機長にベテランが諭してました。
by deanna (2011-02-17 23:18) 

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